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家庭でできる子供へのバイリンガル教育のサポート方法とは?

コラム 2025.03.28

バイリンガルの子供を育てる保護者にとって、子供の言語発達のバランスを取る方法を見つけることは、非常に難しい課題の一つです。私たちが子供に対して下す判断は、目先のものだけでなく長期的にも影響を与えるため、重く感じることもあるでしょう。では、家庭で使用する言語と学校で使われる言語が異なる家庭において、私たち保護者や教師はどのように子供のバイリンガルな学びを支えることができるのでしょうか?
2024年10月、私はCGKインターナショナルスクールのSky(5歳児)クラスおよび初等部の保護者の皆様に、ご家庭でどのように英語と母語の両方の言語発達を支援しているかを伺いました。これは、私の修士課程の研究(バイリンガルの発達と教育)における一環で、以下の2点の問いへの答えを探すために実施しました。

1. 家庭での母語リテラシー促進は、学校における英語力にどう影響するか?
2. 英語と母語のリテラシーを家庭でどの程度支援しているかによって、英語力に違いが出るのか?

研究結果

21の家庭(Sky〜Grade 5)にアンケートを行い、子供が自宅でどのくらい頻繁に自分で読書しているか、家族に読み聞かせしてもらっているか、自宅にどれだけの書籍があるか、保護者が自分のために読書する姿を子供がどれだけ見るかなどを、英語・母語の両方について尋ねました。そして、回答を1学期の成績表・プログレスレポートの英語科目(ELA)評価と比較しました。統計的な有意差を示すには十分なサンプル数ではありませんが、興味深い傾向が見られました。

家庭での英語活動が多いほど、学校のELA成績が高くなる可能性がある

これは当然のようにも思えますが、自発的な読書、家族からの読み聞かせ、保護者が英語で読書する姿を見せるといった英語環境が豊かな家庭の子供は、ELAの基準を安定して満たす傾向が見られました。過去の研究でも、家庭での読書習慣が学力向上につながることが示されています [1]。特に、幼稚園就学前の口頭英語能力の高さが、学校での成功を示す重要な指標の一つとされています [2]。

  • CGK x Primo
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母語での読書支援は、成績向上には直結しないが低成績を防ぐ効果があるかもしれない

今回の調査では、母語での読書習慣が高いからといって英語成績が著しく向上するとは言えませんでしたが、低成績の抑制には一定の効果があるようです。長期的には、母語のリテラシーが英語力の向上につながるという研究もありますが [2]、今回の調査対象は8歳未満の子が多かったため、影響が出るにはまだ早い段階かもしれません。

子供の前で読書をすることが、言語に関係なく最も大きな影響を与える可能性がある

英語でも母語でも、子供の前で読書することが最も大きな効果を示しました。英語での読書を子供の前でしている家庭の子供は、ELAの成績で「まだこの学習成果を実証していない」「この学習成果を実証することはほとんどない」となる可能性が大きく下がっていました。日本語で読書している保護者も、子供の成績がやや良くなる傾向にありました。

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家庭・教育関係者への示唆

バイリンガルの子供と関わる家庭や教育関係者には、バイリンガル習得の過程への理解と共感が必要です。英語以外の言語を話す家庭では、英語力の伸びが遅く感じられることもありますが、それは自然なプロセスです。今回の研究はELAのみに焦点を当てており、他の教科や興味・関心によっては英語の成績以上に伸びを見せる子供もいるかもしれません。

また、バイリンガル教育の目的は英語での成功だけでなく、母語での自己表現や成功も含まれることを忘れてはいけません。家庭で母語の読書を楽しむことは、子供のリテラシー全体の向上につながります。英語に自信がない保護者でも、自分の母語で読書を楽しむ姿を見せることで、子供にとって読書が「楽しいもの」として根づく可能性があります。

最後に、本研究にご協力いただいたすべてのCGKのご家庭、そして研究を支えてくださったCGKの運営・管理の皆様に心より感謝申し上げます。保護者と教育者が手を取り合うことで、子供たちのバイリンガル(あるいはマルチリンガル)としての可能性は大きく広がっていくと信じています。

[1] Jordan, G. E., Snow, C. E., & Porche, M. V. (2000). Project EASE: The Effect of a Family Literacy Project on Kindergarten Students’ Early Literacy Skills. Reading Research Quarterly, 35(4), 524–546.
[2] Reese, L., Garnier, H., Gallimore, R., & Goldenberg, C. (2000). Longitudinal Analysis of the Antecedents of Emergent Spanish Literacy and Middle-School English Reading Achievement of Spanish-Speaking Students. American Educational Research Journal, 37(3), 633–662.

著者プロフィール

Ms. Brandi  -  プリスクール・先生  (アメリカ)us

CGKインターナショナルスクールのプリスクール・教師。
子供との関わりは16歳の頃から始まり、以来、横浜・横須賀のインターナショナルスクールで13年以上にわたりプリスクールから小学生までの教育に携わる。遊びや探究を通じて子供たちの成長を支える教育哲学を大切にし、国際ビジネス学士号と教育学修士号を取得。

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