学業・健康に影響する子供のスクリーンタイムの正しい考え方(年齢別ガイド)
昨日、電車の中で、3〜4歳くらいの男の子と一緒にいるお父さんを見かけました。以前にも見たことがある親子です。その親子は地下鉄に乗って、1駅だけで降ります。ここまでは特に珍しくはありません。驚くのは、その2分間の乗車中、毎回お父さんがスマートフォンを渡して、息子に動画を見せていることです。
スクリーンのない時代に育った私の記憶
私が子供だった頃、家族での長距離ドライブにスクリーンなんてありませんでした。本を読んだり、会話をしたり、小さなマグネット式のゲームをしたりして過ごしていました。弟が携帯型ゲーム機を持ち始めたのはもう少し後で、しかもそれは一部の時間だけ。私たちは16時間のドライブ中に、映画もテレビもSNSもなく、ただ自分の思考、家族、そして本や簡単なゲームとともに時間を過ごしていました。弟と一緒にゲームを作ったり、家族4人で政治や宗教、時事問題について白熱した議論を交わしたり。窓の外を眺めながら、宇宙のこと、生きる意味、友達との喧嘩について考えたりもしました。父と一緒に歌って、親の世代や自分の世代の曲を覚えた思い出もあります。笑って、話して、議論して、旅のたびに家族との絆が深まり、長時間のドライブがむしろ楽しみになるほどでした。
今、もし娘と一緒に16時間の旅をするなら、おそらく映画を1〜2本は見るでしょう。でも、スクリーンなしの時間も設けます。かつては、大人も子供も、自分で考え、遊びを生み出し、深い話やふざけた会話を楽しむことが勧められていました。今では、それが受け身の娯楽や“ドゥームスクロール(延々とSNSなどを見続けること)”に取って代わられています。
スクリーンタイムが子供に与える影響
スクリーンの利用には、学習や人とのつながりを支える面もあります。AAPの2026年の指針でも、子供に合った質の高いコンテンツの可能性を認めています。大切なのは、時間の長さだけでなく、年齢や内容、使い方に目を向けることです。
一方、利用が多すぎたり、内容が適切でなかったりすると、問題につながる可能性があります。AACAPでは、睡眠・学習・気分などへの影響や、次のような有害な内容への接触に注意を促しています。
- 睡眠障害
- 成績の低下
- 体重増加
- 情緒不安定
- 自尊心の低下、ボディイメージの問題
- 不安やうつ症状
- 暴力やリスクの高い行動への接触
- 性的なコンテンツへの接触
- 有害なステレオタイプへの接触
- ネットいじめやオンライン上の危険人物への接触
- 誤った情報への接触
年齢や利用内容によって、スクリーンタイムの考え方は異なります。アメリカ児童青年精神医学会(AACAP)のガイド(2025年6月更新)では、次の目安を示しています。
- 18ヶ月未満:大人と一緒に行うビデオ通話を除き、画面の利用を控える
- 18〜24ヶ月:保護者と一緒に、教育的な番組を見る範囲にとどめる
- 2〜5歳:教育目的ではない利用は、平日約1時間、週末は1日約3時間までを目安にする
- 6歳以上・ティーンエイジャー:一律の時間上限ではなく、睡眠・運動・学習・家族や友人との時間を守るルールを決める
- 就寝前:30〜60分前には画面の利用を終え、寝室には機器を持ち込まない
これらはすべての子供に同じ時間制限を当てはめるものではありません。アメリカ小児科学会(AAP)の2026年の指針も、時間の長さだけでなく、子供の年齢・特性、内容、他の活動への影響、家族での対話を重視しています。心配がある場合は、小児科医などに相談してください。
親として私が選んだ、スクリーンとの付き合い方
私自身は、娘が5歳になるまでは、スクリーンを見せるのは病気のときに限っていました。さらに、娘が幼児だった頃には、自分のスマートフォンを手放して7歳になるまで持たずに過ごしました。娘と過ごす時間に集中し、ゲームや動画で気を紛らわせる誘惑を避けるためです。その結果、外出先でも家の中でも、私は娘とより「今この瞬間」を共有できるようになりました。私たちはたくさん会話をし、娘の興味や好きなことを深く理解することができました。今でも電車では、スマホはバッグやポケットにしまい、ちょっとした会話を楽しみます。学校からの帰り道に娘と歩きながら過ごす時間は、私の一日の中でも特に好きな時間です。娘が10分以上も話し続けることもあります。内容はささいなことかもしれませんが、娘の様子や学校生活の様子、心に抱えていることを知る貴重な手がかりになります。そして何よりも、私が「話を聞く準備ができている」という姿勢を娘に伝えることができます。娘にとって、私がスマホよりも「彼女の話」に耳を傾けていると感じることは、これから思春期に入るうえでとても大切な感覚です。
もちろん、今では以前よりもスクリーンタイムは増えました。友達とビデオ通話をしたり、マインクラフトをしたり、自作の本を書いたり、レゴ作品のアイデア動画を見たりしています。家族で映画を観ることもありますし、一緒にお気に入りの番組を何話か連続で観ることもあります。
年齢的に、ある程度のスクリーンタイムが必要であることも理解しています。友達と話題を共有するためには、音楽、映画、ゲームといったポップカルチャーに触れることは大切です。創造力を育む年齢でもあり、マインクラフトのようなゲームは想像力を発揮する良い手段となります。家族で映画を観る時間は、ストーリーを一緒に楽しみながらつながりを深める貴重な時間でもあります。そして現実的には、私たち親も疲れているときには、何話か連続で観ることが気軽な休息方法になるのです。
とはいえ、やはり「やりすぎ」は存在します。家族でのスクリーンタイムが多すぎたときはすぐに分かります。口論が増えたり、気分が不安定になったり、疲れがたまったり。それは大人よりも子供により強く表れます。そんなときは一旦ストップ。完全に禁止するわけではありませんが、「今から1~2時間はスクリーンなしにしよう」と明確に伝えます。パズルをしたり、散歩に出たり、ボードゲームをしたり、本を読んだり。そして、家族全員で、毎月第1土曜日をスクリーンタイム無しにするという新しい習慣も始めました。
画面を使わない時間の過ごし方は、「退屈する」ことの重要性でも考えています。スクールでの具体例として、4歳児が遊びから探究を始める授業もご覧ください。
スクリーンタイムは、完全になくすことはできませんし、メリットもあります。でも、他のすべてのことと同じように、「節度」と「意識」が大切です。スクリーンは依存性があることが証明されています。そのため、制限を設けると強い反発や争いにつながることもあります。人によっては、一度「完全に断つ(コールドターキー)」ことでリセットする方が合っている場合もありますし、段階的に減らすほうが良い場合もあります。大切なのは、子供の健やかな成長、発達、そして心の健康を守るために、健全なルールと習慣を家庭でつくっていくことです。
横浜で、遊びや探究を通じて学ぶ園をお探しの方へ
CGKプリスクールは、横浜の馬車道と関内にある、2〜5歳児対象のIB PYP認定校です。園生活やカリキュラムをご覧のうえ、ご家庭に合う環境かご検討ください。
著者プロフィール
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Darby - 中等部 Principal / Head of Learning / IB MYPコーディネーター (アメリカ)
IB DPの卒業生であり、IB教育者として子供の主体的な学びを支えてきました。中等部Principal / Head of Learning / IB MYPコーディネーターとして、学力と人格形成の両方を重視。一人ひとりが理解を自分で組み立て、仲間と協力しながら、生涯学び続ける自信を育める教育を目指します。