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社会的・情動的学習 ~Social-Emotional Learning~

コラム 2023.11.21

私(体育講師: Facundo先生)が人生で学んだことのひとつは、自分の気持ちに責任を持つことでした。非常に協力的な家族のもとで育った私は、すでにその手段を持っていたので、あとは実践するだけでした。

自分がどう感じているかを理解し、その感情を現実のものとして、重要なものとして、さらには自分自身のものとして受け入れ、最終的にその背後にある理由を見つけることは、最初の一歩に過ぎません。もちろん簡単なことではありませんが、時間と努力、そして支えてくれる環境が必要です。


Social-Emotional Learning


私の体育のレッスンでは、いつも最初に数分、話し合いと確認の時間をとります。「みなさん、おはようございます!元気ですか?」と尋ねると、子どもたちが驚くのが面白いです。「どうしてOKなの?どうしてOKじゃないの?他に誰がそう感じている?」

そして、「私はどう感じる?」「なぜそう感じるのか?」

これらの質問に対する答えが得られたら、次の2つのステップが社会的観点から見て最も重要だと思います。

  • その感情に基づいて、私はどのような決断を下すのか。
  • その決断は他人にどのような影響を与えるのか。

社会的・情動的学習は、私たちが自分の感情を認識し、管理し、明確かつ共感的な方法でそれを伝え、社会的背景、現実、異なる視点、他の人々の感情を考慮しながら、それに基づいて意思決定するのに役立つと思います。これは、私たちのカリキュラムの不可欠な部分であり、国際バカロレアIBの視点と密接な関係があります

国際バカロレアIBの学習者像である、心を開く人思いやりのある人知識のある人コミュニケーションができる人など、自分の感情を認め、理解し、倫理的な決断を下せるようになることを手助けしたいのであれば、Social-Emotional Learning(社会的・情動的学習)はそのための主要な手段のひとつです。そしてIBの学習者像だけでなく、チームビルディング、積極的なコミュニケーション、葛藤の解決、自己認識、自己調整などは、この種の学習の他の側面です。


Social-Emotional Learning


生徒が自分の感情を処理できず、非生産的な反応をしたり、他人の感情を否定したりすることは、特に低学年の子どもにはよくあることです。教育者や親なら誰でも、生徒が何かを不公平だと思い、その感情を批判的思考をもって捉えることができず、問題をうまく解決する方法がわからないという状況を経験したことがあると思います。不確かさが恐怖に変わり、怒りに変わり、感情がコントロールできず問題行動へと発展する状況は、学校として子どもたちが回避するスキルを身につけさせる必要があります

低学年の生徒たちに試したとてもシンプルな活動のひとつは、感情を小さな画像で表した表を見せるというものでした。生徒たちは自分が感じている感情を選び、その理由を話しました。感情を明確に視覚化することで、生徒たちは感情を理解し、区別することができます。それと同時に、他の人も同じように感じるんだということを理解することが出来ます。

一次的な感情と二次的な感情を分ける手助けをすることも重要です。先程私が言ったように、恐怖が怒りに変わることもあれば、フラストレーションが悲しみに変わることもあります。二次的な感情だけをケアしても、問題は解決されず、また新たな問題を引き起こす可能性があります

自分の気持ちを理解し、問題や理由を認識し、その気持ちを受け入れ、他の人のことも考えながら、それに基づいて決断を下すには、練習と時間と努力が必要です。大人でも難しいことです。私たちの個人的な歴史、文化、仕事、人間関係は、私たちの気持ちや感情、ひいては決断に影響を与えます。自分自身の感情を理解するために感情を明確にするのは、なかなか難しいことです。

それができるようになれば、もっとポジティブな方法でコミュニケーションを図ることができます。私の以前の学校では、生徒たちと「感謝のマント」を作るゲームもよく行いました。紙や布をマントとして首に巻き、他の人が自分についてポジティブなことを書きます。「私はいつもあなたを尊敬しています、なぜなら...」とか、「私はあなたに感謝しています、なぜなら...」といった文章を見れたことにとても感銘を受けたことを覚えています。

結局のところ、それは選択です。自分にとっても、他の人にとっても、より良くなるために。子どもたちが正しい決断を下せるように手助けをしましょう。適切なタイミングで適切な質問を投げかけ、その感情に責任を持つよう求め、彼らの決断を私たちが彼らに期待するものと比較することで、内省的な行動へと生徒たちを導くことが私たちの義務だと感じています。

自分の行動や感情、決断に責任を持つことは、自分自身を知り、自分がどこから来てどこへ行くのかを理解するための、もうひとつの良いステップだと私たちは考えていますので、今後もこのように子どもたちをサポートしていきます。

著者プロフィール

Facundo  -  初等部&プリスクール・体育教師  (アルゼンチン)アルゼンチン

CGKインターナショナルスクール・初等部とプリスクールの体育教師。
日本のインターナショナルスクール(小・中・高)にて、国際バカロレアIBとケンブリッジのカリキュラムでの体育指導経験あり。

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