視点:書道と現代美術の文化交流
この日、3年生と4年生は、前衛的で20世紀中頃の日本の書道(特に井上有一の作品)と、それに互いに影響を与え合った、アメリカの抽象芸術との関係を探究するユニット(単元)を継続しました。このユニットは、絵画を構成する無数の変数(構図、スケール、バランス、ネガティブ・スペースとポジティブ・スペース、絵具の一貫性、塗布テクニック、塗布ツールなど)と、それぞれがもたらす調整効果について、生徒の考察力と批判的分析力を磨くことを目的としています。
この週の初めに、クラスはロバート・マザーウェルの絵画の「essences」に新しい名前をつけたり、漢字の書道だったらどういう意味だろうという仮説を立てたりして解釈し、創造的思考力を鍛えました。そして、形、つながり、遠近法といった重要な概念に立ち戻り、これらの側面がマザーウェルの抽象作品に対する生徒たちの解釈にどのような影響を与えたかを調べました。生徒たちは、マザーウェルが一種の「逆の書道」を実践していたことを理解するようになりました。マザーウェルは、すでに意味が付加されているシンボルから出発して、その「本質」をページ上で表現する最善の方法を決定するのではなく、即興と考察の形式から自然に浮かび上がる意味を探していたのです。
この日、生徒たちはそれぞれ順番に、私の自作の大きな筆を使って、マザーウェルのような大判の抽象画を制作しました。一筆一筆、線、点、あるいは小さな「アイデア」が紙に表現された後、生徒たちは立ち止まり、クラスメートと相談しました。
彼ら(クラスメート)は何を見たのか?
何か新しく加わえた後の作品を見てどう感じたか?
どんな疑問を持ったか?
彼らの視点はどうだったか?
次に絵具を塗るとき、どんな提案があるだろうか?
画家である生徒たちは、これらの意見を総合し、どのように進めるか自分たちで決定しました。私は生徒たちの素晴らしい作品にとても感銘を受けました。彼らの作品は個性的で、深く考え抜かれ、力強く、刺激的でした。彼らが将来、このスキルをどのように活かしていくのか、とても楽しみです!
著者プロフィール
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Russell - 初等部・担任教師 (アメリカ)
CGKインターナショナルスクール初等部・担任教師。アメリカ出身。
オーストラリアやシンガポールでの居住経験あり。