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「言葉(ことば)」の力

プリスクール 2017.10.17
幼児期は言葉が大きく成長する時期で、大人やお友達と会話したり、テレビや歌などから、どんどん新しい言葉を覚えていきます。その中で、「悪い言葉」も覚えていきますが、それは成長していく中で、なかなか避けられないものです。

実際に園でも「お前」「やめろ」「あっち行け」など、乱暴な言葉を使う子もいますし、保護者の方からも相談があったので、日本語の時間のレッスンに取り入れることにしました。

まずは、言葉は相手を「喜ばせる」ことも「怒らせる」ことも「悲しませる」こともできることを伝えました。
「○○くん、好き」「〇〇ちゃん、かわいいね」「もう、一緒に遊ばない」「あっち行け」「お前がいけない」など、たくさんの例を挙げて、子供たちがどう感じるかを考えてもらいました。

言葉の力言葉の力

そして、言葉は叩いたり、押したりした時のような痛みはないけれど、みんなの「心が痛く」なることをイラストを見せながら伝えました。心は目に見えないので、理解するのは難しいですが、これからお友達と過ごしていく中や社会でとても大切なことです。

言葉の力言葉の力

子供たちが少しでも理解しやすいように、「お友達が座っている間に入りたいときはどうするか」という例を実際に行ってみることにしました。
無理やり押しのけて入ったり、「ここ!」と怒鳴ってみたりすると、子供たちはすぐに「それはだめ!」と答えてくれました。そこで、良い例をやってもらうために、一人の男の子にお願いすると、「座りたいから、入れて」と落ち着いた声でお友達に伝えることができ、座っていた子も「いいよ」と受け入れてくれました。

言葉の力言葉の力

次は悪い例の先生の出番です。「そこ座りたいの!入れてよ!もー!」と怒鳴り声で言うと、「だめ」と断られてしまいました。そこで子供たちには、その2つの例の違いについても考えてもらいました。このことから子供たちに伝えたかったのは、入れてもらいたいのなら、お友達が「いいよ」と言ってくれるような言い方をすることが大事だということです。

悪い言葉や乱暴な言葉を使うのには、新しい言葉を使うことが楽しかったり、表現の仕方がわからずに相手に正しく伝えられない、そもそも悪い言葉という認識が無いなど様々です。ですので、ただ「悪い言葉は使ってはいけない」と言うのではなく、その子がなぜそのような言葉を使ったのか、何を伝えたいのかなど、その子の気持ちや背景を理解したうえで、「自分が言われたらどう感じるのか(相手はどんな思いをするのか)」を考えさせながら、向き合っていくことが必要です。

著者プロフィール

Reiko  -  プリスクール・副スクール長  (日本)JAPAN

CGKインターナショナルスクール2016年開校時からのオープニングメンバーであり、現プリスクール・副スクール長。保育士。
認可保育園での勤務後、ビクトリア(カナダ)へ海外留学。帰国後は、インターナショナル・プリスクールにて主任の経験も。大のディズニー好き。

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