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落ち着いた心を育てる:中等部マインドフルネスクラブの取り組み

コラム 2026.03.15

今年度、CGKの中等部マインドフルネスクラブは、生徒たちが忙しい学校生活の中で一度立ち止まり、呼吸を整え、心をリセットできる大切な時間となっています。最初は小さな週1回の集まりとして始まりましたが、今では生徒たちが集中力や感情のバランス、自信、そして人とのつながりを育むための実践的な方法を学べる、安心できる温かな場所へと成長しました。

中等部の時期は、大きな変化が続く時期でもあります。生徒たちは学業のプレッシャー、友人関係、自己理解、そして自立へ向かう過程など、さまざまなことに向き合っています。マインドフルネスは、そのような日々の中で安定した力を与えてくれるものです。自分の気持ちに気づき、衝動的に反応するのではなく、落ち着いて向き合う力を育ててくれます。

安心していられる場所づくり

このクラブの中心にあるのは、心理的に安心できる環境です。
すべての活動は、互いを尊重し信頼することを大切にして進められます。生徒たちは自分の考えや気持ちを共有することを勧められますが、決して強制されることはありません。そのため、時間が経つにつれて、グループの中に強い安心感とつながりが生まれてきました。

多くの生徒にとって、自分の気持ちを安心して話せる場所があること、そして他の人の話を聞きながら「自分だけではない」と気づくことは、とても意味のある体験となっています。教室の中で育まれるこの「居場所の感覚」は、マインドフルネスの技術そのものと同じくらい大切なものです。

自然の要素を教室へ

私たちの学校は都市部にあるため、生徒たちは自由に自然の中で過ごす時間が限られていることもあります。そこでマインドフルネスクラブでは、自然の要素を教室の中に取り入れることを意識しています。

活動では、次のような自然の素材を使用します。

  • 貝殻
  • なめらかな石や小石
  • 木のかけら
  • 自然の質感を持つ素材
  • 穏やかな香りのエッセンシャルオイル

生徒たちは呼吸の練習をしながらこれらのものを手に持ち、質感や形を観察し、それによって浮かぶ感情や記憶について考えます。例えば、次のような問いを探ります。

  • この石を持つと、どんな気持ちになりますか?
  • この香りは、あなたの気分をどのように変えますか?
  • この自然の物は、何を思い出させますか?

このように五感を使うことで、生徒たちはより具体的に「今ここ」に意識を向ける体験をします。都市の中にいても、自然の穏やかさとつながる感覚を得ることができ、リラックスや感情の気づきが深まります。

呼吸とリラックスの力

クラブ活動の基礎となるのは、呼吸です。
生徒たちは、ゆっくりと意識的に呼吸することで神経系が整い、体が落ち着くことを学びます。テストの前や友達とのトラブルのとき、あるいは気持ちが overwhelmed(圧倒された状態)になったときにも使えるシンプルな方法です。

また、体の緊張している部分に気づき、それをゆっくりと緩める「リラクゼーション」も行います。これにより、感情が体にどのように現れるのかを理解し、自分の内側の状態を整える力を育てます。

生徒たちにとって大きな発見の一つは、「落ち着きは自分で生み出すことができる」ということです。

音を使って心を整える

セッションでは、音や音楽も大切な役割を果たします。
静かなインストゥルメンタル音楽や、小さなベルの音を使い、意識を一つのポイントに集中させます。生徒たちはベルの音が消えていくのを聞きながら、「いつ音が聞こえなくなったか」に注意を向けます。

このシンプルな活動は集中力を高めると同時に、心と体の両方を落ち着かせてくれます。音は、散りがちな思考を現在の瞬間へと戻してくれる“アンカー”のような役割を果たします。

感情理解とつながりを育てるゲーム

マインドフルネスは静かな活動だけではありません。クラブでは、感情を理解し、安心して表現し、仲間との共通点を見つけるゲームも行います。

これらの活動を通して、生徒たちは次のような力を育てます。

  • 感情に名前をつけ、理解すること
  • 相手の話をよく聞くこと
  • 共通の経験を見つけること
  • 思いやりを持って反応すること

他の生徒も同じような不安や喜び、戸惑いを感じていることに気づくことで、孤独感は減り、仲間とのつながりが深まります。共通点を見つけることは、信頼と安心感を育てる大切なステップです。

自信とポジティブなセルフトーク

クラブでは、内側から自信を育てることも大切にしています。
中学生の時期は、自己不信の声が強くなりやすい時期でもあります。そのため、自分自身に優しい言葉をかけることや、心の中の声に気づく練習を行います。

生徒たちは、自分の強みや可能性を支える短い前向きな言葉「アファメーション」を作ります。私たちは、自分に対してどのように語りかけるかが、他人への言葉と同じくらい大切であることについて話し合います。

マインドフルネスと目標設定を組み合わせることで、生徒たちは自分自身を「成長していく存在」として捉え、自分の選択や未来に主体性を持てるようになっていきます。

マインドフルネスは魔法ではなくスキル

クラブでは、マインドフルネスは魔法ではないということも率直に話します。ストレスや難しい感情を消してしまうものではありません。大切なのは、気づいて、また戻ること。

心はさまよいます。強い感情も湧きます。
そのたびに気づき、呼吸に戻る。それを繰り返すことが練習です。

生徒たちはこれが「すぐに解決する方法」ではなく、身につけていくスキルだと理解することで、より主体的に取り組むようになります。

生徒たちへのポジティブな変化

活動を続ける中で、生徒たちには次のような変化が見られています。

  • 集中力が高まり、授業に積極的に参加するようになった
  • 感情をより上手にコントロールできるようになった
  • 共感力が高まり、友人関係が深まった
  • 自己理解が深まった
  • 自信が育ってきた
  • ストレスへの対処に自信がついてきた

特に嬉しいのは、生徒たちが自分でこの方法を使い始めていることです。「テストの前に呼吸を使ってみた」「家でもやってみた」という声が聞かれるようになりました。

長期的な目標

マインドフルネスクラブの長期的な目標は、生徒たちが一生使える心のスキルを身につけることです。

中等部を卒業する頃には、生徒たちが次のことを知っていてほしいと願っています。

  • 呼吸によって、いつでも落ち着きを取り戻せること
  • 反応する前に一度立ち止まれること
  • 意識的に体をリラックスさせられること
  • 自分に優しい言葉をかけられること
  • 自分の未来に向けて目標を立てられること
  • 家でもマインドフルネスを実践できること
  • 自分の感情は一人だけのものではないと理解すること

私たちが一緒に練習している落ち着きと自信は、このクラブの時間だけにとどまるものではありません。生徒たちがこれからの人生の中で、いつでも使える力として持ち続けていくものです。

忙しい都市の中で、立ち止まり、呼吸し、自分自身とつながり直すこと。そして自分を信じること。
それこそが、生徒たちが未来へ持っていくことのできる、最も大切な学びの一つかもしれません。

著者プロフィール

Ms. Lois  -  プリスクール・先生  (アイルランド)Ireland

CGKインターナショナルスクールのプリスクール・教師。アイルランド出身。
東京のインターナショナルスクールでティーチングアシスタントおよびデイケアリードティーチャーとして4年間勤務。その後、東京の大人向け英会話スクールで1年間、アフタースクール英語教師として3年間の指導経験を持つ。キッズヨガ認定インストラクター、子供のためのクリエイティブ・マインドフルネス認定、応用行動分析学認定。子供たちが安心して感情を表現し、探究心と自信を育める環境づくりを大切にしている。

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