馬車道校 (2~3歳児)

日本語

045-222-6467

英語

045-228-9397

関内校 (4歳児~12年生)

日本語

045-211-4427

英語

045-211-4690

ENG

Line

インターナショナルスクール経営コンサル

プリスクールや小学校以降のインターナショナルスクールの
開校・経営・運営に特化したコンサルティングサービス

インターナショナルスクールの開校・経営・運営に特化したコンサルティングサービス

当校CGKインターナショナルスクールが実際に使用している資料やツール、ノウハウを提供し、最短距離での開業・起業または経営改善をはかります。
子供、保護者、先生、そして学校に関わる全ての人達が幸せになれるような学校作りをサポートさせて頂きます。

当校、CGKインターナショナルスクールは、2016年に横浜に開校した、まだ若い学校です。
開校当初は、生徒3名だったのが、2024年4月には230名を超え、開校4年時点で既に、年間売上高1億円を超えるまで成長しました。

インターナショナルスクールが多く存在するこの横浜という地域において、当校が開校してからも新しいプリスクールがどんどん開校し、逆に閉校したプリスクールもございます。
そんな中で当校が成長し続けられているのは、特別なことをやりつつも、当たり前のことを大事にし、真摯に堅実に向き合い、改善し続けてきたからです。

学校を経営する上では、誰も犠牲になってはいけません。
子供たちや保護者を大事にするのはもちろんのこと、そこに関わる先生たちが、日々、神経をすり減らし、低賃金で、プライベートを犠牲にするといった、過酷な状況があってはいけませんし、もちろん、学校を経営する経営者の方自身が、やりがいを持って生き生きと働ける環境を作らなければいけません。
これは、美しい理想論を語っているわけではなく、回り回って、実際に、経営にも大きく影響が出るからです。

学校に関わる全ての人達が幸せでなければいけません。

保護者の方にも満足して頂き、心温かいサポートを頂いています。
先生たちの勤務環境も思想も大事にし、対話し続け、高いスキル・人間性・情熱・責任が必要なこの先生という職に適切で見合った報酬を与える。そうすることで、「良い」先生が「良い」パフォーマンスをして、自律自走の好循環が生まれ、学校は自動的に成長しています。

そうやって真摯に妥協することなく努力し続けた中で蓄積してきたものは、非常に膨大です。

通常の保育園コンサルや学校コンサルとは違う点

インターナショナルスクールの経営では、通常の学校や保育園・幼稚園とは異なり、以下の対応が必要です。

  • 中高所得者層の集客(公立小中学校や認可保育園は集客自体が不要)
  • 中・高価格帯の授業料・保育料設定を実現する為のカリキュラム・プログラム
  • 外国人スタッフの採用および労務管理
  • 日本人バイリンガル教師や保育士の採用
  • 日本語・英語両方でのコミュニケーション
  • 日本語・英語両方での資料作成

これらは、通常のコンサルでは対応が難しい範囲です。
弊社では、インターナショナルスクールを運営しており、実際の実務で使用している資料やツールとノウハウを提供できるため、開業における準備負担を大幅に減らし、短期間・最短距離で事業を開始することが可能。開業後のご相談であっても、様々なツールとノウハウを提供できます。

プリスクール開園の場合

認可外保育所においても年に1回の立ち入り調査がありますが、提出が必要な書類は年々増加して2021年度は40点(横浜市)に達しており、新規参入を阻む要因の一つです。そのような書類のサンプル提供を受けることで、大幅な時間の節約が可能となり、子供たちへの保育・教育の質向上に注力して頂けます。プリスクールに限らず、保育・教育の現場では、日々がイレギュラー対応の連続ですから、それを支える土台は強固なものを一刻でも早く構築できればと思います。

初等部以降の開校の場合

小学校からは義務教育となります。学習指導要領が定められており、一般の日本の学校ではカバーされる学習範囲が名確に存在します。保護者も日本の公教育しか経験の無い方がいる中で、インターナショナルスクールとしてどういったカリキュラムと方針、施設を提供するのかは、プリスクールよりもさらにワンランク上のものが必要とされ、本当の意味でインターナショナルスクールとなれるかの分かれ道となります。

当校においては、2020年にアフタースクール(英語学童保育)、2023年に初等部を開校し、2025年には中等部を開校します。横浜市で唯一の4月入学インターナショナルスクールとして、広範にわたってしっかりとサポートをいたします。

まずは、どうぞ気軽にお問い合わせ下さい!

具体的な流れ

お問い合わせ・無料相談

まずはざっくばらんにご相談下さい。プリスクールの開業支援をご希望の方には、約50点の資料集「プリスクール新規開業セット」のサンプルをお見せ致します。すでに開業されている方もどうぞご相談ください。

サポート内容の提示

無料相談時にもお話しますが、資料にまとめて、改めてお見積りと共にサポート内容を提示させていただきます。

ご契約・サポート開始

責任を持って、丁寧に対応させていただきます。

サポート内容(例)

  • 新規開校コンサル(開校前)

    月1回以上の定例会(2時間x1回以上)

    チャット・メール・電話相談(毎月の定例会に限らず適宜対応)

    サービス内容分析・資金繰り計画診断

    SEO/MEO/WEBマーケティング対策支援

    Google広告/SNS広告運用支援

    バイリンガル保育士・講師採用支援

    物件探し支援・仲介手数料割引

    各種業者紹介

    職員研修

    プリスクール開業資料セット(40種類以上の資料提供)

    入学説明会支援

    各種打ち合わせ同席

    各種システム導入支援

    その他、ご提供出来るものは惜しみなく提供させて頂きます。

  • 経営強化コンサル(開校後)

    月1回の定例会(2時間x1回)

    チャット・メール・電話相談(毎月の定例会に限らず適宜対応)

    サービス内容分析・資金繰り計画診断

    SEO/MEO/WEBマーケティング対策支援

    Google広告/SNS広告運用支援

    バイリンガル保育士・講師採用支援

    物件探し支援・仲介手数料割引

    各種業者紹介

    職員研修

    年に1回以上の学校訪問(地方の場合は数日間)

    上記はあくまで例ですので、その他にも気軽にご相談下さい。

コンサルを利用するという選択肢

私が2016年にプリスクールを開校しようとしていた当初、コンサルを利用するという発想がありませんでした。正確には、発想自体は恐らくあったけれども、多額のお金を初期で支払ったり、半年や1年の契約で月額費用を継続的に支払うとなると、実際に効果のある信頼できるコンサルタントかどうかが「確信」出来ないため、そこに踏み出せない自分がいたのだと思います。

開業後でプリスクール経営を経験している段階ならまだしも、開業前の段階では、まだ判断する目も養われていないのですから、コンサルにまとまったお金を支払うことへの価値を理解するには、ハードルが高いというのが実情だと思います。そして、経費を節約する為には、「誰かにお金を支払うのではなく、自分でやれば良い」という基本思考が、私に限らず、特に小規模事業者においては誰の中にもあり、「お金をかける価値があるもの」の優先順位を決めるものは、「価値」という指標ではなく、「金額」になりがちです。

「自分でも頑張れば何とかなる」「自分で全てやった方が、経験となって良い」と開業前は思っていました。結果、必死にもがき苦しみ、色々なものを犠牲にしてきたため、その決断をとても後悔しています。
そんな経験をした当事者として自信を持って言えることですが、「全てをイチから自分で始める」という選択をする前に、金銭と引き換えに得られるリソースを利用するためにも、コンサルという選択肢を検討した方が良いということです。

分からないことをいくらインターネットで調べたり、他園の資料を取り寄せてみても、そこから得られる情報は、その園の特色やアピールポイントといった表面的な情報だけ。それらのベースを固める地味で目立たない部分は、どこをどう調べても出てきませんし、経営者への「短時間の」ヒアリングで解決するものでもありません。

インターナショナルスクールを開業・経営する上での苦労話を聞くだけでも、無料相談してみることをおすすめします。その中で、開業を諦めるという選択もあり得るかもしれませんが、開業して、途中で閉業してしまうのは、経営者だけでなく、そこに関わるスタッフ、子供たち、保護者全てが不幸になりますので、適切な判断をする手助けが出来ればと思います。コンサルを利用しないという選択肢を取ったとしても、無料相談で得られるものは大きいと思います。
すでに開業している方にとっても、無料相談の中で、経営診断としてまずは利用して頂ければと思います。

自分自身、コンサルを利用しなかったことは非常に後悔していますが、インターナショナルスクールを開業したことについて後悔したことは一度もありません。コンサルを利用しなかったことで、人一倍苦しんだとは思いますが、そんな中でも、日々、幸せを感じる瞬間が多いからです。

自分たちが提供するサービスに胸を張って自信を持ち、信頼して任せられるスタッフと共に働けることは、とても大きな喜びです。

自分が今まで培ってきた経験を一人でも多くの方にアウトプットし、自分と同じように苦しむ方が一人でも減ること、そして、子供たちと、学校に関わる方々が幸せに過ごせる拠点が増えていくことに、とてもやりがいを感じます。

どうぞ気軽にご相談下さい。

コンサルタント・プロフィール

甲斐実

株式会社CosmoBridge 代表取締役
CGKインターナショナルスクール理事長

1984年生まれ 二児の父

オーストラリア・カナダ・アメリカでの居住・滞在の後、広告代理店にて海外展示会業務と国内広告業務の兼務。

CGKインターナショナルスクールにおいては、理事長として、全くのゼロからの起ち上げからその後の運営まで、ほぼ「全て」の業務を行ってきたオールラウンダー。 生徒3名の開園から8年で231名へ。

メッセージ:学校創設者の教育への想いと開校までの経緯

インターナショナルスクール経営マニュアル

非常に長いですので、まずは下の目次を開いて内容をご確認下さい。

目次

第1章 はじめに

ここでは、「インターナショナルスクール経営マニュアル」ということで、インターナショナルスクールを開校または経営改善する上で、基礎でありながら、非常に有益な情報を網羅的にまとめています。

当校CGKインターナショナルスクールは、2016年の開校でありながら、現在(2024年)では、2歳から小学5年生までの生徒230名以上をお預かりしており、2025年には中等部も開校してプリスクールから中等部までの一貫校となります(高等部は2028年開校予定)。

その成長課程での各フェーズにおいては、実に様々な課題に直面し、解決をしてまいりました。その経験と現在進行系での取り組みも含め、本マニュアルに盛り込み、常にアップデートしていく予定です。

インターナショナルスクールという素晴らしい教育事業をこれから始められる方、そしてすでに運営されている方々の一助になれば幸いです。

第2章 CGK International School

当校CGKインターナショナルスクールについて簡単に紹介させて頂きます。この後の章でも、当校と比較しながら説明をしている箇所がありますので、この章をご確認頂き開校や運営の参考になればと思いますが、スキップを希望される場合は、『第3章 プリスクールとは』へどうぞ。

横浜にあるインターナショナルスクール一貫校

CGK International School
<関内校>神奈川県横浜市中区南仲通2-25-2
<馬車道校>神奈川県横浜市中区太田町6-75-2F

2016年、CGKインターナショナルスクールは横浜に開校しました。
2歳児クラスだけのたった3人からスタートした当校も、現在(2024年9月)では230人を超す生徒が日々通い、教職員(フルタイム)は50人以上います。

国際バカロレア(IB) PYP認定校です。

CGK総生徒数(4月時点)

急成長の背景に特別な裏技があるわけではありません。当たり前のことを大事にし、真摯に堅実に向き合い、日々改善し続けてきた結果です。ですが一方で、この成長で得られた経験や知識は膨大です。スクールの成長の数字は、あくまで、日々努力し取り組んできた行動の結果に過ぎません。目に見える取り組みばかりではなく、安定した基盤づくりのための目に見えない努力は、子供を預かる責任あるこの事業では必ず必要なものです。堅実なスクール運営が何よりも大切です。

横浜のインターナショナルスクールとの比較

横浜の小中高一貫校は全部で3校あり、いずれも3歳頃からの一貫校です。CGKは2歳児からのプリスクールと初等部(小学生)を運営しており、中高も開校予定。CGKは規模と形態ともに、横浜の4番手のインターナショナルスクールとなります。

Yokohama
International
School
Saint Maur
International School
Horizon Japan
International School
CGK International School
設立 1924年 1872年 2003年 2016年
学年 3歳~高校生 2.5歳~高校生 3歳~高校生 2歳~小学生
(*随時拡大予定)
国際バカロレア(IB) PYP(幼児~初等部)
MYP(中等部)
DP(高等部)
DP(高等部) PYP(幼児~初等部)
MYP(中等部)
DP(高等部)
PYP(幼児~初等部)
(*MYP, DP導入予定)
生徒数 816人 483人 500人以上 231人
敷地面積 14,685㎡ 不明 3,950㎡ 1,230㎡
(*延べ床面積)
幼児保育料等
(昼食費別)
278万円/年
(8:25-14:45)
266万円/年
(8:30-15:00)
220万円/年
(8:00-14:45)
191万円/年
(8:30-17:00)
小学生授業料等
(昼食費別)
317万円/年 315万円/年 245万円/年 193万円/年
入学金等 126万円 95万円 90万円 33万円(プリスクール)
55万円(初等部)
保護者に求める言語力 英語 英語 英語 英語または日本語
その他 世界で2番目に「インターナショナル」と称したスクール。無宗教。8月入学。 アジア最古のインターナショナルスクール。カトリック系。8月入学。 無宗教。8月入学。 長期休暇短い。幼児教育・保育無償化の対象校(プリスクール)。無宗教。4月入学

この比較表からも、当校の生徒数が増えている理由を垣間見ることができます。詳しくは後述します。

データでわかるCGK

職員の定着率89.2%

※2023年4月1日在籍者の内、1年後も在籍している割合(パートタイム以外)。

優秀なスタッフを揃え、一人ひとりの充実したワークライフ実現のため、日々理想の環境構築を進めています。マニュアル化できない保育と教育だからこそ、現場の最先端で子供たちと関わる「人」(スタッフ)を大事にすることが、学校の質向上において非常に重要であり、定着率の高さは良い学校の証明でもあります。

インターナショナルスクールは外国人スタッフが多く、一般的に離職率が高い(定着率が低い)傾向にありますが、学校の方針や哲学の理解、トレーニングと経験による新しい教育手法の習得、チームワークを発揮して共に成長できる環境の構築には、かなりの時間を要しますので、良い先生を集め、良い環境を提供し、長く定着してくれるよう、日々尽力しています。

<参考>
日本における全労働者の定着率の平均:86%
日本における外国人労働者の定着率の平均:72%

保護者満足度 9.0点

10点満点中。2023年度プリスクールにて実施。記名式ではあるものの高い評価を頂いています。

基本保育時間 8:30-17:00

インターナショナルスクールの幼稚園は、15時までの開校が基本ですが、CGKでは17時(延長保育は18時半)まで開校し、量も質も高いものを提供。長期休暇も短い為、働くご家庭にも利用しやすいです。

保育士資格者 100%

プリスクールにおいて、日本人の先生(事務員やバススタッフ除く)は全員保育士資格を保有し、高い英語力を保有しています。
他のインターナショナルスクールでは、保育士を配置していなかったり、英語力の低い先生を配置しているケースが多く見受けられます。

海外留学とグローバルの取り組みCGK

日本では若年留学への関心が年々高まっており、CGKにおいても、若年者向けの海外留学プログラムを導入しています。

CGKの海外留学プログラムは、単なる言語習得を超え、異なる文化や環境で学ぶことによって得られる独自の体験に焦点を当てています。生徒が国際的な視野を広げ、さまざまな背景を持つ仲間と共に生活する中で、生徒は飛躍的に成長します。

そして海外留学プログラムだけでなく、生徒たちの成長を促す環境を創出するためのグローバルの取り組みとして、以下のことを行っています(計画段階のものを含みます)。

取り組みの一覧

  • 海外留学プログラム

    2歳から参加可能な海外留学プログラム。4歳児クラスの3月からニュージーランドへ3週間と、7年生の夏から1年間、留学プログラムに参加します(NZ3週間留学は親子留学のため、任意)。その他にもご家族のご都合に合わせて参加できるプログラムを各国で用意しています。

  • 自立育成プログラム

    若年留学に生徒と保護者の方が安心して臨むには、事前の準備が大切です。生徒が主体的に海外生活を送れるよう、しっかりと準備し、自立心を持って、楽しくも実りある留学生活を送れるよう、CGKでは様々な自立育成プログラムを用意しています。

  • Parent Class for CGK International Families

    CGKに在籍する外国出身の保護者の方へ無償で定期的に提供するParent Class。このクラスでは、日本の文化や生活環境について学び、日本や横浜での生活をサポートすることを目的とし、より多くの外国人家庭がCGKを安心して利用できるようにします。また、短期留学生の保護者も参加可能です。この機会を通じて、コミュニティの輪を広げ、交流を深めて頂けることを願っています。

  • 海外からの短期留学受け入れ

    CGKでは積極的に、海外からの留学生を受け入れています。異なる文化や環境で育った生徒たちがお互いに交流し、助け合える環境は、クラス全体に豊かな多様性をもたらします。生徒一人ひとりが異なる視点を学び、相互理解を深める機会を提供。このような多様性が、教育的な成果を高めるとCGKでは信じています。

実例:ニュージーランド小学校短期留学

2024年3月23日から4月14日に実施した際の様子

ブログ:【体験談】ニュージーランド短期留学 - オワイロア小学校
※参考になりましたら、SNS等でシェアして頂けますと幸いです。

コミュニティの重視

CGKインターナショナルスクールは2016年の開校以来、子供たちへの保育と教育の質を常に追究し、成長してまいりました。それを実現する環境やリソースに必要なのは、熱心に情熱を持って子供たちと向き合う、優秀かつ人格者である教職員たちはもちろんのこと、お子様の成長をご家庭で支える保護者様のご協力が必要なのは言うまでもありません。そしてこの成長を続けるCGKコミュニティにおいて、相互に発展と良い影響をもたらす、CGK周辺の地域社会を含めた様々な個人・企業・団体が存在することも私たちは自覚しています。

CGKコミュニティに関わるあらゆる方々への感謝を忘れず、魅力ある様々な環境と機会をこれからも提供していきます。

  • CGKインターナショナルスクール (在校生ファミリー)

    すでに入学されているCGK在校生ファミリーの方々にはもちろん、CGKコミュニティの一員として、様々な交流の機会を設けています。また、子供たちが特別な体験を得られるよう、地域の企業・団体・個人とも積極的に協力して活動を行っています。

  • 海外留学プログラム (在校生ファミリー・教育者)

    国内だけでなく、海外にもコミュニティを展開。幼児から参加ができる短期留学では、現地の保育園や小学校で、現地生と一緒に同じクラスで参加できるプログラムや、CGKの中等部2年生の夏からは1年留学も実施。
    将来的には、CGKの海外校を開校し、両校間で積極的に交換留学、短期・長期留学プログラム、職員の海外研修を実施してまいります。

    また今後は、教育者の語学研修や文化研修を短期から長期まで実施。教員のなり手が減少する現代において、教育者のスキルアップとキャリアアップ支援、そして教育者全体の地位向上も目指します。インターナショナルスクールや海外のスクールで働く人材育成に貢献するだけでなく、CGKの教職員も参加し、CGK教職員のレベルアップにも努めます。

  • バイリンガル保育士交流 (教育者)

    Facebookグループ「プリスクール保育士・教職員の学びと交流コミュニティ」の運営。

    CGKプリスクールのバイリンガル保育士と他校のバイリンガル保育士が交流し、意見交換やワークショップ等、スキルアップの機会にもなっています。プリスクールの先生には、英語・保育・グローバル観といった様々な能力が求められるからこそ、互いに切磋琢磨できる環境が大事だと考えています。

  • キャリア育成 (教育者)

    日本国内のインターナショナルスクール(プリスクール含む)事業の規模が年々大きくなる中、インターナショナルスクールで働く、様々なスキルが求められる優秀な教職員の育成は急務です。キャリア育成と求職活動のサポートを行ってまいります。

  • 地域社会交流 (外部コミュニティ)

    CGKでの保育と教育は、CGKに関わる様々な方のご協力に支えられて、実現しているものです。子供たちは、地域社会との交流を通して、地域コミュニティの一員であるという自覚とその責任を感じ、様々な学びを得ています。

  • インターナショナルファミリー (在校生ファミリー・教育者・外部コミュニティ)

    横浜には実に多くの外国人が住んでいますが、言語と文化の問題から、外国人家庭の方は閉鎖的なコミュニティに属していることが少なくありません。一方で、外国人家族と交流をしたり、サポートしたいという、日本人家族も多く存在しています。

    CGKでは、インターナショナルスクールの特長を活かし、ただの交流の場だけではなく、国際的な教育や保育、子育てをする上での専門的な知識や情報を共有するなど、新しいカタチの交流コミュニティを提供。イベントも実施しています。

    Yokohama International Family (Facebookグループ/Meetup)

その他の特色

いずれも、後ほど詳述します。

第3章 プリスクールとは

正確な統計があるわけではありませんが、日本では、全国各地に約800のプリスクールがあると言われています。

参考:広がる英語保育のプリスクール 全国に800園 費用年500万円も:朝日新聞デジタル
プリスクールパーク|全国のプリスクール検索サイト

プリスクールの定義

「プリスクール」という名前は少しずつ一般的になってきましたが、まだご存知ではない方も多いかと思います。プリスクールというものの基本を理解するため、まずは以下の記事をご覧ください。

参考記事

この記事にもある通り、日本において「プリスクール」と言った場合は、英語で預かる幼稚園や保育園のことを指すのが一般的です。

あくまで、上記のようなプリスクールが多いというだけで、外国人家庭が多く利用しているプリスクールもありますし、国際的な教育カリキュラム(国際バカロレアIB等)を導入し、国際的な教育に力を入れているスクールも存在します(当校CGKインターナショナルスクールも国際バカロレアIB認定校です)。

また、「プリスクール」という名称をあくまで、未就学児のインターナショナルスクールを指す用語として、より広義の意味で使用することもあります。よって、プリスクールというのが、日本人向けの英語幼稚園・保育園を指して言っているのか、未就学児のインターナショナルスクール全体を指しているのかは、文脈によって判断が必要です。まれに、完全に日本語だけの従来の保育園でも、施設種類のカテゴリーとしてではなく、園名の一部として、「プリスクール」という名称が使われている可能性もありますので、ご注意下さい。

余談ではありますが、インターナショナルスクールの他に、「バイリンガルスクール」や「バイリンガル・プリスクール」という呼称もよく見られます。これはいわゆる、日本人が英語と日本語のバイリンガルになるためのスクール(日本語教育・日本語活動もしているとは限らない)ですので、前述の「英語を母国語としない主に日本人が、英語を習得するための幼稚園や保育園」を指す場合がほとんどです。後述の通り、認可保育園でプリスクールというのは稀なのですが、一般的なプリスクールほど英語環境の時間が長くなかったり、英語話者の先生が少ないような認可保育園では、こういった名称を使用している印象があります。

プリスクールの実態

施設の種類

乳幼児を預かる施設には様々な種類があります。

なんちゃってプリスクール(外国人の先生が1人や2人しかいないところ)を除き、基本的にプリスクールは、「認可外保育所」がほとんどで、一部、「企業主導型保育所」や「東京都認証保育所」があります。いわゆる歴史のあるインターナショナルスクールは「各種学校(外国人学校)の幼児教育・保育施設」で、国や自治体からの補助がなく、日本の保育士資格等を保有している必要がありません。一方で、「認可外保育所」は認可保育所ほどではないものの、日本の保育士資格を保有した職員が一定数必要であり、「認可外保育施設指導監督基準」に規定された各種項目を満たす必要があります

なぜプリスクールは認可外保育所が多いのか

認可保育所においては、多額の運営費(および整備費)への補助金が国や自治体から支給されますが、認可保育所では独自に保育料を自由に設定できるわけではなく、また、保育料を保護者から受け取るわけでもありません。よって、認可保育所における売上は、基本的にこの補助金のみとなります(例外もあり)。そして、国または自治体によって定められた必要な保育士の数を満たすだけの保育士を配置した上で、保育士資格の無い職員を配置することが可能となります。

よって、認可保育所では、基本的には補助金が売上の上限であり、費用・支出を抑えるしか、収益を増やす方法が無いということになります。特色を出し、英語教育を充実させる為に、外国人講師を採用したくても、売上向上には寄与することにならず、収益を減少させることにしかなりませんし、そもそも、いくら国や自治体からの多額の補助金が支給されるといっても、余分な外国人講師を多く採用できるほどではありません。

またこれは、プリスクールで、認可保育所がほぼ存在しない理由でもあります。
そのため、プリスクールはほとんどが認可外保育所であり、認可保育園のプリスクールがあったとしても、実情は、外国人講師の比率が非常に少ないところが多いです。

参考記事

ちなみにいわゆる一般の認可保育所は、上限はあるものの支出を抑えれば利益がでるため、多園展開をするところが多いです。法人としての成長は新規園の開園がメインの手法ということになります。

幼児教育・保育の無償化

2019年10月から施行された制度。以下、認可外保育所における詳細をご紹介します。

参考:幼児教育・保育の無償化|こども家庭庁

認可外保育所も対象になるということは、プリスクールも対象になるということです。プリスクールを開校する際、専業主婦(夫)家庭・共働き家庭のどちらを主なターゲットにするのか、保育料をいくらに設定するかを検討する上で、この制度を考慮する必要があります。

※歴史のあるインターナショナルスクールは、ほとんどが「各種学校(外国人学校)の幼児教育・保育施設」ですが、幼児教育・保育の無償化は対象外です。

自治体による補助金の上乗せ

上記の幼児教育・保育の無償化についてですが、自治体によっては、補助金を上乗せした金額を給付しているところがあります。

各自治体のHPをチェックし、給付の対象要件、金額を確認しましょう。東京都内でも区や市によって給付額は大きく異なるので、開校エリアの検討の際に参考とします。

東京都港区の例

参考:認可外保育施設(証明書交付あり)保育料助成制度について|港区

第4章 一貫校のインターナショナルスクール

一貫校という言葉は「小中一貫校」や「中高一貫校」という形で使われることが多いですが、単に「一貫校」と言った場合には、ここではプリスクール(幼稚園・保育園)から高校までの全てないし2つ以上の部門を一貫して教育を行う学校を指しています。インターナショナルスクールの一貫校は、主に歴史あるインターナショナルスクールが中心であり、小学校以降のインターナショナルスクールの数は、プリスクールの800園と比較すると、非常に少なくなります

※プリスクールの中にはプリスクールとアフタースクール(主に小学生への英語学童)の両方を運営しているスクールが多いですが、ここでは、一貫校に含めていません。

インターナショナルスクールの定義

文部科学省によると、「いわゆるインターナショナルスクールについては、法令上特段の規定はありませんが、一般的には主に英語により授業が行われ、外国人児童生徒を対象とする教育施設であると捉えられています。」とあります。実情は、歴史あるインターナショナルスクールも日本人生徒の比率が増えていますし、外国人の少ない地方のインターナショナルスクールでは外国人生徒が非常に少ないですので、そういった点を鑑みますと、「外国人児童生徒を対象とする教育施設」という点に関しては、「外国人児童生徒のみ」ではなく、もう少し広い範囲で柔軟にインターナショナルスクールは認識されています。

インターナショナルスクールの制度上の種類

インターナショナルスクールは、以下の3種類が併存しています。

  1. 学校教育法1条に基づく「学校(一条校)」
  2. 学校教育法134条に基づいて都道府県が認可する「各種学校」
  3. 法制度に基づかない「無認可校」

上記の1を一条校と呼ぶのに対し、1以外のスクールを非一条校と総称するのが一般的です。

一条校・非一条校のメリット・デメリット

一条校とは・・・学校教育法第1条に定められた学校の種類のことで、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、大学、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園の10校を指し、いわゆる一般的に「学校」と称されるものはほとんどが一条校であり、インターナショナルスクールのほとんどは非一条校です。

一条校のメリット/非一条校のデメリット

大学までの進路

一条校のメリットは、保護者にとっても安心であることが大きいかと思います。日本人保護者の多くの場合は、国内で一条校に通ってきた方ばかりですので、進路のイメージもできますし、サポートもしやすいかと思います。

ただ、国内だけを考えれば、一条校は選択肢が多いかもしれませんが、この点については、非一条校であるインターナショナルスクールが、どういった国際認定カリキュラムを導入しているかによって、実情は大きく変わります。例えば国際バカロレア(IB)の認定校であれば、高等部卒業後、世界の様々な大学への選択肢が大きく広がるだけでなく、国内の大学においてもいわゆるIB枠の導入が増えていますし、AO推薦や推薦入試でもIBが評価されることが増えています。

※詳しくは以下もご確認下さい。

学割・通学定期券

一条校であれば、学割や公共交通機関の通学定期券が利用できますが、非一条校の場合は利用できない場合があります。通学定期券に関しては鉄道事業者等によっても対応が異なるため、確認が必要となります。

教科書

非一条校では無料での教科書配布はありません。

一条校のデメリット/非一条校のメリット

非一条校の一番の大きなメリットは、学習指導要領に拘束されず、各校独自の方針により学校運営ができることでしょう。日本の受験システムに則り、学習指導要領に沿いながら、インターナショナルスクールとしてグローバル教育を実践するには、非常な困難を伴います。一条校で「インターナショナルスクール」と名乗っているところは数少ないのですが、おおよそ半分以上の授業を英語で実施しているような学校においては、国際的なカリキュラムと学習指導要領に沿った日本の授業を両方行うために、小学生の頃から毎日の授業時間数が多くなってしまったり、科目毎に授業のスタイルが大きく異なってしまう、日本語での授業が多くなってしまうなど、生徒にとっては負担や混乱がある場合もあるようです(あくまで学校によって異なります)。

一条校に比べてカリキュラムの自由が利くため、あえて非一条校を選択する教育機関もあるため、「一条校になれないから非一条校」であるとは限りません

各種学校

一条校ではないインターナショナルスクールは、各種学校か、無認可校のどちらかになりますが、各種学校になるにも要件があります。

上記にある通り、各種学校には、設置者に関する制限がありませんが、東京都や神奈川県、大阪府においては以下にある通り、設置者を学校法人に限っています。

「原則として、学校法人とする」という書き方ではあるので例外はあるのかもしれませんが、他の都道府県においても、同様に、学校法人に限っているケースがありそうです。

学校法人とは(一条校・各種学校等)

学校法人の設立は非常にハードルが高く、経営・運営する上でも様々な制約が存在します。

1. 設立

学校法人は私立学校を設置運営する主体です。学校法人を設立しようとする者は、寄附行為において、その目的、名称、設置する私立学校の種類、名称等所定の事項を定めた上、文部科学省令でさだめる手続(私立学校法施行規則第2条等)に従い所轄庁の認可を受けなければなりません(私立学校法第30条)。

(中略)

所轄庁は学校法人設立の申請があった場合には、当該学校法人が設置する私立学校に必要な施設及び設備又はこれらに要する資金並びにその経営に必要な財産を有しているかどうか、寄附行為の内容が法令の規定に違反していないかどうか等を審査した上で認可を決定することになります(同法第31条)。その場合、所轄庁はあらかじめ、大学設置・学校法人審議会又は私立学校審議会の意見を聴かなければなりません。

2. 管理運営

学校法人には、役員として、理事5人以上、監事2人以上を置かなければならないとされ、学校法人の公共性を高めるため各役員について、その配偶者又は三親等以内の親族が1人をこえて含まれることになってはならないこととなっています。

学校法人の業務の決定は寄附行為に別段の定めがないときは、理事の過半数をもって行われるが、一般には、基本財産の処分等の重要事項については理事総数の3分の2以上の特別決議が必要であるとされています。また、一定の重要事項については、あらかじめ評議員会の意見を聞かなければなりません。

引用元:学校法人制度の概要|文部科学省

一方で、学校法人の設立にはメリットもございます。

法制度に基づかない「無認可校」と就学義務違反

そして残されたのが、無認可校です。小学校と中学校は義務教育ですので、日本の小学校と中学校の代わりに、先程の各種学校や無認可校に通わせた場合は、厳密には、就学義務違反となり、義務教育を履修したことにはなりません。(無認可校だけではなく、各種学校も就学義務違反の対象となります。)

インターナショナルスクールは、ほとんどが各種学校か無認可校であり、一条校ではない(非一条校)ので、日本国籍のお子様の場合は、厳密には、保護者の方の就学義務違反となるわけですが(外国籍の場合は違反となりません)、文部科学省によれば、1956年を最後に保護者が罪に問われた例はありません。子供に教育を受けさせる為の努力を放棄しているわけではなく、むしろ、より良い教育の環境を求めた結果のインターナショナルスクールという選択ですから、形式上は就学義務違反だとしても、これが問題となることは考えにくいです。

日本において、国際バカロレアIBスクールの推進を国(文部科学省)が主導して行っており、文部科学省IB教育推進コンソーシアムを作っていますが、国際バカロレア(IB)はインターナショナルスクールを中心に導入されているので、これはインターナショナルスクールにお墨付きを与えるような方針です。ですがその一方で、形式的には就学義務違反であるという現状が変わっていないというのは、大きな矛盾が生じています。

就学義務違反を問題視していたのは、教育を受ける権利が充分に保障されていなかった戦後すぐの社会情勢を想定していたものですので、子供の教育における多様な実情を考慮しておらず、近い将来、この矛盾が是正されることを期待します。

また、文部科学省としては、インターナショナルスクールに通う生徒が、中学生から日本の中学校に入学や編入学を希望する場合、学校教育法の内容を踏まえますと、入学・編入学が認められないとありますが、一方で、「なお、市町村教育委員会におかれては、憲法に定める教育を受ける権利を保障し、その権利を実現するために義務教育制度が設けられていることに鑑み、経済的な事情、居住地の変更等のやむを得ない事情により学齢児童生徒が実際的に未就学となるような状況が生じないようご留意ください。」ということも同時に言及しています。実際に公立中学校へ問い合わせてみると、入学・編入学が認められるケースや、インターナショナルスクールに通いながら、籍だけ置かせてもらえるケースも多いですが、市町村教育委員会やその時の校長先生の方針にもよって変わる可能性があるので、事前に問い合わせをしておくと安心です。

参考:文部科学省「11. 学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について」

私立中学校や私立高校においては、国内インターナショナルスクールの卒業生を帰国子女枠として扱うケースもありますので、入試に有利になる場合もあります。

インターナショナルスクールの歴史

アジア最古のインターナショナルスクールは、横浜市中区にある、Saint Maur International School (サンモールインターナショナルスクール)で、1872年(明治5年)の設立です。明治維新からわずか5年後。しかも、東京大学の前身、帝国大学の設立が1877年(明治10年)なので、いかに歴史が古いかが分かります。

そして、日本で2番目に古いインターナショナルスクールが、Saint Maur International Schoolに隣接のSaint Joseph College (1980年代にSaint Joseph International Schoolに改名)。1901年(明治34年)に設立されたものの、2000年(平成12年)に廃校となっています。

同じく横浜市中区にあるYIS (Yokohama International School)は、1924年(大正13年)に設立されており、世界で2番目に「インターナショナル」と称したスクールでもあります。(1番目はYISのたった数週間前にスイスに開校したInternational School of Geneva)

ちなみにこの3校の住所(YISは旧校舎)を比較してみますと、

ということで、横浜市中区山手町という同じエリアに3つも、世界的にも歴史あるインターナショナルスクールが存在していたことになります。

そして、当校CGKインターナショナルスクールは、Saint Joseph Collegeの廃校から16年を経て2016年に設立され、現在開校中のスクールの中では、横浜市中区で3番目のインターナショナルスクール一貫校であり、横浜市では4番目(3番目はHorizon Japan International School)となります。

小学校以降のインターナショナルスクールが少ない理由

プリスクールで培った語学スキルの維持・向上という点では、当然のことながら保護者の方も小学校以降のインターナショナルスクールも検討するはずですが、小学校以降のインターナショナルスクールの数が少ないのはなぜでしょうか。

入学希望者が少ない:入学に躊躇するネガティブな理由

  • 学費が高額。プリスクールと比較すれば特別高いわけではないですが、一条校である国公立の学校や、一条校で私学助成金(*1)の助成や税制優遇措置を受けている私立学校と比べると高いと感じてしまいますし、スクール側も高くせざるをえません。
  • メインストリームから外れることへの不安。インターナショナルスクール内部の情報が少ないと、我が子を入学する上で決断する為のイメージもできません。とりあえず入ってみて転校したくなった時に、日本の学校に転校できるか、または転校して苦労しないか。結果として、無難な道(日本の一般的な学校)を選ぶケースは多いかと思います。
  • インターナショナルスクールの情報収集が困難。通っている知人が少なく、ホームページも英語での記載しかないことが多いため
  • 就学義務違反というネガティブなイメージ
  • 日本の大学受験資格を得られないという誤った認識
  • 親が英語を話せないといけないのではないか。親が外国人でないといけないのではないか
  • 8月入学が多く、日本の4月入学とは異なるのではないか
  • 能力のある外国人の教員が日本で揃えられるのか

*1 私学助成金とは・・・国や地方公共団体が行う、私立学校の設置者や在学者に対する助成金のこと。学校法人の私立学校は対象となるが、株式会社立の私立学校は対象とならない。

学校側が開校をしない:開校に踏み切れない理由

  • 広大なグラウンドや体育館を備えた環境を用意するのが難しい
  • 小中高の一貫校を作るにはコストがかかり過ぎる。小中高の一貫校である必要はありませんが、保護者としては、大学受験の手前まで面倒を見てもらえないインターナショナルスクールには子供を預けたいと思いにくいので、スクールとしては一貫校を目指したいところです。
  • 生徒が集まるか確信を持てない。プリスクールを既に運営しているスクールが開校をする場合は、一つ一つ入念に計画を立てながら段階的に拡大していくことで、小学校以降のインターナショナルスクールを拡大することは現実的に検討しやすいですが、そうでない場合は、小学校以降のインターナショナルスクール開校における経営的判断は非常に難しいかと思います。
    また、保護者が安心して預けられるよう一条校にしたいところですが、一条校は簡単に作れないですし、一条校がインターナショナルスクールとして運営する場合、制約が多すぎます。

日本国内だけでなく海外の大学受験資格も

全てのインターナショナルスクールというわけではありませんが、ほとんどのインターナショナルスクールでは、卒業をすると日本国内の大学受験資格を得ることができ、また、海外の大学の受験資格を得ることができます。

まずは、日本国内の大学受験資格について、文部科学省が示している基準について確認してみましょう。

大学入学資格について

大学(短期大学を含む。大学院を除く。)の入学資格は以下のいずれかに該当する方に認められます。(2019年1月時点)

1. 高等学校又は中等教育学校を卒業した者(一条校)
3. 外国において、学校教育における12年の課程を修了した者
※「外国において、学校教育における12年の課程を修了した者」とは、「外国の正規の学校教育における12年目の課程を修了した者」という意味
10. 外国の大学入学資格である国際バカロレア(IB)、アビトゥア、バカロレア、GCEAレベルを保有する者
11. 国際的な評価団体(WASC、CIS、ACSI、NEASC)の認定を受けた教育施設の12年(12年目)の課程を修了した者
12. 高等学校卒業程度認定試験(旧大検)に合格した者

引用元(一部引用および編集):大学入学資格について:文部科学省

通常の学校であれば、1の一条校にあてはまります。

インターナショナルスクールは、10か11にあてはまるケースが多いです。

10の中では、国際バカロレア(IB)のDP資格を取得するケースが一番多いですが、このIBDP認定校となっている高校は、日本全国で現在68校(プラス候補校8校)あり、内いわゆるインターナショナルスクールの認定校(日本語ではなく主に英語でIBを実施しているスクール)は33校あります(2024年3月31日時点)

参考:認定校・候補校 | 文部科学省IB教育推進コンソーシアム

11の国際的な評価団体ですが、それぞれの説明と認定校数は以下の通りです。

WASC:22校(2024年5月24日時点)
  • Western Association of Schools and Collegesの略
  • アメリカの評価団体
  • 設備、運営、教員、カリキュラム等総合的に学校を評価し認定
  • ミッション:あらゆる学校が生徒の学習に焦点を当てた厳格で適切な自己評価と相互評価プロセスに取り組むことを支援し、質の高い継続的な学校改善を推進・検証しています。

参考:WASC - Accrediting Commission for Schools

CIS:29校(2024年6月時点)
  • Council of International Schoolの略
  • イギリスで発祥したオランダの評価団体
  • 設備、運営、教員、カリキュラム等総合的に学校を評価し認定
  • ミッション:世界各国の考えや文化、教育者をつなげる質の高い国際教育を通じて、世界中の子供たちの育成を促します。

参考:Council of International Schools | International Education Organisation

ACSI:3校(2024年6月時点)
  • Association of Christian Schools Internationalの略
  • アメリカの評価団体
  • ミッション:キリスト教の学校を強化し、世界中のキリスト教教育者が、生徒を学問的に準備し、イエス・キリストの熱心な信者になるよう促します。

参考:Association of Christian Schools International ACSI

NEASC:4校(2024年6月時点)
  • New England Association of Schools and Collegesの略
  • アメリカの評価団体
  • ミッション:NEASCは学校と提携し、認証評価、専門的支援、ベストプラクティスの追求を通じて、すべての生徒のために質の高い教育を評価、支援、促進します。

参考:NEASC - New England Association of Schools and Colleges

このように、インターナショナルスクールであっても、そして就学義務違反であっても、制度としては日本の大学入学資格が得られるようになっており、インターナショナルスクールは決して、メインストリームから外れた選択肢ではないということを知れば、少し安心できるのではないでしょうか。逆に言えば、IB、WASC、CIS、ACSI、NEASCといった認定を受けていないスクール、または認定を目指していないスクールの場合、高校卒業後の進路を検討する上で、困難な道が待っている可能性があるということです。

これからの社会では、インターナショナルスクールは、旧態依然とした日本の学校システムと対等に検討されていく選択肢となっていくことでしょう。

実際のところ、インターナショナルスクールを選ぶことで、将来の進路の選択肢は狭まるのでしょうか、それとも広まるのでしょうか。

国内外の大学への道が広がる

続きは、以下の記事をご覧ください。

参考記事

第5章 開校準備計画

開校に向けての準備は非常に多岐にわたりますので、ここでは、開校に向けて走り出す上でまず検討・決定していきたいことの代表的なものをあげさせて頂きます。

リスト:開校に向けてまず検討・確認すること

  1. 施設形態
    • プリスクール:認可外保育所・認可保育所・幼稚園・企業主導型保育所
    • 小学校から高校:一条校・各種学校・無認可校
  2. 対象家族
  3. 地域選定
  4. 送迎バス
  5. 学校年度開始月と長期休暇
  6. 保護者に求める語学力
  7. 入学時に生徒に求める語学力
  8. インターナショナルスクール・バイリンガルスクール
  9. 一貫校・プリスクール多店舗展開
  10. プリスクール:保育園型・幼稚園型
  11. プリスクール:有資格者(保育士)の配置
  12. アフタースクール併設
  13. 開校学年(受け入れ年齢)と定員人数
  14. プリスクール:縦割り保育・異年齢保育
  15. 施設・設備・法制度
  16. 給食
  17. 開校スケジュール・開校後の展望
  18. 資金調達方法
  19. 目指す価格帯とサービス方針
  20. カリキュラム・国際教育認定機関
  21. 初等部(小学部)開校
  22. その他

施設形態

プリスクールと、小学校から高校の別々で見ていきたいと思います。

プリスクール

「第3章 プリスクールとは」の『プリスクールの実態』で述べた通り、乳幼児を預かる施設には様々な種類があります。

基本的には認可外保育所での開校になりますが、自治体によっては、東京都認証保育所や横浜保育室といったカテゴリー(自治体から助成されます)があったり、今は新規事業者の募集を停止していますが、企業主導型保育所(こちらも助成されます)のような制度が再開される可能性もあると思いますので、制度について確認するようにしましょう。手っ取り早いのは、自治体の担当部課へ問い合わせをすることです。

当校、CGKインターナショナルスクールのプリスクールは「認可外保育所」ですが、プリスクールのほとんどは「認可外保育所」です。歴史あるインターナショナルスクールは、「各種学校(外国人学校)の幼児教育・保育施設」の場合が多いです。

小学校から高校

「第4章 一貫校のインターナショナルスクール」の『インターナショナルスクールの制度上の種類』で述べた通り、小学校から高校までは、主に以下の分類となります。

  1. 学校教育法1条に基づく「学校(一条校)」
  2. 学校教育法134条に基づいて都道府県が認可する「各種学校」
  3. 法制度に基づかない「無認可校」

上記の1を一条校と呼ぶのに対し、1以外のスクールを非一条校と総称することがあります。

まず、「非一条校(各種学校と無認可校)」、そして株式会社立の場合の「学校(一条校)」は、私学助成金の助成や税制優遇措置を受けることができません。「学校(一条校)」になるには、学校法人である必要がありますが、「第4章 一貫校のインターナショナルスクール」の『学校法人とは(一条校・各種学校等)』でも述べた通り、学校法人になるのは非常に高いハードルがありますし、良い学校を作るという点では、必ずしも学校法人である必要はありません。

また、各種学校として認められたいがために学校法人になるかどうかというのは、各種学校と無認可校の違いを考慮した上で、慎重に検討する必要があります。

ちなみに、東京都で有名なインターナショナルスクールの「Aoba-Japan International School」は、株式会社であるため、各種学校ではなく無認可校ですが、2018年から文部科学省IB教育推進コンソーシアム事務局を受託し、国際バカロレア(IB)の普及を全面的にサポートしているため、無認可校であることが問題視される可能性は極めて低いと考えられます。

参考:アオバインターナショナルエデュケイショナルシステムズ 文部科学省「国際バカロレアに関する国内推進体制の整備」 事業継続に関するお知らせ

当校、CGKインターナショナルスクールの初等部以降は、無認可校です。

対象家族

インターナショナルスクールを開校するにあたり、どういった家族を対象にするかは、創設者の教育に対する想いだけでなく、経営的な判断含め、総合的に考慮して、ターゲットの家族を検討することになります。主に、以下のような点が関わってきます。

検討項目例

  1. 世帯所得
    • 授業料、幼児教育・保育の無償化
    • 保育・教育サービスの質と内容
  2. 専業主婦(夫)家庭・共働き家庭
    • 開校時間
      • 乳幼児:長さ、延長保育、オプションクラス
      • 小学生:学童保育(アフタースクール)の有無と開校時間、クラブ活動
    • 送迎
      • バス送迎有無・時間・ルート
    • 長期休暇
      • 乳幼児:期間の長さ、特別プログラムの提供
      • 小学生:特別プログラムの提供
    • 幼児教育・保育の無償化
  3. 日本人・外国人
    • 開校時間
      • 外国人家族はビザの関係で専業主婦家庭が多く、プリスクールはショートタイムを希望する場合あり
    • 保護者に求める英語力・教職員の対応言語
    • 国語指導・日本語指導
    • HPの言語
    • 国籍バランスの調整

国籍バランス

主に以下の中から検討することになります。

  1. 外国人家族や海外で教育を受けてきた帰国子女の家族 ※いわゆる歴史あるインターナショナルスクールが対象にしているのがこれ
  2. 1だけでなく、日本人家族にも積極的に利用してもらう。
  3. 日本人家族を主な対象とする。

まず、「1. 外国人家族や海外で教育を受けてきた帰国子女の家族」だけを対象にするのは、これからインターナショナルスクールを開校する方にとっては特に、厳しいかと思います。実は、歴史あるインターナショナルスクールにおいても昨今、日本人や、日本と海外のハーフの入学生を積極的に受け入れているところが増えている印象です。理由としては、インターナショナルスクールを希望する日本人家族が増えたということもありますが、東日本大震災や新型コロナウイルスのパンデミック等の有事に外国人家族は本国へ帰国してしまうため、スクールとしては日本に住む外国人家族だけを対象にするのは経営リスクが高く、歴史あるインターナショナルスクールも方針を柔軟に転換している場合があるためです。

また、東京、横浜、横須賀(米軍基地近く)、大阪といった都市であれば外国人家族の入学も期待できますが、地方の場合は、全寮制のボーディングスクールでもない限りは、外国人生徒を中心としたスクール運営には難しさがあります。ただ、地方は日本人向けのインターナショナルスクールがほとんどですので、外国人家庭にとって魅力的な本物のインターナショナルスクールを開校できれば、外国人家庭の利用比率が上がることを期待できます。

それでも、さらなる外国人比率向上の対策をするのであれば、入学時に国籍バランスの調整を行うことが考えられます。例としては、「1つの国籍の子がクラス生徒の25%以上を占めないようにする」といった方針です(この場合、日本人だけでなく、地域によっては中国人も制限の対象になることがあります)。
また、定員が埋まりそうな場合は、選考時に外国人生徒を積極的に合格にするということも考えられます。

よって、現実的には、「2. 1だけでなく、日本人家族にも積極的に利用してもらう。」を重視し、外国人家庭も満足して利用してもらえるスクールを開校時から常に目指したいところです。プリスクールだけでなく、小学校以降も含めた一貫校を目指していく場合は必須だと考えています。そのためには、以下のような点を開校時から実施していきます。

お分かり頂けるかと思いますが、これらを丁寧に真面目にやるのは、実は目に見えない大きなコストです。ただ、本当にいい学校かどうかの基準は、こういったところでも垣間見えることになります。

日本でチェーン展開している大手のプリスクールでは、これらを重視しているところは皆無のように感じます。理由として考えられるのは、やはりコストが高くつくのと、生徒を獲得するには日本人家庭に絞ったほうが効率が良いからだと思われます。

「3. 日本人家族を主な対象とする。」路線でいく場合は、地域の実情やニーズ、経営的方針も考慮した上で、以下のようなケースが考えられます。

途中での大きな方針転換は大変ですので、開校前の段階で方針を定められると良いかと思います。

地域選定

保護者が自宅から離れた場所にある学校に通わせたいと思っても、片道2時間使って通わせられるわけではありません。自家用車や学校の送迎バスでの送迎であれば、片道1時間程度であれば大丈夫かと思いますが、公共の交通機関の場合は、朝夕の通勤時間帯を考慮すると、30分ですら大変だと感じる家庭が多いと思います。

子供の年齢が低くなればなるほど、短い通学時間を希望されますので、子供の年齢と、可能な通学形態の選択肢によって、商圏がおおよそ決まることになります。

どういった地域に学校を設立するかは、非常に重要なポイントとなります。

都市部・地方

料金

都市部の方が高価格で設定ができます。その一方で、人件費や家賃等が高くなります。

競合

都市部にはすでにプリスクールやインターナショナルスクールが多く存在し、それらの競合に対抗していかなければなりません。一方で地方にはインターナショナルスクールがほとんど存在しない地域もあり、ブルーオーシャン状態のこともあります。

通学形態の選択肢

都市部

人口が密集しているため、学校が送迎バスを出しても効率的に多くの生徒をピックアップすることができます。一方で、車利用者が少ないです。そのため主な対象は以下になります。

地方

人口密度が低く、送迎バスはコスパが低いです。徒歩や自転車圏内の家庭が少ない一方で、車利用者が比較的多くなります。そのため主な対象は以下になります。

バス利用者ももちろんいらっしゃいますが、お仕事をされている方の場合、自宅⇔学校⇔職場をバスで乗り継ぐのは非常に大変かと思います。

駅チカは人口が多く、電車利用者を取り込めますので、物件選定においては、駅チカの物件を探すかどうかの方針を立てておく必要があります。

都市部が良いか、地方が良いか

インターナショナルスクールがあまり存在しない地域というのは、存在しない理由があるかもしれません。地方であれば、料金を高く設定できなかったり、需要が無かったり、アクセスが悪いといったことが理由かもしれませんし、ただ単に、たまたま開校しようとした会社や個人がいなかっただけかもしれません。

一方で、主に都市部のような、すでにインターナショナルスクールの存在している地域であれば、既存校の料金と人気ぶりを調査することで、その地域でのインターナショナルスクールの需要を知ることができます。競合が多いということがネガティブなイメージを持ちがちですが、考え方を変えれば、すでにある学校よりも良いサービスを提供し、正しく認知してもらえれば、勝負が出来るということです。競合が多い地域で、質の悪い保育・教育しか提供できていないインターばかりの地域は、一つ狙い目かもしれません。

送迎バス

前述の通り、送迎バスを運行するかどうかは、開校場所の立地をよく考慮する必要があります。学校がスクールバスを持つことは、送迎だけでなく、校外の特別活動時の移動でも使用できますので、保育・教育の質向上には非常にプラスになりますが、その一方で、コストも大きくかかります。以下はコストの例です。

生徒の集客においては、送迎バスは非常に有効ですので、費用と用途なども総合的に考慮して、送迎バスの導入について決めましょう。

また、プリスクールの幼児専用車の場合、業者の選定はほぼ数社に限られていますが、金額だけでなく、車両自体の質やアフターケア等も含めて、業者を選定する必要があります。

当校CGKインターナショナルスクールでは、2つの業者から計5台の送迎バスを導入した経験があり、サイズもワンボックスカーからマイクロバスまで様々ですので、業者選定の知見があります。

その他にも、送迎バス導入には、以下のようなことも付随してきます。

学校年度開始月と長期休暇

各国の学校年度開始月

このように、日本の4月入学は、世界では少数派です。9月が圧倒的多数で、南半球のオーストラリアとニュージーランドは1月末~2月はじめ、シンガポールは1月ですので、英語圏では1月頃の新学年開始の国もいくつかあることが分かります。

日本のインターナショナルスクールの場合

横浜や都内のインターナショナルスクールの年間スケジュールを確認しますと、典型的なスケジュールは以下のような感じです。

ということで、新学年の開始は8月下旬なので、世界では一般的な9月よりも少し早いタイミングです。秋休みがあったり、中にはMid-Winter Breakもあるのが、インターナショナルスクールの特徴ですね。
これらの他に、Professional Learning Day または Professional Development Dayということで、先生たちの研修日として年間で何日か休みの日があります。ご家庭にとっては大変ではありますが、とても理にかなった制度かと思います。

一方で日本の公立学校の典型的なスケジュールを横浜市を例に見てみましょう。

すべて合計すると9週間程度のため、インターナショナルスクールの夏休み(10週間)よりも短いという結果に・・・。

日本におけるインターナショナルスクールの多くは、8月下旬が新学年の開始となっており、日本の4月入学を取り入れているインターナショナルスクールは、非常に稀です。

<関東圏>4月入学インターナショナルスクールの主な例

上記、東京都の「Global Indian International School」「India International School in Japan」「UIA International School」はいずれもインド系のインターナショナルスクールですが、インドは本国でも4月から新学年(4~5月は夏休みのため実質的には6月)なので長期休暇も含め、日本の学校と長期休暇のスケジュールもよく似ています。

学校年度開始月の検討

9月入学(または8月下旬入学)にする大きなメリットは、海外の主要な国と入学時期を合わせることで、外国人生徒の集客に有利なことです。学校年度がずれている学校間の転校においては、手続き面で面倒なことが多かったり、将来、9月入学の国への留学を検討している家族にとっては、4月入学であることがデメリットとなる可能性があります。

日本で3月卒業の高校に行き、海外で9月入学の大学に行くのは、数ヶ月のギャップイヤーをそれぞれが有意義に過ごせば良いだけなので大きな問題ではありませんが、小中高ではスムーズに転校できるに越したことはありません。

そして、外国人家族にとっての4月入学のデメリットは、日本人家族にとっての9月入学のデメリットでもあります。特に日本人家族にとっては、プリスクールは義務教育ではないので、余計なことを考えず、子供にとって良い保育や教育をしてくれるところを重視して選べばいいのですが、小学校からは急に、「インターナショナルスクールという進路を今後も続けていくのか」という大きな不安にぶち当たります。そこに拍車をかけるように、4月入学から9月入学の制度への移行です。

<関東圏>4月入学インターナショナルスクールの主な例」であげた通り、関東圏内だけで見ても、いかに4月入学のインターナショナルスクールが少ないかが分かります。9月入学(8月下旬入学)のインターナショナルスクールはすでに多く存在するので、4月入学を希望するご家庭の受け皿になるという観点も大事にしながら、地域のインターナショナルスクールの現状や、どういった家族を対象にするのか、経営的判断もそこには関与してきますが、慎重に検討して最終的に学校年度開始月を決めるのが良いです。

当校CGKインターナショナルスクールでは、4月入学を採用しています。横浜では唯一の4月入学のインターナショナルスクール一貫校ですし、前述の通り、関東圏で見ても、数少ない、4月入学のインターナショナルスクールですが、初等部開校前から多くのお問い合わせを頂いています。

長期休暇の検討

日本の学校は一般的に、夏休み、冬休み、春休みの3つの長期休暇がありますが、前述の通り、この3つに加えて、秋休みやMid-Winter Breakがある場合があります。それぞれの休暇期間は長く、さらにProfessional Learning Day(またはProfessional Development Day)として、教職員の研修日も設けられています。

多くの生徒とその保護者の方々と日々接し、責任ある職務を果たしている教職員の負担を考えれば、長期休暇を長めに設定し、年間休日数を確保してあげるという方針は重視したいところです(学校の長期休暇のすべての期間、先生たちも休みなわけではありません)。一方で、経営面では難しさもあります。ちなみに一貫校ではなく、プリスクールのみ運営しているようなスクールでは、年間休日数は、一般の会社と同等か、若干多い程度のところが多いように思われます。

長期休暇の検討時に考慮すべきポイントは以下です。

当校CGKインターナショナルスクールでは、「第10章 教職員採用」の『教職員を大切に』で後述しますが、教職員の休暇をしっかりと確保するという点では、まだ改善の過渡期といえます。将来的に永く永続していく強固な体制の組織を作っていく上では、そこで働く教職員の環境整備が非常に重要であり、CGKではそこを重視するための様々な取り組みを継続して行っているところです(後述します)。

保護者に求める語学力

一般的に、歴史あるインターナショナルスクールは、保護者の内、少なくとも1名が英語でコミュニケーションできることが求められるケースがほとんどです。昔は、外国人家庭や帰国子女などといった要件を設けられていたケースも多かったですが、現在では、両親が日本人でも可能だったり、別のインターナショナルスクール(プリスクールも含まれる場合あり)からの転校でも可能な場合があるので、これでも基準は緩くなっているのだと思います。

日本人家庭の生徒を積極的に受け入れるのであれば、保護者の言語は英語でも日本語でもどちらでも可とします。

当校CGKインターナショナルスクールでは、学校からアプリでの連絡であれば、お互いに英語・日本語の相互翻訳が可能ですし、保護者面談であれば一つ一つ通訳をしています。負担かつコストがかかるところではありますが、ここの方針は慎重に決めたいところです。

入学時に生徒に求める語学力

英語力については大きく分けて以下の2つです。

  1. 英語力に制限を求めず、英語力の低い子も受け入れる。
    • 多くの生徒を集客しやすい。
    • クラス全体の英語力が低くなり、英語での保育・教育の質が低くなる可能性がある。
  2. 英語力のチェックをし、英語力の高い子だけを受け入れる。
    • 受け入れ対象の母数が少なくなるので、生徒の集客は難しくなる。
    • クラス全体の英語力が高くなり、英語での保育・教育の質が高くなりやすく、本来のインターナショナルスクールの保育・教育に注力しやすい。
    • 外国人の生徒も入学しやすい環境になる。

当校CGKインターナショナルスクールでは、2番を採用しています。生徒の集客という点でいうと、不利という考え方もありますが、質の向上で集客に有利になるという考え方もあります。他のインターナショナルスクールが緩い基準を設けているのであれば、基準を厳しくすることは差別化にも繋がります。

意外と、歴史あるインターナショナルスクールでも1番を採用している場合があります。ぜひ、他のインターナショナルスクールのAdmission Policyも確認してみてください。

インターナショナルスクール・バイリンガルスクール

英語を中心に保育や教育を行っている施設ですが、インターナショナルスクールやプリスクールという呼び方だけでなく、バイリンガルスクールやバイリンガルプリスクールという名称もよく目にします。傾向としては、以下のような違いが見受けられます。

名前は「インターナショナルスクール」だけれども、実態は「バイリンガルスクール」である学校も多く存在します。上記のような点が見極めるポイントにはなりますが、ホームページが日本語でしか提供されていない時点で、バイリンガルスクールであると考えて良いでしょう。

インターナショナルスクールとバイリンガルスクールのどちらを目指すかによって、開業に向けての準備は大きく異なります。

一貫校・プリスクール多店舗展開

後述しますが、プリスクールの後の初等部以降は、運営のハードルが上がります。義務教育ではないプリスクールであれば、運営のハードルは比較的低いですので、日本人向けのバイリンガルプリスクールを多店舗展開することで、会社として大きな利益をあげるという考え方もあるでしょう。

ですが、実現したい未来を見つめ、慎重に検討をしてください。経営的判断も大事ですが、一貫校を作ることとプリスクールを多店舗展開することのどちらに興味がありますか。あなたのビジョン達成が実現できるのはどちらの道でしょうか。

今後、軌道修正をすることはあると思いますが、開校当初から抱く想いの原動力はとても強いものですので、大事にしたいところです。

近年、プリスクールは非常に増えていますが、プリスクールを卒業しても、肝心の小学校以降のインターナショナルスクールがあまり増えていません。実際のところ、当校CGKインターナショナルスクールは2023年から初等部を開校しましたが、初等部開校後、他のプリスクールや初等部に通っているご家族からの問い合わせを多くいただくようになりました。小学校以降のインターナショナルスクールの選択肢が横浜では多くないため、当校への進学や転校を検討していただける方が多かったようです(実際に多くの方にご進学、転校して頂けています)。

当然のことながら、プリスクール1校のみ開校するという選択肢もあります。地方ではまだまだ、プリスクールが1校も存在しないという地域があります。そもそもプリスクールに通わせるという選択肢が無い地域にプリスクールを開校するというのは、非常に大きな意味のあることですし、通う子供たちの笑顔に接したり、保護者の方々からの感謝をいただけることは、何よりの喜びです。

ちなみに、多店舗展開またはFC(フランチャイズ)展開をしている代表的なバイリンガルスクール(一部、インターナショナルスクールに近いものもございます)は以下となります。

多店舗展開をする場合に起こり得る典型的な問題が存在します。多店舗展開する場合は、以下の点に特に気をつけましょう。

優秀な先生であればあるほど、保育や教育に対する意識と責任が高く、あるべき保育と教育というものを追求している人が多いです。現場の先生たちと共に学校を作り上げていかなければなりません。多店舗展開のスピードに負けない、現場体制の強化やバックオフィスの強化など、取り組むべき課題はとても多いのです。数字とは別軸でも経営方針を慎重に検討しましょう。

プリスクール:保育園型・幼稚園型

「第3章 プリスクールとは」の『プリスクールの実態』で述べた通り、基本的にプリスクールは、「認可外保育所」がほとんどで、いわゆる歴史のあるインターナショナルスクールは、「各種学校(外国人学校)の幼児教育・保育施設」となります。

まずは、保育園と幼稚園の違いについて確認してみましょう。

保育園と幼稚園の違い

保育園の管轄はこども家庭庁(2023年に厚生労働省から移管)で、幼稚園の管轄は文部科学省です。もととなる法令もそれぞれ、児童福祉法(保育園)、学校教育法(幼稚園)です。

そのためもあり、保育園は健全な心身の発達のため、子供の自主性を尊重し自由に育てたり、教育の中でも特に日常の生活習慣などの指導といった「保育」を行う「児童福祉施設」(親の代わりに就学前の子供を保育する)であるのに対し、「学校」の文部科学省が管轄する幼稚園は、小学校入学前の「教育」の導入という意味合いが強い「教育施設」です。
※あくまで、一般論ですので、園によって異なりますし、私立や認可外施設では、各々の園の特色が色濃く出ているところも。

認可保育園の場合は、保育園が「親の代わりに就学前の子供を保育する場」ですので、専業主婦(夫)等、必ずしも預ける必要性のない場合、入所基準をクリアすることは難しくなります。一方、認可外保育園や幼稚園では、そういった入所基準は無いため、園内の独自の基準で選考したり、公立幼稚園においては、ランダムに抽選で選びます。

参考記事

保育園は、親の代わりに就学前の子供を保育する施設のため、認可保育園の保育時間は原則8時間以上と長く、幼稚園は4時間以上程度です。

プリスクールに通う家族の現状

歴史あるインターナショナルスクールは、主に外国人が海外から日本へ駐在で住んでいるケースが多いため、就労ビザは片方の親にのみ発給され、配偶者は家族滞在ビザになりますが、このビザでは就労が出来ません(資格外活動許可を出入国在留管理庁から得れば、週28時間までは可)。よって上記の保育園の要件には当てはまらず、保育園が提供するような長時間保育は不要ということになります。

インターナショナルスクールにおけるプリスクールは、認可外保育園や各種学校(外国人学校)の幼児教育・保育施設であり、保育時間は自由に設定できるため、いわゆる「保育園型」(長時間の預かり)でも「幼稚園型」(短時間の預かり)でも可能なのですが、元々の保育ニーズを鑑み、「幼稚園型」がほとんどであると考えられます。

ですが、日本人家族の利用者が増えたり、専業主婦(夫)家庭でも、プリスクールの教育カリキュラムや教育環境に魅力を感じて、保育ニーズとは関係のない視点でプリスクールを選ぶことも多くなったため、保育園型のプリスクールも一定数は存在します。

主に以下のように分けられます。

①幼稚園型

②幼稚園型+延長保育

③保育園型

3つの型からの選択

当校CGKインターナショナルスクールは「③保育園型」です。保育園型にするということは、基本保育時間が長いということだけでなく、共働き家庭でも利用しやすいスクールにしなければならないので、それに伴って必要なサービス内容が定まってきます。基本保育時間外の延長保育長期休暇を短く設定給食の提供(親が忙しいため)、送迎バスの運行などです。

保育園型の運営は大変なことばかりですが、この形式のニーズは高く、そのニーズを満たしているスクールはほとんど存在しないのが実情です。唯一無二の理想のスクールを追い求めるという点においても、保育園型を選択して本当に良かったと思っています。

プリスクール:有資格者(保育士)の配置

「認可外保育所」は「認可外保育施設指導監督基準」に規定された各種項目を満たす必要があるため、認可保育所ほどではないものの、日本の保育士資格を保有した職員が一定数必要です。ちなみに、多くの歴史あるインターナショナルスクールは、「各種学校(外国人学校)の幼児教育・保育施設」ですが、保育士を配置する必要がありません。

幼児に安全で質の高い保育を提供するには、保育士資格を保有していることは一つの大事なものさしですし、質の高い教育を提供する上でも、保育のスキルが重要であることは言うまでもありません。

当校CGKインターナショナルスクールでは、プリスクールで働く全ての日本人の先生が保育士資格を保有しています。プリスクールで働く保育士の採用は、保育士資格だけでなく英語力も求められるため採用には苦労しますが、唯一無二の理想のスクールを追求するためにも、保育士採用の方針については慎重に検討しましょう。

ちなみに、英語の話せる保育士採用のハードルの高さと人件費の高さを理由に、英語の話せない保育士を採用しているプリスクールも存在しているのが実情です。そもそもの母数が少ないのでしょうがない現状はありますが、保育士の待遇をさらに改善し、保育士という仕事が魅力的に感じてもらえるよう、対策を講じ続けることが大切です。当校CGKインターナショナルスクールでも、教職員の待遇改善には継続して力を入れているところです。

アフタースクール併設

After Schoolは本来、放課後を指す言葉ですが、日本で「アフタースクール」は、主に小学生対象の英語で過ごす学童保育施設を指す場合が多いです。比較的リーズナブルな料金で利用ができ、小学生の英語の習い事としてニーズが高まっています。

ここでは、在校生(小学生)以外も利用するためのアフタースクールを併設するかどうか、検討してみましょう。

教室の確保

小学校を運営していれば、低学年の教室が14時半頃から空けば、そこをアフタースクールの教室として使用することができます。一般的にアフタースクールは、14時、15時頃までは生徒を預からないことが多いため、アフタースクールだけで教室を使用する場合、14時か15時頃までは教室が全く稼働していないことになります。逆に、小学校の低学年の教室も、クラブ活動等で全ての教室を使用するわけではないので、14時半以降からはあまり稼働していないことになります。よって、小学校を運営する場合は、アフタースクールの教室を確保するのは容易です。

プリスクールしか運営していない場合でも、前述の「幼稚園型」か「幼稚園型+延長保育」であれば、アフタースクール用の教室を確保することが可能です。

アフタースクール単体では大きな利益を出すことが難しく、空き教室を有効活用するための手段としてアフタースクールはぜひ検討したいところです。

アフタースクールを併設する目的

アフタースクールの先生は、15時頃まで生徒がいないので、十分なデスクワーク時間が確保されています。小学校やプリスクールが併設されていれば、そちらの業務のサポートに入ってもらうことも可能です。

もしくは逆の考え方で一般的なのは、プリスクールの先生が、夕方からはアフタースクールで教えるというパターンです。アフタースクールのカリキュラムやプログラムにおいても高い質を追い求めるのであれば、アフタースクールの先生は別で採用をしたいところです。

シーズナルスクール

サマースクールやウィンタースクール等のシーズナルスクールは必ず実施するようにします。理由としては以下です。

当校CGKインターナショナルスクールのシーズナルスクールでは、サマースクール、オータムスクール、ウィンタースクール、スプリングスクールを開講しています。

対象生徒

生徒の英語力やクラス環境の観点でいうと、アフタースクールは以下のように分類できます。

当校CGKインターナショナルスクールのアフタースクールでは、「英語中級者以上」のみを受け入れています。よって、入学選考で不合格になるケースも多いのですが、アフタースクール専門の先生たちがカリキュラムやプログラムを作成し、対象を英語中級者以上にしているため、質の高いハイレベルな探究活動を実施できています。クラス分けは主に年齢で分けています

アフタースクール併設の事前の基本情報収集のため、以下の参考記事もぜひご覧ください。

参考記事

開校学年(受け入れ年齢)と定員人数

開校学年と定員人数もスクールによって様々です。様々な要因を考慮して決める必要があります。

開校学年(受け入れ年齢)

一貫校か、プリスクールのみの開校をするかについては、先述の通りですが、プリスクールで何歳から受け入れを開始するかについては、いくつかの要因を考慮する必要があります。

このように、開校時は集客が見込みづらい年長児クラスよりも、1~3歳児クラスの開校を重視したいところですが、低年齢児クラスは経費が大きくかかりますし、多数の教室を最初から準備できるわけではありません。開校からの1,2年でどの程度の赤字を覚悟できるかどうかは、開校学年の方針に大きく影響します。一方で、なるべく赤字を出さない方法での開校方法もありますので、特に地方でのプリスクール開校ではそういう方法を取ることが多くなるかと思います。

各クラスの定員人数

どちらの場合にもメリットとデメリットがあります。

多い場合のメリット
少ない場合のメリット
CGKの場合

当校CGKインターナショナルスクールのプリスクールでは、各クラス3人の先生がおり、外国人担任x1、日本人保育士担任x1、Team Teacher(外国人または日本人保育士)x1という体制です。さらに、Floaterとして、複数のクラスを行き来する先生が何名かいます。
※いずれのポジションも、日本人の場合は全員保育士資格保有。

各クラスの定員人数は決して少なくないですが、上記のメリットを享受し、デメリットにも適切に対処することで、保育と教育の質を向上しています。

国際バカロレア(IB)のレッスンをする上で、チームで相談をしながら計画を立てたり、実施したり、振り返りを出来るのは大きなメリットです。

少ない生徒に少ない先生(1~2人)の良さももちろんありますが、生徒が多い場合でもその分先生も多いのであれば、良い面がたくさんあります。

プリスクール:縦割り保育・異年齢保育

学校や幼稚園では、各学年ごとに教室・クラスが分かれているのが一般的です。一方で保育園の場合は、縦割り保育(異年齢保育)を採用しているところもあります。異年齢合同の縦割り保育においても、学年別での保育においても、それぞれにメリットとデメリットが存在します。安全面では間違いなく、学年ごとにクラスを分けた方が良いですが、採用するカリキュラムや保育・教育アプローチ、そして保育の狙いによって、縦割り保育か学年別保育かを選択することになります。

縦割り保育であれば、必要な教室数が少なくて済み、各クラスの定員人数も柔軟に調整することができます(クラスごとの定員人数は気にせず、スクール全体の定員人数を気にすれば良い)。一方で、年齢に合った保育・教育を実施するのが難しい側面があります。

ちなみに当校CGKインターナショナルスクールでは、学年別保育を中心に、縦割り保育を時々導入しています。

施設・設備・法制度

第7章 施設・設備・法制度」にて後述します。

給食

後日更新します。

開校スケジュール・開校後の展望

4月入学か8月入学かを決めたら、そこから逆算をしていきます。例えば、物件の内見から開校に至るだけでも、以下のようなフローがあります

開校 ← 入学オリエンテーション ← 説明会・体験会 ← HP開設・広告 ← 内装工事・消防工事(説明会・体験会までに竣工) ← 設計 ← 教職員採用 ← 送迎バス発注 ← 物件契約(フリーレント等の交渉) ← 金融機関融資実行 ← 各関係機関との事前確認(施工前と後に再度) ← 物件内見

※物件の内見前にも無数の準備項目があります。

開校後の中長期のビジョンは定めておいてください。スタッフや面接候補者に共有するのか、はたまた、保護者にも共有するかどうかは、内容に応じて検討することになります。

資金調達方法

資金調達の方法は多岐にわたります。これから開業する方、すでに開業されている方の場合の例をいくつか紹介します。

★・・・個人や小さな企業がまず検討する方法
☆・・・同様に前向きに検討すべき方法

開校までに必要となる設備資金だけでなく、開校後に必要な運転資金も見越して、資金調達を行う必要があるため、次項の「目指す価格帯」と合わせて考えることになります。

可能な限り、返済不要なエクイティファイナンスや自己資金、クラウドファンディング、スポンサーを中心に検討したいところですが、エクイティファイナンスは株主として経営に意見を言われる可能性がある(逆に言えば、アドバイスをもらえたり、豊富な人脈をもとに人や企業を紹介してもらえる利点もあります)、自己資金は経営不振に陥った時の資金として残しておきたい、クラウドファンディングは支援者へのリターンを見出しづらい(株式会社で経営する場合、あくまで営利団体ですし、リターンの恩恵を受けるのが実際に通う家族だけになりがち)、スポンサーはスクールや運営会社の規模にもよりますが少額しか期待できない、といったことを考慮する必要があります。

一方で、デットファイナンスの特に日本政策金融公庫保証協会付きの融資であれば、十分に融資を受けられる可能性があります。個人でこれから開業される方は、保育園や教育事業での就業経験があるかどうかというのが大きなプラス要素になります(特に日本政策金融公庫の場合)が、未経験でも融資を受けられる可能性があります。

開業後、思ったように生徒が集まらなかったり、経費(運転資金)が想定以上にかかってしまった場合の、資金ショートの可能性も考慮しておく必要があります。まずは、金融機関からの追加融資が最優先ですが、その他にも短期での借り入れの選択肢は知識として増やしておくようにしてください。

資金調達については、インターネットで検索すると詳しい情報がたくさん出てきますので、合わせてご確認下さい。

目指す価格帯とサービス方針

地域の実情によって異なります。

都市部

すでにプリスクールやインターナショナルスクールが多く存在する都市部では、お手頃の価格帯から高価格帯まで様々です。そこに、低価格帯で新規参入するのは困難ですし、教職員の給与も上げられないことで入れ替わりが多く、安定したスクール運営が難しくなります。都市部では基本的に、中価格帯から高価格帯で、他のスクールに負けない質や特色を追求していきたいところです。

地方

一方で、プリスクールやインターナショナルスクールがあまり存在しない地方であれば、低価格帯から中価格帯での勝負が可能です。中長期的に考えれば中価格帯を目指したいところですが、低価格帯から少しずつシフトしていくことも可能です。一方で、サービスの質を上げていく過程で、システム自体は必ずしも大きく変更できるわけではないですので、学校年度開始月、長期休暇、開校時間、クラス編成といった点は、今後も見越した上で、最初に決定をします。

超高価格帯としては、地方の壮大な土地を利用して、全寮制のインターナショナルスクールを建てるという選択肢もあります。

CGKの場合

当校CGKインターナショナルスクールは横浜の中心(中区)にあり、プリスクールや歴史あるインターナショナルスクールが多く存在します。歴史あるインターナショナルスクールは高価格帯ですが、CGKは中高価格帯となります。決して安くない料金ですが、共働き家庭でも通わせやすいシステムを採用しており、一人でも多くの方々にご検討頂きやすいよう努力しています。

質や内容をかなり重視していますので、歴史あるインターナショナルスクールにも負けないだけのものを提供できている自信があります。一方で、施設や設備、採用における先生の条件面(給与・福利厚生等)では、歴史あるインターナショナルスクールとはまだかなりの開きがある状況です。今後、最優先に取り組んでいく課題です。

カリキュラム・国際教育認定機関

カリキュラム

子供たちへの保育・教育を考える上で、どういったカリキュラムを導入するかは重要です。スクール独自のオリジナルカリキュラムの場合もあれば、国際バカロレア(IB)といった国際的な教育カリキュラムを導入する場合もあります。

プリスクールだけであればあまり関係ありませんが、高等部で導入している教育カリキュラムによって、日本の大学受験資格を得られるかどうか、海外の大学入学に有利になるかどうかに大きく影響するため、その点も含めての考慮が必要です。

国際教育認定機関

WASC、CISといった様々な国際教育認定機関が存在しますが、こちらも同様で、日本においてインターナショナルスクールはいわゆる「学校(一条校)」として認められていませんので、国際教育認定機関によって認定を受けることで日本の大学受験資格を得たり、海外においても高等教育課程を修了していると認定されるため、検討が必要です。

施設や設備面、採用面、運営母体のファイナンシャル面など、様々な点が総合的に見られるため、要件を満たすために労力が必要なだけでなく、コストが大きくかかります。年会費もそれぞれの認定機関へ多額の支払いが発生するため、経営基盤を強化し、ステップを進めていきます。

初等部(小学部)開校

まず、小学校以降のインターナショナルスクールが少ない理由をおさらいしてみましょう。

(以下再掲)

入学希望者が少ない:入学に躊躇するネガティブな理由

  • 学費が高額。プリスクールと比較すれば特別高いわけではないですが、一条校である国公立の学校や、一条校で私学助成金(*1)の助成や税制優遇措置を受けている私立学校と比べると高いと感じてしまいますし、スクール側も高くせざるをえません。
  • メインストリームから外れることへの不安。インターナショナルスクール内部の情報が少ないと、我が子を入学する上で決断する為のイメージもできません。とりあえず入ってみて転校したくなった時に、日本の学校に転校できるか、または転校して苦労しないか。結果として、無難な道(日本の一般的な学校)を選ぶケースは多いかと思います。
  • インターナショナルスクールの情報収集が困難。通っている知人が少なく、ホームページも英語での記載しかないことが多いため
  • 就学義務違反というネガティブなイメージ
  • 日本の大学受験資格を得られないという誤った認識
  • 親が英語を話せないといけないのではないか。親が外国人でないといけないのではないか
  • 8月入学が多く、日本の4月入学とは異なるのではないか
  • 能力のある外国人の教員が日本で揃えられるのか

*1 私学助成金とは・・・国や地方公共団体が行う、私立学校の設置者や在学者に対する助成金のこと。学校法人の私立学校は対象となるが、株式会社立の私立学校は対象とならない。

学校側が開校をしない:開校に踏み切れない理由

  • 広大なグラウンドや体育館を備えた環境を用意するのが難しい
  • 小中高の一貫校を作るにはコストがかかり過ぎる。小中高の一貫校である必要はありませんが、保護者としては、大学受験の手前まで面倒を見てもらえないインターナショナルスクールには子供を預けたいと思いにくいので、スクールとしては一貫校を目指したいところです。
  • 生徒が集まるか確信を持てない。プリスクールを既に運営しているスクールが開校をする場合は、一つ一つ入念に計画を立てながら段階的に拡大していくことで、小学校以降のインターナショナルスクールを拡大することは現実的に検討しやすいですが、そうでない場合は、小学校以降のインターナショナルスクール開校における経営的判断は非常に難しいかと思います。
    また、保護者が安心して預けられるよう一条校にしたいところですが、一条校は簡単に作れないですし、一条校がインターナショナルスクールとして運営する場合、制約が多すぎます。

(再掲ここまで)

実情と解決策

これら一つ一つの実情とその解決策については、以下の記事で詳しく説明していますので、御覧ください。

参考記事

その他

開校準備で検討や確認することはまだまだありますが、いくつか追加でお伝えさせて頂きます。

第6章 理想の学校づくり

理想の学校づくりへの道のりは長く、一朝一夕で作れるものではありませんし、学校側の努力だけで完結するものでもありません。学校に関わる誰もが幸せに感じられるような、そんな理想のコミュニティ作りを目指していきます。

ですので、子供たちの保育や教育を第一に考えて学校運営をしていくのはもちろんですが、理想の学校作りにおいては、保育と教育だけに注力をしていれば良いわけではありません。現場で働く先生たちは、保育と教育に真摯に取り組むプロフェッショナルですが、管理者や経営者は、より大局的な視点で、学校というコミュニティ作りに注力して、現場の先生たちと協働していく必要があります。そのためには様々な努力が必要になりますし、学校側の努力だけでなく、保護者や地域とも協働して取り組んでいける関係づくりが重要です。

協働の重要性

子供たちへ日々アプローチしているのは、学校だけではなく、当然保護者の方々もそうですし、環境という点で考えれば、学校も家庭も地域社会もあります。学校内でのアプローチだけでは限界があり、学校外での時間や環境も大事にし、相互が良い形で「協働」することが重要です。

子供たちは環境や場面によって色んな側面を見せてくれます。家庭での様子と学校での様子は異なりますが、子供にとっては、家庭が一番安心できる環境であるべきですし、休息(リラックス)できる環境であるべきです。学校も楽しい場ではありますが、他人との共同生活では、どこか我慢して頑張ることも必要になりますし、先生に常に甘えられる環境でもありません。

言葉で言い表すのが難しいのですが、家庭と学校では、信頼関係を築くアプローチが少し異なりますので、家庭での育児の正解は、保育・教育現場での最良のアプローチとは限りません。語弊を恐れず言えば、保育や教育において、学校や家庭のいずれの場面でも共通して当てはまるような「正解」のようなものもきっとあるでしょう。普遍的に大事にすべき正解のようなものです。ですが、その正解をどう適用するのかは、状況や関係性、相手の心理状況や成長によっても異なります。繰り返しになりますが、取るべきアプローチが異なるということです。

例えば、「思いやりは大事」という普遍的なアイデア(ここで言う「正解」)があるとしましょう。目の前の課題に、どう解決すれば良いか分からず困っている子供がいます。思いやりを持って、手助けしてあげることが正しいでしょうか。苦しんでひどく辛い状況であればそれで良いかもしれませんが、精神的に余裕のある子には、見守ってチャレンジさせることの方が良いかもしれません。

先生たちは保育や教育のプロですが、家庭でのアプローチに100%の正解なアドバイスが出せるわけではありません。それは、実際にとるアプローチ方法は、ほとんどが場面に応じたイレギュラー対応だからです。よって、学校でやっているアプローチをそのまま家庭に持ち込むことが正解とは限りません。ですが、学校でのアプローチを共有し、参考にしてもらうことはできます。そして、学校と家庭の情報共有とコミュニケーションが深まれば、解決に近づくためのより具体的なアイデアにたどり着けるかもしれません。

学校と家庭で共通のアプローチをとった方が良い場面ももちろんあります。子供が混乱しないようにするためです。

いずれの場合においても、まずは情報共有をすることが重要。学校、子供、保護者、地域、このいずれの相互間においても、敵対するのではなく、協働していかないことには、理想の学校作りには到達できません。

保育・教育事業の特殊性

私立の学校であっても、「料金を支払う顧客」と「料金を受け取ってサービスを提供する事業者」という単純な構図では、理想の教育は成立しません。ここに一般の事業とは異なる、保育・教育事業の特殊性があります。

一番サービスを理解しているのは、それを提供している学校であり、提供されている生徒ですが、学校も生徒も、サービスの内容を保護者へうまく伝えられていない可能性があります。生徒からの情報についても、生徒本人が意図しているかどうかに関係なく、情報が歪曲して保護者の方に伝わってしまうケースも多くならざるを得ません。そんな時に、保護者の方々が学校側を信頼してコミュニケーションをとってくれるのか、それとも不満を持って感情的になってしまうかどうかは、信頼を得るために日々努力する学校側と、積極的にコミュニケーションを取ろうとする保護者の間での歩み寄りが重要になります。

理想の教育の追求と理解

サービス内容の全容が保護者からは不透明であることが、事業者(学校)が安易に定量的な成果のアピールに頼ってしまう要因でもあります。例えば、英検の級数や合格者数、ペーパー試験での正答率といったことは、その子のスキルや成長を測るアセスメントにおける、あくまで一つの指標でしかありません。一部の事業者(学校)では、定性的である英語の習熟度も、無理やり定量的な評価に換算し、成果をアピールすることに躍起になりがちですが、インターナショナルスクールでのグローバル教育という観点から言えば、そもそも、英語習得にフォーカスを置くのではなく、英語というツールを活用しどうコミュニケーションを取るか、というその先が重要です。HPや入学説明会で学校が謳うメッセージから、その学校の様々な方針が垣間見えます。ビジネス(利益)を重視しているのか、それとも理想の教育を重視しているのか。子供の未来の幸せを本当に考え、積極的にその役割を果たそうとしている学校かどうかがわかります。

当校CGKインターナショナルスクールでは、「日本の受験制度においては効率の良い表面的な学習、かつ、表面的な理解度としては定量的でわかりやすい方法(ペーパー試験)」ではなく、全人教育や概念理解という、何も注意を払わなければ、その子の成長や理解度を評価するには難しいものに挑戦しています。国際バカロレア(IB)の特に、幼児から小学生が対象であるPYPにおいては、旧来の日本の教育とは内容が異なる場合、日々の学びの成果が見えないと保護者の方々が不安に感じやすいです。

それでもなお、学校としてこの困難な道を追求しているのは、子供たちの将来にとって、本当に必要な教育であると考えているからです。日本の伝統的な教育では、年号や人名をたくさん覚えて試験で良い点数が取れるようになっても、そのベースとなる概念を理解し、それを自ら考え、応用するスキルが身についていなければ、社会では意味のない知識になってしまいます。IBにおいて教育者は、子供たちが本当の意味で理解しているかどうか、そのアセスメント(評価)を総括的評価(summative assessment)形成的評価(formative assessment)といった様々な方法を組み合わせて行っています。

もし、旧態依然とした古いものとは異なるカリキュラムや方針を導入する場合は、保護者の方々へご理解頂くための積極的な情報提供や説明が求められます。

インターナショナルスクールのサービスへの対価

保育や教育の現場の大変さ、そして先生方の責任感と日々の努力に心から尊敬の念を持っています。現場の近くで見てきたからこそ、心からそう思いますし、そんな努力と責任が報われる社会であってほしいと思っていますが、社会の変化をただ指をくわえて待つわけではありません。

インターナショナルスクールは授業料が高額ですが、高額である第一の理由は、サービスの質が他と異なるからではありません。国からの助成が無いことです(定員10人程度の小規模認可保育園の経営が成り立つのもこれが理由ですね)。極論を言えば、インターナショナルスクールと公立校の間で、年間200万円の授業料の差額があった場合、200万円はサービスの質の差ではありません。かなりの部分は、国からの助成が無いことが原因で、残り少ない差額分に、学校の経営努力で何とかサービスの質を詰め込んでいるというのが現実だと思います。インターナショナルスクールで入学金が100万円以上、授業料が年間300万円以上するところもありますが、学校を経営する前は私自身「なんて強欲な・・・」と思っていましたが、今では思いません。学校経営には莫大なコストがかかり、保護者の方や地域の方も含めたコミュニティ作りには、目に見えないコストも多くかかっています。理想の学校を追求する上で努力をされている他のインターナショナルスクールには、敬意を持っています(注:良くないインターナショナルスクールも存在します)。

コミュニケーションと情報発信の重要性

話がそれましたが、教育者として、表現し、アウトプットすることが重要です。いずれの立場においてもそうですが、他責思考よりも自責思考で考えることが非常に重要です。自分とは異なる背景条件や状況のある相手なのですから、自らがどう発信するかだけでなく、相手にどう伝わって、相手がどう感じるか、というところまで考えるのがコミュニケーションだと思います。

重要な情報発信とコミュニケーション、そのための方策は、当校CGKインターナショナルスクールでもオンラインやオフライン、様々な方法で行っています(以下は、プリスクールのみで実施しているものも含まれています)。

こういった交流や情報発信を増やしている目的は以下です。

理想の学校作りの実現には、多方面であらゆる対応が必要になります。高いサービスに対する対価を受け取り、それを還元・投資する好循環を作っていくこと。そのために重要なのは、この後解説する「施設・設備」「教育カリキュラム」「集客」「教職員採用」「教職員を大切にする」ことも非常に重要になります。

当校CGKインターナショナルスクールが掲げる「幸せへの選択肢を世界基準で広げる」というビジョン達成のため、日々努力を続けています。

第7章 施設・設備・法制度

保育・教育環境の充実のためにも、施設と設備が重要ですが、開校までに一番お金がかかるのが、内装工事費と物件取得費になりますので、保育・教育環境と費用節約のバランスを見ながら、施設・設備を検討することになります。

また、開校に向けては各種法令の遵守が求められますので、関係法令をしっかりとチェックしたり、適宜、関係窓口へ問い合わせ・相談をしながら、開校への準備を進めていきます。

物件探し

ここが大きな鬼門となります。スムーズに見つかることももちろんあるのですが、苦労する理由は以下のとおりです。

上記の他にも、体育館やグラウンドのある校舎を建築する場合は、広大な土地を見つける必要がありますが、関係法令を満たしたものを建築することができます。小規模のプリスクールであれば、一軒家で運営することも可能です。

物件情報収集、内見時のチェックポイント、法令遵守とその手続き等、ノウハウが重要なところです。

また、物件取得費を少しでも抑えるため、仲介手数料は交渉したいところです。そのためには、貸主(オーナー・家主)、元付業者(貸主側の不動産仲介業者)、客付業者(借主側の不動産仲介業者)、借主(テナント)の関係性を理解する必要があります。

関東で仲介手数料割引可能な不動産会社を紹介希望の場合は、ご相談ください。

関係法令

施設・設備に主に関わってくる法令としては、例えば以下のようなものがあります。

法律の内容を自前でチェックすれば解決するわけではなく、極端なことを言うと、設計士に確認しても全ては解決しません。実際に図面を関係窓口に提出し、事前相談を重ねて、確実に法令遵守するよう対応します。ただ、目ぼしい物件を探す上では、事前に上記法令の内容を把握しておいた方がとてもスムーズですので、専門家と協働するようにしましょう。

工事区分

物件を契約し、「いざ内装工事!」となっても、全ての工事を自分たちで行えるわけではありません。分電盤、防水防災設備、空調設備といった箇所は、B工事の区分となる場合が多いです。

A工事 B工事 C工事
工事会社の指定 オーナー オーナー テナント
工事会社への発注 オーナー テナント テナント
工事費用の負担 オーナー テナント テナント
主な対象範囲例
※対象範囲は物件により異なります
・施設の共用部
・エレベーター、共用トイレ
・共用通路
・標準的な設備
・分電盤
・給排水
・防水防災設備
・厨房給排気
・空調設備
・内装工事
・什器備品
・照明器具
・電話工事

引用元:A工事、B工事、C工事とは?工事区分についてわかりやすく解説|NACS

新築の建物の建設であれば、A工事に関わる機会がありますが、既存建物の賃貸であれば、A工事について耳にする機会はほとんどありません。基本はC工事ですが、前述の通り、一部B工事が存在します。このB工事がやっかいです。

賃貸借契約時にB工事の範囲を確認しておきましょう。C工事の単価よりもB工事の方が割高の場合が多いです。交渉によっては、B工事をC工事でやらせてもらえる場合もあります。

設計

レイアウトや設備は、日々、保育や教育をする上で非常に重要になります。特にプリスクールにおいては、保育士の意見を取り入れ、どのようなレイアウトであれば安全かつ効率的な運用が可能か、細かく確認する必要があります。

設備は後からでも設置可能なものがありますが、工事の際にあらかじめ考慮しておく必要があります。大きなモニター(電子黒板など)を設置する場合は、壁を作る際に壁を補強しておく必要がありますし、機器の場所を想定してコンセントも配置しておく必要があります。

そういった細かいポイントが無数に存在するのが設計なので、決して設計士に任せることなく、保育や教育のプロがしっかりと要望を出し、設計をまとめていきます。

基本計画・基本設計・実施設計

設計会社と設計に関する打ち合わせをする際に、基本計画・基本設計・実施設計の違いを理解していると、打ち合わせがスムーズです。規模や業者によっては、実施設計なしで基本設計図面のみ(基本設計ですら簡易的なもので可能な場合もあるかもしれません。ただし、関係窓口への事前確認で必要な図面は必須)で設計から工事を一社で受け入れるパターンもあるでしょう。

参考:基本計画・基本設計と実施設計の違いと流れ|費用や注意点も解説|株式会社秀建

設計会社・施工会社の選定

設計会社の選定ではコンペ方式やプロポーザル方式、施工会社の選定では入札方式(相見積もり)などがありますが、設計会社の選定においては、実際に図面を引いてもらったり物件の賃貸借契約をする前から、物件の内見・現場調査や関係機関への事前確認に協力してもらったりと二人三脚で取り組むこともあり、物件を長期で仮押さえをしてその間に設計会社に基本計画を提出してもらって選定するにも時間が足りない可能性があります。よって、実績やだいたいの費用感等の打ち合わせを重ねて、信頼できる設計会社を選定するか、または紹介された設計会社から選定するのが良いでしょう。

時間が足りないというのは、あくまで、物件の契約の前に設計会社を選定する場合です。契約前の内見や関係機関への事前確認は、経験のある方であればご自身で対応可能ですし(事前確認は施工工事前に改めて行います)、設計会社の選定をコンペ方式やプロポーザル方式でじっくり選ぶことも可能です。

自治体が行う案件ではないので、あくまで学校のオーナーが希望するやり方で選定を行えば良いと思います。形式上、「コンペ方式」や「プロポーザル方式」といった分類はありますが、要は気に入った提案または提案者を選定すれば良いのです。(あくまで)原則の説明として、コンペ方式とプロポーザル方式については以下を参考にしてください。

参考:設計者・施工者選定方法|高知の都市木造

一方で施工会社の選定は、入札方式(相見積もり)を軸に、信頼して施工を任せられるかを見極められると良いかと思います。設計会社に基本設計まで作成してもらった上で、相見積もりを依頼し、必要に応じて追加書類を依頼するのが良いかと思います。

ここまでは難しい面倒なプロセスの話をしましたが、そもそも、設計会社と施工会社を別々に依頼しない場合も多いです。

この場合、選定プロセスや工期の短縮が期待でき、施工時から施工後の問い合わせ窓口を一本化できる可能性もある等のメリットがあります。一方で、相見積もりを取っていないことで競争原理が働かず、料金は高くなる可能性もあります。初めての学校開設の場合は、施工以外にも取り組むべき案件がたくさんあるので、ご自身の時間や経験値も考慮して、選定の方針を決めるようにしましょう。また、上記の「普段施工をしてもらっていて信頼できる施工会社がある」設計会社の場合は、施工部分の相見積もりのプロセスをサポートしてもらえる場合があります。相見積もりで上がってきた見積書を設計会社と一緒に確認できれば安心です。

第8章 国際的な教育カリキュラム

プリスクールや小学校以降のカリキュラムを検討する上で、国際的な教育カリキュラム導入はぜひ検討したいところです。その際のポイントとして、以下のようなところがあげられます。

当校CGKインターナショナルスクールは、国際バカロレア(IB)PYPの認定校ですので、紹介する情報がIB中心になることをご承知の上、以下をご覧ください。

国際バカロレア(IB)

日本において、国際バカロレア(IB)スクールの推進を国(文部科学省)が主導して行っており、文部科学省IB教育推進コンソーシアムを作っています。推進活動の結果、国内の国際バカロレア(IB)認定校と候補校の合計は2024年6月30日時点で249校(プログラム単位で数えた校数のため、IB機構が公表している校数とは異なります)まで増えています。

参考:IB認定校・候補校|IB教育推進コンソーシアム

国際バカロレア(IB)とは

国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラム。
国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)は、1968年、チャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして、世界の複雑さを理解して、そのことに対処できる生徒を育成し、生徒に対し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身に付けさせるとともに、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保することを目的として設置されました。現在、認定校に対する共通カリキュラムの作成や、世界共通の国際バカロレア試験、国際バカロレア資格の授与等を実施しています。

引用元:IB(国際バカロレア)とは|IB教育推進コンソーシアム

IBの使命

「IBの使命」は以下のとおりであり、国際教育プログラムを推進し、発展させることの総体的な目的が示されています。

>「国際バカロレア(IB)は、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としています。

>この目的のため、IBは、学校や政府、国際機関と協力しながら、チャレンジに満ちた国際教育プログラムと厳格な評価の仕組みの開発に取り組んでいます。

>IBのプログラムは、世界各地で学ぶ児童生徒に、人がもつ違いを違いとして理解し、自分と異なる考えの人々にもそれぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人として、積極的に、そして共感する心をもって生涯にわたって学び続けるよう働きかけています。」

このようにIBプログラムでは、「国際的な視野」をより明確な言葉で定義づける試みと、実践を通じてその理想に近づこうとする努力を、IB認定校の使命の中心として位置づけています。

引用元:IB(国際バカロレア)とは|IB教育推進コンソーシアム

社会に出て必要なスキルや能力

国際バカロレア(IB)では、全人教育概念理解を重視しています。

知識やスキルだけに偏らず、人間性をより調和的、全面的に発達させるための全人教育が行われています。

伝統的な教育手法においては、知識の詰め込みや解法の記憶と反復練習が中心で、既存の試験制度においては高得点が取れますが、社会に出てから必要なスキルや能力は身についていませんでした。全人教育がその一助となるのはもちろんのこと、IBでは概念理解に重点を置いていることも見逃してはいけません。

IBによると、「概念とは『大きな考え』、すなわち、普遍的な原理や観念であり、特定の起源、主題、場所、時代に制約されることはありません。概念は、広範で抽象的かつ、時代を超越した普遍的な考えを表します」(IBO、2018年、PYP: From principles into practice. p.48、翻訳)

そして、IBで重視しているスキルは、思考スキルリサーチスキルコミュニケーションスキル社会性スキル自己管理スキルです。

知識の暗記そのものには意味はなく、概念を理解し、知識の応用や構造化できるスキルや能力が重要です。IBの試験やアセスメント(評価)においても、その考え方が重視されています。

参考記事

国内外の大学への道

国際バカロレア(IB)の最後の2年で取り組む、DP(Diploma Programme)を修了すると、海外大学への進学に非常に有利になります。内申点と卒業前の最終試験の合計点としてDPスコアが出ますが、世界中の様々な大学においてIBは評価が高いため、このスコアだけをもとに、海外の大学を合格することも珍しくありません。

参考記事:国別比較!IB生におすすめする海外留学先|Shiori Yoshida
参考動画:【国際バカロレア】卒業生がIB生におすすめする海外留学先4選 - YouTube


インターナショナルスクールは一般的にほとんどが非一条校ですが、通常だと、卒業しても日本の大学受験資格が得られません。ですが、国際バカロレア(IB)の最終DPスコアが一定の点数を超えればDiplomaを取得することができ、日本国内の大学の受験資格も得ることができます。

国際バカロレア(IB)のDP認定校を卒業することで、世界の様々な大学への選択肢が大きく広がるだけでなく、国内の大学においてもいわゆるIB枠の導入が増えていますし、AO推薦や推薦入試でもIBが評価されることが増えています。

国際バカロレア(IB)を活用した大学入試

文部科学省IB教育推進コンソーシアム「IBを活用した入試」にて、以下のように記されています。

国際バカロレア資格を有する者は、我が国の大学への入学資格が認められます。大学に入学するためには、大学入学志願者が個々の大学の入学者選抜を経ることとされており、当該選抜を経た者に入学が許可されることになっています。出願要件などは、大学ごとに多少異なりますが、国際バカロレア資格取得者等についても、多くの大学でAO入試や帰国子女特別選抜等の出願資格の一つとして募集要項に明記されており、所定の要件を満たす場合には、この制度により大学入試を受験することが可能です。その際、国際バカロレアのスコアとともに、必要に応じ、小論文、面接などを総合して選抜を行っている例が見られます。

また、教育再生実行会議第四次提言「高等学校教育と大学教育との接続・大学入学者選抜の在り方について」(平成25年10月)においては、「大学は、入学者選抜において国際バカロレア資格及びその成績の積極的な活用を図る。国は、そのために必要な支援を行うとともに、各大学の判断による活用を促進する。」とされています。こうした動きも受けて、近年、我が国の大学において国際バカロレアのスコア等を活用した入学者選抜を積極的に導入又は更に拡大する動きが広がっています。

国際バカロレア資格は、国際的に通用する大学入学資格として、国ごとに具体的な取扱いは異なるものの、世界の多くの国々の大学において、大学入学資格として幅広く受け入れられています。

なお、海外の大学においては、例えば国際バカロレアの上級レベル科目(HL)において一定の得点を取得した生徒に対して、当該科目に相当する一部科目について、入学後の履修免除(単位認定)等の特典を付与するケースも多く見られます。

引用元:文部科学省IB教育推進コンソーシアム「IBを活用した入試」


2024年1月時点での、国際バカロレア(IB)を活用した大学入学者選抜例一覧を以下にリストアップしますが、東京大学、京都大学、慶應義塾大学、早稲田大学といった名だたる大学も含まれており、その数は年々増えています。

  • [北海道] 北海道大学(国立)
  • [宮城県] 東北大学(国立)
  • [青森県] 東北福祉大学(私立)
  • [秋田県] 秋田大学(国立)、国際教養大学(公立)
  • [福島県] 会津大学(公立)
  • [茨城県] 筑波大学(国立)
  • [栃木県] 国際医療福祉大学(私立)
  • [群馬県] 群馬大学(国立)
  • [埼玉県] 浦和大学(私立)、東京国際大学(私立)
  • [千葉県] 明海大学(私立)、開智国際大学(私立)
  • [東京都] 青山学院大学(私立)、お茶の水女子大学(国立)、慶應義塾大学(私立)、工学院大学(私立)、国際基督教大学(私立)、芝浦工業大学(私立)、順天堂大学(私立)、上智大学(私立)、多摩美術大学(私立)、中央大学(私立)、東京医科歯科大学(国立)、東京外国語大学(国立)、東京学芸大学(国立)、東京藝術大学(国立)、東京大学(国立)、東京都市大学(私立)、東京都立大学(公立)、東京理科大学(私立)、東洋大学(私立)、日本獣医生命科学大学(私立)、日本体育大学(私立)、ビジネス・ブレークスルー大学(私立)、武蔵野大学(私立)、明治学院大学(私立)、明治大学(私立)、立教大学(私立)、早稲田大学(私立)
  • [神奈川県] 横浜市立大学(公立)
  • [石川県] 金沢大学(国立)
  • [山梨県] 都留文科大学(公立)
  • [愛知県] 愛知医科大学(私立)、名古屋大学(国立)、名古屋商科大学(私立)、豊田工業大学(私立)
  • [京都府] 京都外国語大学(私立)、京都工芸繊維大学(国立)、京都大学(国立)、同志社大学(私立)、立命館大学(私立)
  • [大阪府] 大阪公立大学(公立)、大阪大学(国立)、関西医科大学(私立)、関西大学(私立)、近畿大学(私立)
  • [兵庫県] 関西学院大学(私立)、神戸女学院大学(私立)
  • [岡山県] 岡山大学(国立)
  • [広島県] 叡啓大学(公立)、広島修道大学(私立)、広島大学(国立)
  • [香川県] 香川大学(国立)
  • [高知県] 高知大学(国立)
  • [福岡県] 九州工業大学(国立)、西南学院大学(私立)、福岡工業大学(私立)
  • [長崎県] 長崎大学(国立)
  • [大分県] 立命館アジア太平洋大学(私立)
  • [鹿児島県] 鹿児島大学(国立)
  • [沖縄県] 琉球大学(国立)

引用元:文部科学省IB教育推進コンソーシアム「IBを活用した入試」

IBワークショップ

ワークショップ(WS)とは、国際バカロレアにおける教員研修のことであり、WSのセッションに参加すると、研修参加認定証が授与されます。WSの形式はオンライン、対面、グループセッションといった形式があります。WSは研修レベルにより、3つのカテゴリーに分けられ、IBに対する理解度向上と認定プロセスに合わせて、必要なWSを受講していく必要があります。

IB候補校申請前には、まず校長等の学校管理者は、必ずIBカテゴリー1ワークショップに参加し、IBプログラムと認定プロセスを理解することが求められます。その後、認定を決める確認訪問の前には、学校の教員とIBコーディネーターになる者も必要なワークショップを受講する必要があります。

引用元:文部科学省IB教育推進コンソーシアム「IBワークショップ(WS)」


このように、ワークショップを受講することでIBの理解を深められる機会が提供されています。

また、IB校はIB校同士の繋がりが深く、コーディネーター同士が定期的に交流するだけでなく、お互いのスクールを訪問して非公式のワークショップを開催したり、情報交換をしたり等、共に成長できる環境があります。

IBの諸費用

諸費用は下記ページにまとめられています。
学校の規模によって費用が変わるわけではないので、小さな学校ほど、IBの費用は負担が大きくなります。

参考:Fees for candidate schools - International Baccalaureate ※候補校
参考:Fees for authorized schools - International Baccalaureate ※認定校

国際バカロレア(IB)とケンブリッジとの比較

詳細は後日更新予定

注意点

国際バカロレア(IB)について、誤った知識をYouTube等で広めている方もいらっしゃいます。IBについて疑問に思うことがあれば、ぜひご相談ください。

第9章 生徒の集客

教育事業に「集客」「お金」というイメージはそぐわないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、国や自治体からの支援が得られない形態で、株式会社としてインターナショナルスクールを運営される方にとっては、「生徒の集客」についてはシビアに考えていかなければなりません。

第6章 理想の学校作り」にて解説した通り、学校として成長するためにも、コミュニティに属する方々の協力を得ながら、良い循環を生む必要があります。どの一つが欠けてもダメなのですが、素晴らしいスタッフが素晴らしいサービスを提供する。そのために、設備投資や人的投資を十分に行うことが必要で、保育料・授業料の料金設定や生徒の集客ということは当然関わってきます。

スクール事業は社会的事業ですが、長期にわたって継続して経営し、そこに通う子供たちと保護者の方々、そしてそこで働く教職員が、安心して過ごす環境を提供するためにも、利益をあげることに大事に取り組んでいきます。

流入から入学までの3つのプロセス

入学に至るまでの工程として、主に以下の3つのプロセスを理解し、それぞれに対する効果的な施策を行うことが必要です。
※以下のSNSには、YouTubeも含んでいます。

  1. ホームページ・SNS・公式LINE等への流入
    • 主な流入経路
      • 自然検索(検索サイト)
      • 広告
        • Google広告
        • SNS広告
      • SNS検索
      • チラシのポスティング
      • スクールバス
      • 口コミ
  2. コンバージョン:問い合わせ(説明会・見学の申し込み)
    • 問い合わせへの主な動機づけ
      • ホームページでの情報収集
      • SNSでの情報収集
      • 公式LINEでの情報収集
      • 口コミ
  3. 入学申し込み
    • 入学を決心させる要素
      • 説明会・見学

このように、一般的には・・・
HPやSNSに訪問する → HPやSNSでスクールに興味をもって説明会・見学に申し込む → 説明会・見学で気に入って入学申込み
という1→2→3の流れです。ですが、対策の順番はむしろ逆になります(または同時進行)。

なぜなら、いくらHPのSEO対策や広告に予算をかけて、HPやSNSへの訪問者(流入者)を増やしても、HPやSNSの内容が魅力的でなければ説明会や見学の申込みには繋がらないですし、いくらHPやSNSの内容が良くても、説明会や見学で気に入ってもらえなければ、入学とはならないからです。

それぞれの対策は非常に多岐にわたり、数十ページにも及びそうなのでここでは書きませんが、実際に、当校CGKインターナショナルスクールでは、実に様々な対策を行い、現在も継続して取り組んでいます。オンライン・オフライン、その対策方法は数え上げればきりがありませんが、保育・教育事業における独特の事情もあり、そのノウハウはかなり貴重です。

当校において近年、力を入れているのが、LINE公式アカウント(公式LINE)です。後述しますが、LINEマーケティングで実現できる課題解決は非常に多岐にわたっており、保育・教育事業においては、必ず導入をしてほしいものです。

ぜひご相談ください。

第10章 教職員採用

良いスクール作りの基本の一つは、素晴らしい教職員を採用し、彼ら・彼女らがいきいきと働ける環境を整えてあげることです。そういった意味では、就労環境の整備に力を入れるのは当然のこと、教職員採用にはとにかく力を入れます

採用で大事にすべきポイントは何でしょうか。これも細かくあげれば色々あります。大まかなポイントだけでもたくさんあります。その中でも忘れてはいけないのが、チームで共に働く優れたチームプレイヤーかどうか、そして人格者であるかどうかです。保育や教育に正解は無いと言いますが、共通で大事にすべき正解のようなポイントはいろいろな点であると思っています。

思いやりを持って、生徒一人ひとりを個人として尊重しリスペクトする。そんな課程で生まれる保育や教育方針は、概ね共通しています。保育方針や教育方針を確認し、思いやりを持った人格者であるか、そこにスキルが伴っていれば、共にチームとして一緒の方向を向いて日々の保育・教育に取り組むことが出来ますし、スクールの発展に繋がります。人格者には大事にすべき軸があり、ぶれることがありません。

そんなチームができ、「この人達のためにも自分も頑張ろう」とオーナーや管理者も思えることが理想です。

参考:採用・求人情報|CGKインターナショナルスクール

求人サイト

実に様々な求人サイトが存在しています。掲載料が発生するサイトもあれば、掲載料は無料で採用時に年収の約30%(日本のサイトの場合)を成果報酬として支払うサイトもあります。

成果報酬の場合、100万円以上の紹介料が発生するため、いかに費用を抑えて、良いスタッフを採用するかが大事です。

外国人の採用

意外と思われるかもしれませんが、外国人の採用の方が難易度は低いです。日本国内だけでも都市部であればかなりの候補がいますが、海外在住の方も含めれば、さらに候補がいます。ですので、候補自体はすぐに見つけられるでしょう。

開校当初に利用をおすすめする求人サイトはほぼ一択です。費用も比較的安価です。

一方で、特定の資格(国際バカロレア(IB)等)を持った先生ということだとハードルが上がってきます。候補者が減るということもありますが、例えばIB経験者ですと、急に給与等の条件が高くなります。求人サイトによって、候補者のレベルも変わります。

また、国際教育認定機関の認定を受けるために、採用過程で犯罪歴チェックや推薦状チェックなどを求められる可能性もあります。そういった対応も可能な求人サイトに切り替える等、学校の成長のフェーズに応じて、使用する求人サイトは変える必要があります

日本人の採用

日本人保育士の採用はハードルが高いです。保育士はいるけれども、英語力もある人は少ないのが現状です。それでも、開校時のオープニングスタッフとして働きたいという方は多いですし、十分に採用は可能です。保育と英語の両方のスキルを持っている求職者には、その能力にリスペクトを示し、高い給与を支払うようにしてください。出来ることであれば、社会の相場に合わせるのではなく、そのスキルや責任性を評価して報いてあげたいと思います。

同様に、小学校以降の国語教師も、IB経験を必須とするとハードルが高くなります。しっかりと、給与等の条件も検討し、募集するようにしましょう。

募集する求人サイトはおすすめのところがいくつか決まっています。ここでもやはり求人コストを抑えたいため、無料サイトや掲載料を支払うサイトが中心になりますが、成果報酬型のサイトでも比較的安価なサイトがあります。

安定した雇用は、保育・教育事業にとって非常に重要なため、当校CGKインターナショナルスクールでも対策をしており、自社で、「School Job」というインターナショナルスクール専門の求人サイトを運営しています。成果報酬料をかなり低く設定しているのと、当校のコンサルサービスをご利用頂いている方には、さらに割引をしています。

職場環境

教職員がやりがいを持って、長く働いてくれるような職場づくりが重要です。教職員の入れ替わりが多いと、採用コストがかかりますし、保護者から不信感を持たれたり、何よりも、子供たちにもネガティブな影響があるかもしれません。

教職員のために職場環境を良くすることは、何も綺麗事だけを言っているわけではなく、回り回って学校の利益につながることも理由です。短期的にすぐに利益にはつながらないかもしれませんし、職場環境改善への投資はすぐには出来ないかもしれませんが、学校に利益が出た頃には、積極的に環境整備に取り組んでいきましょう。

職場環境を改善するための取り組み例を紹介します。

教職員を大切に

「人を大切にする」ということは、私達が大事にしていきたい、基本の方針であり、私達の誓いです。

インターナショナルスクールは、子供たちにとって、そして先生たちにとっても、必ずしも最適な環境が提供されているとは言えないスクールもあります。絶対数が一般の日本のスクールよりも少ないため、良質の環境を提供するインターナショナルスクールは自ずと少なくなりますが、インターナショナルスクールでは通常のスクールとは異なるものがプラスアルファで求められ、そしてまた、絶対数の少ない多国籍の先生を集めて運営をしていくため、環境も人も多様であればあるほど、みながまとまって同じ方向を向き、高い質を維持することの難しさもあります。

そんな難しさを言い訳に諦めるのではなく、当校CGKインターナショナルスクールでは、CGKに関わる誰もが幸せで充実した人生を送ることができるよう、妥協をせずに改善を続けています。生徒や保護者だけでなく、まさにスクールの土台を支える、教職員一人ひとりの充実したワークライフを提供できないことには、良いスクール運営は成立しないという確信があります。

教育者や保育者に求められる役割・責任・スキルは非常に多岐にわたるため、日本における、教育者・保育者の評価はもっと高くあるべきだという強い想いがあり、長時間労働や低賃金といった問題に対して、真摯に向き合い、改善を続けていきます。

向上心を持った職員たちが、心に余裕を持って前向きに生き生きと働けるような環境をつくり、子供たちと笑顔で向き合える時間を大事に、これからも成長していきます。

第11章 LINE公式アカウント

第9章 生徒の集客」でもご紹介しましたが、当校CGKインターナショナルスクールでは、LINE公式アカウントの導入がマーケティングにおける大きな転機でした。それだけ、LINE公式アカウントは、特に保育・教育事業ではベストツールの一つだと感じていますし、それまでの課題を一気に解決できるような、素晴らしい可能性を秘めています。基本機能だけしか使用しないのは非常にもったいなく、機能の構築にはかなり手間と知識が必要になりますが、導入を強くお勧めしています。

LINE公式アカウント導入前の課題

これら全てを解決してくれたのが、LINE公式アカウントと、Lステップでした。

Lステップの導入

Lステップとは、LINE公式アカウント専用のマーケティング・オートメーション・ツールです。マーケティング活動を効率化・自動化するためのツールですが、LINE公式アカウントの機能を大幅にグレードアップしてくれるツールです。

機能が非常に充実しており、設定も非常に細かくできるため、Lステップの導入で実に多くのことが出来るようになります。

LINE公式アカウントとLステップの違いや、Lステップの機能の概要については、以下の記事を御覧ください。

参考記事:【公式】Lステップとは?機能やメリット、料金・導入事例を解説|Lステップ公式ブログ

LINE公式アカウント(Lステップ)の活用例

次章では、インターナショナルスクール経営コンサルのご提案をさせて頂いておりますが、LINE公式アカウント単体でのコンサルも受け付けています。教育分野に限らず、あらゆる分野に対応します。

LINE公式アカウント(Lステップ)の活用例、ナーチャリング等、詳細については、後日、資料作成予定

LINE初回登録を促す施策案

第12章 コンサルのご提案

インターナショナルスクール事業は、簡単でないからこそ、常に真摯に妥協することなく走り続けてきました。経営者として、教育者として、子供たちを預かる責任に対する意識は、年々強くなっています。日々スクールに関わるあらゆるステークホルダー、つまり、生徒・保護者・教職員・地域住民などがみんな幸せであるために、スクールのコミュニティ作りにおいても常に努力を続けています。

開校して10年足らずでも、そうやって蓄積してきたノウハウは、実に膨大です。

このマニュアルを執筆するにあたり、ずっと考えていたこととして、「こんなに膨大な情報を無料で公開して良いのだろうか?」ということでしたが、一方で、この情報だけではインターナショナルスクールの運営はできず、あくまで、全体像をイメージするための情報に過ぎません。保育や教育の世界は、イレギュラーケースがとてつもなく多く、とても資料には掲載しきれません。基本のところだけでも掲載出来ればと思いましたが、正直キリがなく、力尽きた感があります。

この資料にはあえて詳しく書きませんでしたが、本来は、「第7章 施設・設備・法制度」「第8章 国際的な教育カリキュラム」「第9章 生徒の集客」「第10章 教職員採用」「第11章 LINE公式アカウント」はこんな分量で収まるような話ではなく、とてつもなく膨大なノウハウがあります。同様に「第5章 開校準備計画」のところはかなりの分量を割きましたが、全くもって書き足りません。「第6章 理想の学校づくり」に関しては、一般に公開できないような苦労話もたくさんあり、学校経営においては、実はここの情報共有が非常に重要だったりします。

ここまでお読みになられた方(ありがとうございます!)はお分かりになると思いますが、インターナショナルスクール経営は、非常に多岐にわたるエリアをカバーしています(しなければなりません)。そして、グローバル教育そのものにおいて、無限に世界が広がっています。インターナショナルスクール経営は、本当に濃密でやりがいの感じる時間を送ることができます。

結局、文字にまとまった無機質な情報をインターネットから入手するよりも、実際に開校するため、そして開校してからも必要なサポートを継続的に受けられることが何よりも重要です。この資料はあくまで、基本的な知識や事前の心構えに必要な程度の情報を共有したに過ぎません。

当校CGKインターナショナルスクールとしては、利益のためだけにコンサルティングを行うのではなく、生涯ともに伴走・並走できるパートナーを増やしていきたいと考えています。そのため、このコンサルティングの提案の中には、提携のご提案も含んでいます。例えば、以下のような内容です。

CGKとの提携

コンサルティング内容の一例

コンサルティングの提案の中には、以下のようなサポートが含まれています。

生涯ともに伴走・並走できるパートナーを増やしていきたい信念のもと、できるサポートは惜しみなく提供させて頂くスタイルでいきますので、上記に限らず、可能な限り対応させて頂きます。

コンサル会社の比較

当校のコンサルと別会社のコンサルを比較いただいている記事がございましたので、紹介させていただきます。

お問い合わせ・無料相談

これからインターナショナルスクールの開業に興味のある方、すでにインターナショナルスクールを経営しており、経営改善にご興味のある方は、ぜひ一度ご連絡ください。初回は無料で相談を承っておりますし、契約に至らない場合でも、情報交換や協業の可能性も探れると有意義なお話し合いになるかと思います。

もしお問い合わせを希望されない方は、この資料をSNS等でシェアして頂けますと、大変励みになります。

お問い合わせはぜひ、当校のLINE公式アカウントからどうぞ。

※下の問い合わせフォームからも受け付けています。

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