CGKにおける生徒主導の探究
生徒主導の探究については多くの情報がありますが、実際の教室内でのクラスはどのようなものでしょうか。先生が作る授業に従うのではなく、生徒が学習の方向性を導くとはどういうことでしょうか。
以下は、CGKでどのように生徒主導の学習が行われているかの一例です。これは、IBの「Who We Are(私たちは誰なのか)」の単元での実際の1年生の授業からのものです。
この探究の中心的アイデアは、「私たちの身体は、互いに依存し合うさまざまなシステムの集合体である」というものでした。この単元を通して、生徒たちは骨格系、筋肉系、神経系、呼吸器系、循環器系という身体の5つの異なるシステムについて学びました。ですが、呼吸器系について学習していたとき、ある生徒が次のような質問をしました。
「僕のおじいちゃんは肺がんだったんだけど、癌って何?」
これは非常に深い質問であり、クラスの新たな探究の糸口を開いてくれました。生徒主導の学習では、先生は生徒と、生徒が抱く疑問や質問に従います。
そこで次の授業では、癌について学びました。しかし、ここでまた新たな疑問が生まれました。
「癌とは何かを理解するためには、何を理解する必要があるのか?」
まず、身体が細胞でできていることを理解する必要がありました。また、細胞が増殖することも理解する必要があります。そうして初めて、細胞が正しく増殖しない、つまりミスコピーすることによって癌が引き起こされることが理解できます。これが腫瘍として知られる増殖を生み出し、この腫瘍が癌です。
そこでクラスでは、喫煙、不健康な食事、飲酒、日焼けのし過ぎなど、癌の原因となる行動を調査することになりました。生徒たちはより健康的な代替案を考え、自分たちの知識を示すポスターを作成しました。
生徒主導の授業では、生徒の質問が探究の流れを決めます。癌に関する生徒の特別な探究心に従うことで、生徒たちは深い授業に参加し、自分の体をより大切にする方法を学びました。
こちらは、CGK初等部1年生のクラスでの授業内容を示す資料ですので、ぜひご覧ください!
著者プロフィール
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Martin - 初等部・担任教師 (オーストラリア)
CGKインターナショナルスクール初等部・担任教師。オーストラリア出身。
クイーンズランド工科大学(オーストラリア)卒業。国際的な賞を受賞した映画製作者、テレビ作家、小説家、脚本家であり、バンドMamonakuのギターボーカル。