保護者向けのIB学習者像とは

私(Ms. Darby)が教師になってよかったと思うことの一つに、私たちが常に学び続けていることがあります。それは同時に、私たちの仕事を難しくもします。なぜなら、学ぶことに終わりはないからです。
「IBの学習者像(The IB Learner Profile)」については、当校の生徒に向けて、そしてスタッフに向けても話してきました。私たちが取り組まなければならないことの一つは、保護者の皆さんもどのように学習者像の模範となれるかということです。それは、お子様の発達の模範となり、成長するCGKコミュニティに貢献する助けになります。

IBの学習者像は、学習者が「振り返りが出来る人(Reflective)」「考える人(Thinkers)」「挑戦する人(Risk-takers)」「探究する人(Inquirers)」「バランスのとれた人(Balanced)」「思いやりのある人(Caring)」「心を開く人(Open-minded)」「知識のある人(Knowledgeable)」「コミュニケーションができる人(Communicators)」「信念を持つ人(Principled)」を身につけるための10の属性で構成されています。
CGKのカリキュラムの一部では、計画的な学習経験や自発的な学習経験を通じて、生徒がこれらの属性を身につけるよう意図的に支援しています。このアプローチに沿い、当校のコミュニティーの全メンバーの生涯学習を育成することを約束し、保護者の皆さんにとって鍵となる属性に焦点を当て、CGKとお子様をサポートするためにこれらの特性をどのように活用できるかに焦点を当てたいと思います。

学習者像のすべての特性は役に立ちますが、保護者の皆さんにとって特に重要な特性は、「コミュニケーションができる人」「挑戦する人」「バランスのとれた人」「探究する人」「心を開く人」であることです。

コミュニケーションができる人(Communicators)

親として、保護者の皆さんは当然、学校で起こっていることに疑問を持ち、時には心配になることでしょう。これは決して悪いことではありません。保護者の皆さんの最も重要な仕事は、お子様の健康、安全、幸福を擁護することです。保護者の皆さんが私たちにお子様を託す際、私たちは人の成長にとって、関係性と学校時代の過ごし方がいかに重要であるかを理解しています。私たちは皆、子供／生徒にとって最善のことを望んでいますが、それが何であるか、あるいは学校(または家庭)で何が起こっているかについては、時として見解が異なることがあります。
現実には、子供たちもまた私たちを惑わすことがあります。それは、ある一定の年齢になると意図的に、あるいは単に子供たち自身が混乱することで起こります。従って、保護者の方々ができる最も重要なことの一つは、何か疑問に思うこと、心配なこと、不満なことがあれば、学校に問い合わせることです。逆にあまり効果が無く、避けていただきたいのは、お子様の話だけ聞くこと(誤った情報を助長する可能性があるため)、そして、他の保護者に話すこと(誤った情報を広める可能性があるため)です。。もちろん、私たちも保護者の方同士が関係を築き、お子様について話し合えることを望んでいますが、保護者の皆さんが動揺し、学校ではなく保護者の方同士で話し合うことで、誤解が生じたり、信頼関係が崩れたりすることは避けられません。上手にコミュニケーションができる人(Communicators)であるために、保護者の皆さんにはご質問やご不明な点がありましたら、いつでも学校までご連絡いただくようお願いします。アプリを通してお子様の担任の先生にメッセージを送ったり、オフィスに電話したり、PTC(保護者面談)を予約したりすることができます。また、当校としても、保護者様とCGKのコミュニティ間のコミュニケーションをより良いものにしていけるよう努めます。

挑戦する人(Risk-takers)

挑戦する人になるというのは、人によっては難しいことかもしれません。これは、危険なことをしたり、健康や成長、安全に悪影響を及ぼすような選択をしたりすることを意味するのではありません。これは、新しい挑戦をすること、そして最終的な結果が見えなくても、その過程を信頼することを意味します。CGKは国際バカロレア(IB) PYP候補校であり、日本では一般的でないミッションを掲げて設立された学校であるため、CGKのすべてのご家族がこの特徴をある程度体現しています。
私たちが保護者の皆さんに挑戦する人であることをお願いする主な方法は、保護者の皆さんがご自身で経験され、慣れ親しんでこられた教育方法とは異なるかもしれない、私たちの教育方法を信頼し続けることです。私たちは常に最善の教育方法に従うよう努力しており、これはCGKでの学習を向上させるために常にリスクを取ることを意味します。保護者の皆さんにおかれましては、この過程と優秀な教師陣を信頼し、挑戦する人(Risk-takers)であり続けることをお願いいたします。

バランスのとれた人(Balanced)

子供のアカデミックな成長だけでなく、人間的な成長、社会的スキル、身体的な健康に焦点を当てることはとても重要です。
子供のために最善を尽くし、将来のアカデミックやキャリアでの成功を計画する手助けをしようとすると、子供が優秀であるように、アカデミックの面でプッシュする必要があると考えがちです。
しかし、休息、睡眠、遊び、友人や家族とのつながりを持つ時間を確保することも同様に重要です。そこで、バランス感覚を養うことが重要になってきます。
保護者の皆さんは、お子様の質の良い睡眠、健康的な食事、遊びの時間、時に退屈な時間を確保してあげることで、そのバランス感覚を身につける手助けをすることができます。また、アカデミック面での成功に焦点を当てるだけでなく、他の分野でお子様の興味を引き、一緒に遊び、学校とは関係のない外出をすることで、保護者の皆さん自身もバランスが取れていることを示すことができます。バランス感覚を身につけることは、子どもたちを幸せにするだけでなく、脳を休ませ、若返らせることで、学習にも役立つのです。

探究する人(Inquirers)

子供は質問をするのが大好きです。そのおかげで、私たち教師の仕事や保護者様はとても楽しいと感じながらも疲れるものですよね！
しかし、大人が質問し、新しい情報を求め続けることも大切です。CGKでは、新しいことや新しいアプローチを試しています。先生以外の人たちにとって、そのすべてがとても明瞭であったり、理解できるわけではないでしょう。
ですが、保護者の皆さんには、私たちが何をしているのか、なぜそうするのかを理解していただきたいのです。そのためには、保護者の皆さんが探究する人(Inquires)になる必要があります。わからないこと、不安なことがあれば、質問してください！IB説明会に参加する、担任の先生にメッセージを送る、オンラインでIBについて調べるなどは、探究する人ができることです。
私たちは何も秘密にしようとしているわけではありませんが、聞かれない質問に答えるのは難しいのです。私たちは、皆さんが混乱していることを私たちに知らせるまで、すべてが明確に伝わっていると思っているかもしれません。そして、すでにお聞きになったと思いますが、IBの先生方は質問が大好きです！それは保護者からの質問も含みます！

心を開く人(Open-minded)

私たちは、おそらく皆さんが予想するものとは違うことをやっているだろうと考えています。教科書を使わず、大量のワークシートもなく、何時間もかかる宿題を出さずに教えることは、大したことをしていないように見えるかもしれません。
IBの枠組みは探究と比較的新しい理解に基づいており、子どもたちは過去に得た理解や新しい経験をいかして、自分自身の知識を創造しているのです。これは構成主義(Constructivism)と呼ばれ、私たちの多くが慣れ親しんでいる教育や学習とは異なるアプローチを求めています。
また、当校は国際色豊かな学校であり、文化、宗教、人生観の異なる世界各国からのご家族を歓迎しています。そのため、保護者の皆さんには、新しいアプローチや考え方に対して心を開く人(Open-minded)である必要があります。それは、自分の主義や大切なものを捨てるという意味ではありません。他にも正しい方法があるのかもしれないと理解する必要があるということです。

私たちはCGKコミュニティのメンバーである、生徒、先生、ご家族の皆さんに感謝しています。私たちは皆、生涯学習者です。皆さんと一緒に、最高の学校コミュニティーを創りあげていけたら嬉しいです。学習者像の特徴を身につけることは、その目標への重要な一歩です！