I Love My Rainbow Shoes
CGKインターナショナルスクールは2023年の4月より、国際バカロレアIBカリキュラムを本格的に取り入れています。本来は3歳から始まるプログラムですが、当校では、2歳児のOceanクラスから、IBを導入しています。
Ocean(2歳児)クラスが取り組んできた、国際バカロレア(IB)の探究の単元(UOI)は、
“How We Express Ourselves (私たちはどのように自分を表現するのか)”
今まで”Celebration of Learning”(COL/発表会)に向けて三匹のこぶたのお家を造ったり、衣装として使用したTシャツを作成したり、様々な角度から創造することに挑戦してきました。そして今回、その締めくくりとしてOceanクラスのみんなで靴のデザインをしました。
今回の活動はバイリンガルタイム(英語・日本語)として行いました。
まずはみんなで “Pete the Cat I Love My White Shoes” を読みます。子供たちに人気のこの物語には真っ白の靴を履いたPeteという名の猫が登場します。Peteは自分の真っ白の靴が大好き!物語はPeteが色々なものを踏んでしまい、真っ白な靴の色が変わっていくといった内容です。
その物語を読んだ後にロールプレイをしました。
私(お客さん役)が虹色のスニーカーを買いに行くと、そこに売っているのは真っ白なスニーカー!思わず目に留まり買ってしまいますが、私は虹色の靴を探していた事を思い出します。そこで「どうしよう?間違えちゃった」と困っているとOceanの子供たちが ”We can paint!” と、とてもいいアイデアを出してくれました。
白い靴を見て「絵具で虹色に塗る」という発想は斬新に感じますが、この発想もIBの探究のユニットの中での学びがつながっています。実は以前Tシャツを作った際に布用の絵具を使用しました。そのことを子供たちは覚えていて、布を絵具で塗ることを体験し、その経験を知識として蓄えることで、Tシャツだけではなく靴も塗れるのではないか?という応用の効いた発想につながりました。
そこで、それはいいアイデアだね!とみんなで試してみることに。まずはどういった靴にするのか、自分の理想の靴を平面(2D)で表現します。これは前後の活動のつながりを考えなければただの塗り絵ですが、平面(2D)から立体(3D)にデザインを起こすという立派な活動の1つです。そこでは絵具ではなくマーカーを使って好きな線を描いてみたり、模様を描いたり、色で塗りつぶすなどの体験をします。そして絵具ではどのような色で実物の靴を塗ろうかなと想像を膨らませます。実際に平面でデザインしたものを立体の際に必ず使用しなくてはいけないというわけではなく、実物を塗る時のことを考えて、平面でデザインすることが想像力/創造力の発達につながります。
そしていよいよ実物の靴を絵具で塗っていきます。実物の靴は1足しかありません。そこでクラスのみんなで塗るにはどうしたらいいか、ということにも考えを巡らせます。自分一人が全部塗ってしまったら他のお友達が塗れるところがなくなるから取っておこう、などと活動の中でもこのように思いやりを持つことでお互いを尊重する感情を育みます。
子供たちは沢山の色の中から自分で好きな色を選び、そのまま塗ったり、混ぜてみたりなど冒険をしつつ、想像していたものを形にしていきます。
平面から立体になることで紙の上では見えなかった部分があることに気が付いたり、実際には塗りにくい箇所があったりします。紙の上だけではできない体験をし、頭の中で想像していたものを実際に目の前で作り上げていくことは、子供たちの空間認識力や創造性に働きかけます。
そしてみんなで塗りあげ、完成した靴を見て、子供たちは「わー!綺麗だね。Rainbow shoes!」と大興奮!とても満足のいく仕上がりになったようです。
この靴は私が今毎日履いている、大切な宝物です♪ みんなありがとう!
著者プロフィール
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Monami - プリスクール・先生 (日本)
CGKインターナショナルスクール・プリスクールのバイリンガル保育士。
ニュージーランド・オーストラリア・イギリスでの留学とホームステイ経験あり。