【体験談】ニュージーランド短期留学 - オワイロア小学校(動画付き)
2024年3月23日から4月14日に実施した「ニュージーランド小学校短期留学」に、私、甲斐(理事長)が息子2人を連れて参加しました。CGKの経営者と、イチ保護者という両方の観点からレポートしますので、本留学プログラムの魅力が少しでも伝われば幸いです。
今回の留学レポートをまとめた7分半の動画を記事の後半で紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください。
コロナ禍で世界に先駆けてロックダウンを行ったニュージーランド。そのロックダウン直前の2020年3月に私が留学の下見に行ったのが、ニュージーランドのオークランドでした。
海外留学プログラムを実施することはCGK開校以来の夢の一つでしたが、コロナ禍からの回復および若年留学の受け入れ再開には想像以上の時間がかかり、CGKとして初めての留学プログラムを実施することができたのは、初めのロックダウンから実に4年が経過した2024年3月となりました。
CGKで実施のニュージーランド短期留学の概要と特徴
概要
- 場所:ニュージーランド・オークランド
- 期間:2024年3月23日(土)から4月14日(日) - 3週間
- 学校:オワイロア小学校(Owairoa Primary School)
- 対象年齢:満5~10歳
- 保護者同伴:必要
- 滞在方法:モーテルやAirbnb等
通常の留学とは異なる点
- 現地生だけの通常のクラスに入る
留学生だけが同じクラスに集められるのではなく、現地生と同様に、平日毎日通学し授業を受けるプログラムなのが大きな特色です。学校の規模が大きくクラス数も多いので、同じ学年でたくさんの生徒が留学したとしても、同じクラスにCGKの生徒であふれることはありません。 - 満5歳から小学校留学ができる
日本で小学校に入学すらしていない5歳児が、現地の小学校に留学するのはデメリットでしかないと渡航前は思っていましたが、良い意味で裏切られました。この時期に、先に小学校を体験出来たことがメリットと感じられるくらい、現地の先生たちの受け入れ体制が素晴らしかったです。 - Parent Class (オワイロア小学校限定)
留学生の保護者向けにParent Classを実施するのは、ニュージーランドでもこの学校が唯一。月~金曜日の9時~10時30分までの90分間、ニュージーランドの教育や文化、クッキング、英語学習、子供の学校生活についてなど、幅広く学べるプログラムを実施しています。毎日受講しても無料です!
日本出発
うちの家族からは、妻、息子2人(5歳・3歳)、私の4人での参加。子供たちは海外には行ったことがありましたが、留学は初めて。
正直なところ、子供たちが現地のニュージーランド人にまじって授業を受けるだけの能力がある自信はありました(CGKに通っているので)。ですが、教室に入っていくことを拒絶する可能性は十分にありました。そんな心配の中、日本出発前夜から、「ニュージーランド行きたくない。スクールやだ」なんて言い出したもんですから、一気に不安が高まりました・・・。
今夜出発ですが、昨夜から、ニュージーランド行きたくない、スクールやだ、と言い出した長男。完全英語環境かつ新しい友達ばかりなのが不安なのかも。人生経験長い私達大人からしてみれば、最初はしんどいし辛いかもだけど絶対いい経験だし楽しくなるよって信じてる。それを子供に分かってもらうのは難… https://t.co/wEszuOzUWC
— 甲斐実|CGKインターナショナルスクール理事長@横浜 (@mk_cgk) March 23, 2024
留学先:オワイロア小学校(Owairoa Primary School)
留学生の受け入れを行う専門部署(International Office)があり、留学生の受け入れ体制とサポート体制がしっかりしている小学校。学生が留学生のサポートをするバディ制度もありますので、初めての留学でも安心です。
オワイロア小学校は、ニュージーランドで初めて親子留学の受け入れを実施し、ニュージーランドで唯一、Parent Classを提供しています。この無料のParent Classの詳細は、以下の記事をご覧ください。
長男が留学しているニュージーランド(オークランド)のOwairoa Primary Schoolは、ニュージーランドで初めて親子留学を始めた小学校で、ニュージーランドで唯一、保護者へのParent… pic.twitter.com/VEeRTE1Yi8
— 甲斐実|CGKインターナショナルスクール理事長@横浜 (@mk_cgk) April 7, 2024
留学初日
日本出発前夜から留学を渋り始めた長男ですが、現地ニュージーランドで他の学校の広大な敷地を見たり、現地での生活を楽しむ中で、小学校通学初日の前日にはなんと、「やっぱり行きたいかも」に変わっていました。
通学初日、第一関門の校門はすんなりとくぐり、留学部門(International Office)のディレクター(もちろんニュージーランド人)にまず挨拶。声掛けにも普通に返事をし、この時点で親一同、すでに感激・・・。自分の教室に移動してからも担任の先生とコミュニケーションを難なくとり、普通に朝の自由活動の中に入っていっていました。
初日で感激した時の私のXでの投稿が以下です。親はどうしても、想像しうる限りのあらゆる心配を一通りして、出来ない時への心配と不安でいっぱいになりがちですが、出来た時の喜びを想像して、前向きな気持ちで親自身もいたいなと思いました。
【NZ小学校留学を嫌がっていた息子】… https://t.co/wOjQogmEp2
— 甲斐実|CGKインターナショナルスクール理事長@横浜 (@mk_cgk) March 25, 2024
留学部門(International Office)のディレクターにキャンパスツアーもお願いし、学校内の色々な教育環境を見せて頂く中で、保護者一同、素晴らしい環境を提供しているオワイロア小学校のファンになっていました。
3週間のスクール生活
通学初日の時点で、「この留学プログラムに参加して本当に良かった」とすでに思っていた親一同ですが、もちろん留学の旅はまだまだ続きます。2日目からは、到着の遅れていた制服を来て登校。制服姿が素敵です!
日々のルーティン
- 8:20頃
小学校開門。教室の前まで送迎 - 8:45
授業開始 - 9:00-10:30
Parent Class - 15:00
教室の前までお迎え。15:00より早く来て教室内の授業の様子を外から見たり、他の保護者と交流 - 15:00-15:15
15時から15分間は、校庭で自由に遊べます!遊具が充実しており、他の生徒や保護者との交流にもgood
お昼のランチだけでなく、午前にMorning Teaがあるので、親はお弁当の準備とMorning Teaのためのちょっとした軽食の準備も必要。お昼のお弁当はオンライン注文も可能です。
滞在先
- モーテル
小学校から徒歩17分。キッチン、駐車場、プール付き - Airbnb
モーテルより安価で広い家を借りられる可能性があります。駐車場付きのところも(郊外であれば道沿いに駐車できる場合もあります)。小学校から徒歩圏内で見つけるのは困難 - ホームステイ
コロナ前は学校が手配してくれていましたが、現在は手配停止中
移動手段
- Uber
Uber(タクシー)が便利です。アプリでスムーズに配車ができ、ちょっとした移動やシティへの移動も比較的安価で可能。日々の通学でも使用すれば、モーテルだけでなくAirbnbの選択肢が広がります。 - バス
最も安価。バスでの乗り換え、または電車への乗り換えでシティにもアクセスできますが、比較的時間がかかります。 - 電車
学校周辺には駅が無いので、バスで最寄り駅まで行く必要があります。 - レンタカー
今回私達が利用したのはこちらです。保険代も含めると費用は高くなりますが、7人乗りの車を借りたため、一緒に参加したCGKの友達家族と一緒にいろんなところに遊びに行けたので、留学生活を目一杯楽しむには、ぜひご検討頂きたいです。国際運転免許証を日本で事前に発行(即日受け取れます)すれば運転できます。運転マナーは良く、日本と同じ左側通行なので、ニュージーランドにしかない交通標識を事前に確認しておけば、問題ないでしょう。速度超過等の違反はカメラで監視し、後日請求の連絡が来るので要注意。
留学生活の様子(動画)
論より証拠(!)
3週間の留学生活をまとめた動画を作成しましたので、ぜひご覧ください。笑顔あふれる子供たちと一緒に過ごすことが出来て、幸せな日々でした。私が撮影した動画も多く、若干、ホームビデオみたいになってしまったのは申し訳ございません(笑)。留学の楽しさが伝われば幸いです。
学校での留学生活のシーンが中心ですが、実際は、これ以外にも観光をたくさん楽しみました。
3歳の息子の留学先:Farm Cove Kindergarten
今回の留学プログラムは、満5歳からの小学校留学が中心でしたが、3歳の弟が通う幼稚園も手配してもらいました。園庭付きの平屋の幼稚園でしたが、初日から一度も泣くことなく、園生活を楽しめたようでした。ここでも、現地の先生たちの自然な受け入れで、スムーズに慣れることが出来たように思います。
ニュージーランド発祥の幼児教育カリキュラムは「テファリキ」といいます。社会的・文化的な学びや、様々な人との関わりを重視しているのですが、「ラーニングストーリー」という連絡帳のようなものが各園児ごとにあり、写真やコメント付きで、日々の園での様子や我が子の成長を知ることができます。
Howickという地域/シティ等への観光
オワイロア小学校(Owairoa Primary School)はハーウィック(Howick)という地域にあり、私達の滞在先もハーウィックでしたが、高級住宅街もいくつか存在する地域です。ハーウィックとその周辺の地域は、レストランやカフェもとても評判が良く、大型スーパーもあります。郊外で落ち着いたエリアですので、住むにはとても快適なエリアです。
ハーウィックからシティまでは車で25分ほどですが、時間帯によって渋滞がありますので、実際にはもっと時間がかかることもあります。色々な場所へ観光しましたが、例えば動物園や水族館であっても十分な駐車場スペースがあるとは限らないですので、事前に駐車スペースを確認するようにしましょう(個人の方のブログ記事等で、付近のおすすめ路上駐車場所等を確認する必要があるかもしれません)。
以下に、オークランド滞在中に観光した場所をなんとなくのオススメ順でご紹介します。
- Auckland Free Walking Tours
シティ内の無料のウォーキングツアーです。2時間から3時間程度かかるので、お子様の年齢に応じて参加をご検討下さい(途中脱落も可)。とりあえずこれに参加してから、シティ観光の計画を考えると良いと思います。ニュージーランドやオークランドの歴史について語られることも多いので、事前に下調べしてから参加すると、英語を理解しやすいと思います。無料ですが、気に入った場合は最後にチップをお渡し下さい。 - Ambury Farm (Ambury Regional Park)
羊・馬・豚・鶏などと広大な牧場で触れ合うことができます。子供は大興奮! - Auckland Zoo
オークランド動物園。運が良ければニュージーランドの国鳥キーウィが見れるかも!? - Easter Show
3月または4月のイースター期間中に期間限定で開催されるイースターのイベント。期間限定ですが、かなりの規模で開催され、子供も楽しめます。 - SEA LIFE Kelly Tarlton's Aquarium
水族館。日本の水族館ほど大きくはないですが、展示方法が工夫されており、それなりに楽しむことができます。 - MOTAT (Museum of Transport and Technology)
交通科学博物館。施設は2つに分かれており、施設間は無料のトラムで移動できます。オークランド動物園の近く。 - Sky Tower
オークランドの街に詳しくなった留学の終盤に登れば、オークランドの街を見渡して楽しめるかもしれません。年齢制限はありますが、高所を生かした様々なアトラクションも。カジノもあります。 - Sylvia Park Shopping Centre
ニュージーランド最大規模のショッピングセンター - Commercial Bay
シティにある新しいショッピングモール - Pakuranga Night Market
大型ショッピングモールの地下駐車場で毎週土曜日に開催されるナイトマーケット。オークランドのナイトマーケットは、2010年にこのパクランガで開催されたのが始まりでニュージーランド最大規模 - Western Springs Lakeside
オークランド動物園とMOTATのすぐ近くの自然公園 - The Strawberry Farm
Ambury Farmの近く。いちごの美味しいアイスクリームが定番 - Waiheke Island
シティからフェリーで40分の場所にある離島。ワイナリーやオリーブの産地としても有名ですが、子供が楽しむには向かないかもしれません。
今回、Auckland War Memorial Museumに行ける機会がありませんでしたが、次回はぜひ行きたいと思います。
他には、車で数時間かけて、Waitomo CavesやRotoruaにも行きました。遠いのが難点ですが、ぜひ足を運んでいただきたいです。同じく遠いですが、Hobbiton Movie Set Toursでは、映画「ロード・オブ・ザ・リング」や「ホビット」のロケ地観光ツアーを楽しむことができます。
若年留学の是非
今回は、5歳と3歳の留学でしたが、3歳でも問題なく参加することができました。もちろんその子によって個人差はありますが、3歳頃から十分に留学の検討が可能です。
ここでもう一度、留学の意義について考えてみたいと思います。
まず、英語習得という観点から考えますと、2~4週間程度の短期留学は中途半端な期間となります。劇的な英語力アップを期待できるような期間ではありません。しかし、英語に対しての意識やコミュニケーションに対する意識への変化という大きなメリットがあります。言語はコミュニケーションをする上で重要なツールですから、言語習得の目的をその子自身が自覚できる経験は非常に重要です。特に幼児期においては、物事のその先にある意義や目的を想像し、理解することは難しいでしょう。それらを分かりやすく意識できるような、そんな成功体験を積むことが重要だと考えています。
"This one, please." "Thank you." そんな簡単な一言を海外でしかも知らない人に言えるだけでも、最初の一歩としてはとても誇らしく思います。
では、言語習得以外の留学の意義は何でしょうか?
今回、3週間というまとまった期間を海外で生活したのは息子たちにとって初めてのことでしたが、日本とは違う環境、かつ、新しいクラスメートと先生に囲まれる時間が中心の中で、ニュージーランドでの生活を楽しむことができました。新しい環境でそこでの生活を楽しむことが出来たという成功体験が他の何よりも大きいですし、親としてもスクールとしても一番望んでいたことでした。当然のようにクラス内でも発言をし、迎えに行くときはいつも満面の笑顔であったことが、楽しい時間を今日も過ごしたんだという何よりもの証明でした。一方で、「CGKの方が楽しい」という嬉しい言葉も聞けましたが(笑)。親としては、この留学を楽しんでくれたことだけでも満足なのですが、子供たちの成長を強く感じることができ、海外留学という体験に大きな可能性を感じています。
息子たちは今、世界への興味を育んでいる段階ですが、間違いなく今回の留学が大きくそれに寄与しています。そして、ここでいう世界というのは、海外という世界だけに限った話ではなく、より広範な意味における世界です。様々な新しい環境や挑戦への興味にも繋がるきっかけとして、子供たちの中にある世界を大きく広げる、そんな貴重な経験を海外留学を通してしてほしいと願っています。
話は変わりますが、ニュージーランドからの帰りの飛行機は、香港経由の乗継便が直行便より安かったので、香港でも4泊してから日本に帰りました。香港はまたニュージーランドとも日本とも大きく異なるので、それを体感できたのも子供たちにとっては非常に良かったと思います。日本に住んでいては、日本での常識や当たり前しか、日々実感することができないですよね。
その当たり前は自分の狭いコミュニティでしか通用しないことを知り、自分とは違う立場の人や世界のことを想像し思いやれる力と姿勢は、生きていく上で非常に重要です。海外留学は海外で活躍するためだけのものではなく、批判的思考力を育み、人や周りを思いやれること、引いてはそれが自分の幸せにも結びつくものだと信じています。
経験をもとに、次の新たな思考がひらけていきます。そのタイミングが早ければ早いほど、他人よりも視野は広く、視座は高くなり、日々の意識にも大きな変化が生まれます。日々感じて思考する際のその深さも大きく違い、日々の成長スピードにも優位性が生まれるでしょう。そして、他人には10年かけても到達できない気付きに、数週間の留学で気付くこともあります。
親としては、こういった経験がこれからも子供たちができるよう、全力でサポートしてあげたいと思います(甘やかすという意味ではなく)。当校ではそういった機会の提供と情報提供に努め、子供たちが留学に備えられるよう、子供たちの成長をサポートしていきます。
以下の動画は、海外留学を考える上で一つの参考になるものです。よろしければご覧ください。
今回、オワイロア小学校の他にも、留学担当の杉谷(Mayu)が7校の学校を訪問し(主に中学校)、私も3校訪問しましたが、ニュージーランドは、学校の環境も含め、留学先としてとても恵まれた環境であると感じました。
今後のCGKでの留学の方向性
インターナショナルスクールで学んできたからこそ、ニュージーランド現地校の全く新しい環境でも、英語面以外含めての適応力が付いていたんじゃないかと感じています。この留学の中で子供達は毎日、学校に行くことを楽しみにしていますし、先生や他の現地生と普通にコミュニケーションをとっています。… https://t.co/wL48TIX8o4
— 甲斐実|CGKインターナショナルスクール理事長@横浜 (@mk_cgk) March 27, 2024
ニュージーランドに来て、色々な学校を訪問させて頂いて、自分たちが横浜でこれからどうスクールを発展させていくかのアイデアやイメージがあふれてしまい、時間がいくらあっても足りない。
— 甲斐実|CGKインターナショナルスクール理事長@横浜 (@mk_cgk) April 8, 2024
現地オークランドのPrimary SchoolもIntermediate SchoolもHigh…
上記のポストにもある通り、ニュージーランドでの経験は本当に素晴らしいものでした。そのためには、留学を一方的に勧めるのではなく、子供たちの成長をともに見守り、サポートしながら、留学という素晴らしい経験へ後押しするサポートを実施していきたいと思っています。
そして、子供たちが成長する場として、環境はよりいっそう大事にしていきたいと思いました。これからのCGKの取り組みとして、子供たちへより多様な環境を提供するため、海外からの留学生の受け入れは当校でも積極的に実施していきます。
日々学び続ける生涯学習者(lifelong learner)として、変化や挑戦を恐れないリスクテイカー(risk-taker)として、これからもCGKは成長を続けます。これからもCGKの取り組みを楽しみにしていて下さい。
著者プロフィール
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甲斐実 - CGKインターナショナルスクール理事長 (日本)
1984年生まれ。二児の父。
オーストラリア・カナダ・アメリカでの居住・滞在の後、広告代理店にて海外展示会業務と国内広告業務の兼務。
CGKインターナショナルスクール(横浜)においては、理事長としてゼロから起ち上げ、インターナショナルスクール経営コンサルも行う。