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幼児英語教育はやるべきか?6つのメリットと4つのデメリット(2022年版)

コラム

横浜で3歳からのインターナショナルスクール、CGKインターナショナルスクールを経営している、理事長の甲斐です。

当校のプリスクール(英語保育園)においても、多くの保護者の方とお話する機会がありますが、「子どもの時から英語を教える(学ぶ)」ことについては、その方法や必要性など、よく分からないという方も実は多くいらっしゃいます。多くの方、特に日本人の方にとっては、英語は中学生になってから触れるものであり、それも学校での「教科学習」における英語です。幼児期における英語習得は、中学生や大人になってからの手法とは似て非なるものであるだけでなく、そもそも、日本における中学校(または小学校)からの英語教育では、英語の習得が充分になされていないのが現状です。

幼児英語教育が子供にもたらす影響、英語を習得する意義、諸外国での英語学習の現状など、様々な観点から英語学習を見つめないと、e幼児英語教育の必要性とその習得法についての答えは見えてきません。
実際のところ、幼児英語教育は必要なのでしょうか?

今回は、英語習得の手法よりも、幼児英語教育の必要性について焦点をあて、賛否両論それぞれの意見をまとめ、メリットだけを見るのではなく、デメリットも理解し、子どもにとっての幼児英語教育というものを考えていきます。

小学校以降のインターナショナルスクールについては以下

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Contents

日本の英語教育の現状は?

幼児英語教育のメリットやデメリットを見ていく前に、まずは日本の英語教育について見ていきます。

昔から今も変わらず、英会話スクールは習い事の人気上位に君臨し続けていますし、英語の書籍も昔からよく売れていますが、英語教育の現状はどうでしょうか。

 

データで見る日本人の英語力

「先進国の中で日本人の英語力は低い」ということがよく言われていますが、実際のところを各英語試験(TOEICとTOEFL)の成績で比較し、見ていきましょう。

TOEIC - 32ヶ国中27位 (2020年)

TOEIC Listening & Reading Test 国別平均スコア(2020年)

参照元:2020 Report on Test Takers Worldwide : TOEIC Listening & Reading Test
2020年 TOEIC Listening & Reading Test 世界の受験者スコアとアンケート結果を発表いたします

 

非常に順位が低いということがわかります。英語学習に取り組んでいる日本人自体は多く、これらの試験に向けて対策をして受験している日本人も多いはずなのに、驚きの結果ではないでしょうか。
ですがこれは、受験者の結果を比較したもの。全国民、または全国民から無作為に選んで受験した人の結果ではないので、各国の受験者数や受験者特性など様々な違いがあるため、各国の英語力をはかる指標として、このデータを使ってよいものかは、正直疑問の残るところです。

TOEFL iBT - 掲載自粛

そして、TOEFL iBTの国別英語力ランキングでも非常に下位ですので、掲載しようと思いましたが、TOEFLの運営元であるETSのウェブサイトには以下のことが書かれています。

*本データを扱う上で下記の点にご注意ください。
TOEFL®テストスコアデータサマリーに掲載されている平均スコア(Table15、Table16)は受験者個人が、自分と同じ母語・同じ出身国の他の受験者との比較をするためにご利用いただくものです。TOEFL®テストスコアを元に国別のランキングを作ることはデータの誤った使用であり、テストを作成しているETSはそれを認めていません。

引用元:リソース|TOEFLテストライブラリー|TOEFLテスト日本事務局-団体・教職員向け

先程も書きましたが、やはり、国別の平均スコア比較をもって、国別の英語力の比較を行うということは適切ではないです。

ここではあくまで参考として、リンクの紹介のみにとどめようと思います。

参考リンク

 

英語教育業界の状況

ここでは、矢野経済研究所による語学ビジネス市場に関する調査結果(2014年度から2021年度の市場に関する調査)とTOEICの受講者数の増減を元に、英語教育業界と日本人の英語熱の高まりについて見ていきましょう。

参考:
語学ビジネス市場に関する調査結果 2022(2021年度) 語学ビジネス市場に関する調査結果 2021(2020年度)
語学ビジネス市場に関する調査結果 2020(2019年度) 語学ビジネス市場に関する調査結果 2019(2018年度)
語学ビジネス市場に関する調査結果 2018(2017年度) 語学ビジネス市場に関する調査結果 2017(2016年度)
語学ビジネス市場に関する調査結果 2016(2015年度) 語学ビジネス市場に関する調査結果 2015(2014年度)
TOEIC Listening & Reading Test 受験者数の推移 TOEIC Speaking & Writing Tests 受験者数の推移
 

プリスクール市場、オンライン語学学習、幼児向け英会話教材市場が好調。ソフトウェア市場、通信教育市場、電子辞書市場がいずれも大幅に減少

2013年度から2021年度にかけての推移を数字で見ていきましょう。
(単位:億円)

拡大した主な成長市場分野は、

  • おもにオンライン英会話やアプリ学習の「オンライン語学学習市場」(65→75→80→90→110→125→160→225→245億円)
  • 富裕層から他の層への広まりが進む幼児英語教育「プリスクール市場」(298→310→340→360→370→395→425→400→400億円)
  • これも早期英語教育関連の「幼児向け英会話教材市場」(270→290→290→307→335→356→362→378→378億円)
  • 少ない頻度で外国人の英語講師が訪問する「幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場」(31→34→35→36→38→39→41→42→42億円)

いずれも非常に堅調に成長しており、英語教育業界はまだまだ成熟しそうにありません。


ちなみに、周辺ビジネスの「語学試験市場」「留学斡旋市場」「通訳・翻訳ビジネス市場」も堅調に拡大していましたが、コロナの影響を受けて一時的に縮小している例もあります。


後の縮小分野でもお伝えしますが、「幼児・子ども向け外国語教室市場」(0歳~中学生)が新型コロナウイルスの影響を大きく受けた一方、0歳~就学前の「プリスクール事業」はある程度の影響は受けたものの、大きな影響を受けず、コロナ禍でもほぼ横ばいの数字となっており、これからまた顕著な成長が見られると思います。

2018年度以降、「幼児・子ども向け外国語教室市場」が大きく縮小しており、プリスクールと相反する傾向を見せているのは、少頻度・短時間での効果に懐疑的になっているからでしょうか。そういった点では、高頻度でマンツーマンでも受講が出来る「オンライン語学学習市場」や、高頻度・長時間で通う「プリスクール市場」が成長しているのは納得です。「オンライン語学学習」はコスパが良く、また、「プリスクール」はコストは高いものの、日本にいながらにして幼児英語教育において最も効果が期待できるツール・環境かと思います。保育のニーズにも合致し、また、2019年10月から始まった幼児教育・保育の無償化によって、コストの面でも毎月37,000円の支給(基本的には3歳児から。認可外保育所で共働き家庭等の場合。プリスクールはほとんど認可外保育所)がある影響も考えられます。


一方で、市場規模が縮小した主な分野は、

  • 早期英語教育の一部である「幼児・子ども向け外国語教室市場(プリスクール除く)」(952→990→1010→1030→1035→1035→1005→950→900億円)
  • スマホアプリへの移行が進み利用者減少の「電子辞書市場」(540→532→512→513→485→530→510→385→365億円)
  • 紙媒体を利用して添削を行う「通信教育市場」(240→220→220→200→197→194→191→192→174億円)
  • パソコン・ゲーム機向け語学学習「ソフトウェア市場」(29→27→27→25→24→21→17→13→11億円)

となります。スマホの普及に影響を受けたものが多いと思われます。

 

「プリスクール」とは?

ちなみにこの中で出てくる「プリスクール」というのは、英語だと、、

preschool

a school for children between the ages of about two and five

Oxford Advanced Learner's Dictionary

ということで、およそ2歳頃から5歳までの学校(Wikipediaでは3歳から5歳となっています)。つまり、ただの保育園や幼稚園(国によって定義が変わってくることがあるので、詳細は割愛します。詳しくはPreschool - Wikipediaへ)のことですが、日本でプリスクールというと、主に英語で預かる幼稚園または保育園のことを指します。


当校「CGKインターナショナルスクール」もこのプリスクールに分類されます。

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2015年度TOEIC Listening & Reading Test受験者数は過去最高更新


TOEIC L&R TEST
TOEIC S&W TEST

この通り、TOEICテスト(リスニング/リーディング)もそうですが、TOEIC S&W(スピーキング/ライティング)テストの受講者数も増加しており、複数の要因はあるとしても、英語に対しての意識が少しずつ高まっていると見てよいでしょう。ですが、2019年度末(2020年3月)からは、新型コロナウイルス感染拡大前も含めて、若干の減少傾向が見られます。

 

政府・文部科学省の方針

小学校において新学習指導要領が全面実施されたのを受け、小学5・6年生で週2コマの教科授業、小学3・4年生で週1コマの外国語活動が行われ、英語教育のさらなる低年齢化が進んでいます。

 

早期英語教育のメリット

生後6ヶ月から始まる「英語耳」

まずはこちらのTEDの動画をごらんください。
※動画上で日本語字幕を表示できます。

この動画にもありますが、言語の習得には臨界期があるため、英語学習が遅くなればなるほど、第2言語としての英語の習得は非常に難しくなります。

「発音の聞き分け」という点でいうと、例えば、「rとlの発音」「子音で終わる単語」の聞き分けといった、日本人が慣れていない音に対しては、早期英語教育が大事になってきます。

この動画でも伝えている通り、6ヶ月の赤ちゃんはすでに外国語の音を学習する能力があり、早期英語教育に効果があるということが分かります。

そもそも、日本語と英語は、使用する周波数帯が異なり、幼少期に英語に触れたことのない日本人にとっては、英語の音を聞き取ることは非常に大変なのです。

このように、「英語」を聞き分けることが出来る能力を「英語耳」と呼び、この能力は大人になってからでは身につけるのが難しいそうです。

この「英語耳」や後述の「英語脳」の視点からの日本人にとっての英語に関する記事はこちらをお読み下さい。

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今現在英語の話せない方にとっては暗くなってしまうような記事ですが、やはり、早期英語教育、幼児英語教育というのが、様々な問題を解決してくれるキーとなります。

 

日本人には鬼門の「英語脳」

日本語で話す時は日本語で考えて、英語で話す時は英語で考える。英語を英語で理解する。

それを一般的に「英語脳」と呼びますが、頭の中で日本語と英語間を翻訳する作業が無いので、淀みなくスムーズに話せます。日本人にとってはこれがかなりの鬼門・・・。なぜなら、英語と日本語はあまりにも異なるからです。

一方で、ヨーロッパの言語と英語は共通点が多く、大規模な「脳内変換」を行うことなく、スムーズに話すことができます。

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英語習得にかかる学習時間の確保

さらにこのデータをご覧ください。

アメリカ国務省の付属機関であるForeign Service Instituteという組織では、組織内で外国語研修を行っているのですが、1973年に「外国語の研修成果と学習時間に関する資料」で以下のように外国語の難易度とそれぞれにおける「日常生活に困らないレベルの語学習得にかかる時間」をまとめています。

グループ1:英語と似た言語(ドイツ語・フランス語など)・・・480時間
グループ2:英語とやや異なる言語(ギリシャ語・ヒンズー語など)・・・720時間
グループ3:英語とかなり異なる言語(ロシア語・トルコ語など)・・・1320時間
グループ4:英語と全く異なる言語(日本語・中国語・朝鮮語・アラビア語の4言語)・・・2400~2760時間

参照元:Foreign Service Institute「外国語の研修成果と学習時間に関する資料(1973年)」

要するに

「アメリカ国務省で働く超優秀なアメリカ人」
「ドイツ語を日常生活レベル程度に習得する」には
「480時間」しかかからないが、
「日本語」の場合は、少なくとも
「およそ6倍の2400時間」かかってしまう

ということです。

この時点で、日本人が抱えるハンデがどれだけ大きいかということが分かるかと思います。

一方で、日本の通常の学校教育では、小中高大学の間で1000時間にも達しません。

もし、アメリカ人が日本語を学ぶのと同様に、日本人が英語を学ぶことも大変だということが言えるのであれば、小中高大学での授業以外に、単純計算で1500時間ほどの英語学習を行わなくてはならない計算です。

日本の現行の教育制度で、この時間をどのようにして確保するのか、という問題があります。

この時間を確保するためにも、幼少期からの幼児英語教育が大事となります。

 

イマージョン教育の効果性

子どもには子どもの得意な英語学習法があります。大人のように理屈や理論に基づいたものではなく、より直感的に学びます。

それは、周りの人の「真似をする」こと。大人の話す英語を見よう見まねで話し、恥じることなくアウトプットしていきます。

ですので、子どもにとっての一番の英語習得法は、とにかくたくさんの英語を聞かせて、コミュニケーションをすること(他の方法と併用して学ぶのももちろん良いです)。

そういう英語環境におくために、「イマージョン教育」がとても効果的です。

immersion

  1. ~ (in sth) the act of putting sb/sth into a liquid so that they or it are completely covered; the state of being completely covered by a liquid
  2. ~ (in sth) the state of being completely involved in sth

Oxford Advanced Learner's Dictionary

「イマージョン(immersion)」「浸す[浸された]こと[状態]」のことですので、「イマージョン英語教育」というと一般的には、ネイティブやバイリンガル英語講師のいる環境で、教育を受ける側が日本語(母国語)に頼ることなく、英語のみでコミュニケーションを取る教育方法を指します。

幼少期においては、英語にたくさん触れさせるだけでも大きな効果があります。

一般の家庭では、英語での双方向(インタラクティブ)なやり取りが難しく、教材を用いたインプットのみの英語学習になりがちですが、プリスクール等での、ネイティブ先生やバイリンガルの先生が集まる英語環境での「イマージョン教育」では、子どもからの英語でのリアクションも得ながら、英語を身につけることができます。

 

英語という言語が話者にもたらす性質

英語と日本語には多くの違いがあることはすでにお伝えしましたが、さらには、英語は日本語の敬語にあたるようなものが日常的には使われず、感情表現や、自分の意志表現をストレートに伝えるといったところも日本語と違います。そういった点は、単純に日本人と英語ネイティブの人の性格の違いというより、日本語話者と英語話者の違いという部分が大きく、日本人でも英語を話す時は英語話者としての性質・性格を持つケースが多いです。

オーバーな表現や、ストレートな意見や感情表現、日本語ではあまり言わないジョークも多くなったりなど、日本人が普段行わない言動を自然と行うことがあります。両方の言語を学ぶと、自然と両方の性質を自然と身に付けていきます。年上の人と気さくに話し、肩を組んだりするなんてことは、日本語で話している間柄では起こりませんが、英語だと、自然とそういうことができるのです。

 

多様性への寛容力

人が他人に対して抱く偏見差別というものは、意識してするものだけでなく、無意識の内にしているものが非常に多いです。そういった潜在的な感覚というのは、幼少の頃の経験などに左右される部分も大きく、この時期に受ける教育や経験は非常に大切です。

日本という国は、「外国」ひいては「世界」というものに接する機会が少なく、意識して行動することがなければ、ただ狭い常識の中で、狭い視野を持ったまま生きることとなります。

そういった環境が偏見や差別の温床となっていることは否定できません。

意識や感覚が凝り固まってしまう前に、英語という言語を通してそのバックグラウンドを感じ、学び、理解することによって、多様性への寛容力を持つようになります。

そして、外国人に対する偏見や差別、恐れといった意識が起こりにくくなります。

早期英語教育のデメリット

ここまでは、早期英語教育(幼児英語教育)のメリットについて見てきましたが、一方で、考えられるデメリットとしては以下のようなものがあります。

メリットとデメリットを理解した上で、幼児英語教育について考えていきましょう。

 

母国語(日本語)での論理的思考能力が未発達 ~セミリンガル(ダブルリミテッド)~

早期英語教育に対しての反対意見として一番多いのがこちらです。

市川力氏の著書「英語を子どもに教えるな」にはこう書いてあります。

圧倒的に英語の影響を強く受ける環境下で子どもを育てていく場合、母語である日本語の「二次的ことば」をきちんと伸ばしていくことが、何よりも重要であるといえる。

(中略)

母語も第二言語も「日常会話言語」レベルに止まり、「教科理解言語」の運用に問題がある状態を「セミリンガル」と呼ぶことがある。

出典元:「英語を子どもに教えるな」市川力

言語というのは、論理的に思考する上での大切な基盤ともなるため、2つの言語が共に未熟だと、せっかく2か国語でコミュニケーションが取れても、今後の人生において、論理的思考力が未発達のままとなります。これは、無計画にただ単に英語学習の時間を増やしたり、子どもに混乱を招くような英語への触れ方、日本語学習を疎かにするなどして起こりうる問題です。

バイリンガルを目指した結果、セミリンガル(ダブルリミテッド)が生まれた、ということは無いように気をつけましょう。この件については後述致します。

 

日本人としてのアイデンティティを失う

これは、デメリットと呼ぶかどうかは人それぞれです。

日本人であるのに、日本の文化・習慣・慣習を大事にしない理解できない、というのであれば問題ですが、日本の文化・慣習等も理解、尊重し、その上で、自分らしいアイデンティティが育てば、問題はありません。国境の無い、イチ世界人としての感覚を持つことは、特に否定されるべきものではないでしょう。

ちなみに私が海外で住んでいた時は、日本との違いを強く感じ、逆に日本人としてのアイデンティティを強く持つきっかけとなりました。

 

日本人としての常識を持ち合わせない

インターナショナルスクールプリスクール等、英語だけの環境で育った子どもが、一般の公立小学校や中学校に進学した際に、日本の習慣や慣習、そして常識が理解できず、浮いた存在となってしまうことは、しばしばあります。中にはイジメに繋がるものもあります。

この点では、インターナショナルスクールプリスクール等での日本文化学習や、普段の家庭でのサポートが重要となります。

 

子どもへの英語学習の強要

親が子どもにどうなってほしいか、というその想いだけで、結果的に子ども自身が望まない環境に置かれてしまう、ということも懸念点としてはあります。

そもそもとして、子どもにはより良い経験をさせてあげられるよう親が導いてあげたり、機会を与えてあげたりというサポートも大事ですので、新しい環境に子どもを置くこと自体は良いことですが、強要することで、子ども自身が負担に感じないような工夫が必要となります。そういった意味で、プリスクール等の園選びとしては、設定したカリキュラムを厳格に行うだけの園では、この点において問題がある可能性があります。実際の園を見て、保育・教育スタッフを見ることが必要です。

英語を嫌いになってしまったら元も子もありません。小さなお子さまに過度なプレッシャーや負担を与えないことが大事です。

 

問題点の解決方法

日本語教育と日本文化学習 ~セミリンガル(ダブルリミテッド)の問題に対して~

著書「英語を子どもに教えるな」の著者市川力氏は、アメリカへ海外転勤してきた日本人家族の子どもを対象に、アメリカで「塾」を開校し多くの子どもを見た経験として、セミリンガル(ダブルリミテッド)対策に関して以下のように語っています。

セミリンガル状態には陥らず、順調に英語と日本語とを習得していった子もいる。 (中略) 健一郎君(仮名)は、五歳のとき、アメリカにやってきて、小学校五年生の時に、日本へ帰国した。 (中略) 州全体の子どもの学力到達レベルを測定するテストがあった。その結果は、読み取り能力も作文能力も、英語を母語とするアメリカ人の子どもと比べても高いレベルにあると判定された。

(中略)

(一方で日本語能力は)漢字の書き取りには難があったものの、それ以外は、日本で必死になって受験勉強している子どもたちと互角の力を身につけていた。

(中略)

健一郎君のお母さんは、子どもをバイリンガルに育てるために周到な配慮をした。 (中略) 子どもにとって(英語が)日常の基本言語になっていく。「(日本語の)学習量」ではまったくかなわない状況の中で、「家庭教育」の「質」を工夫し、効果的に日本語学習を行った。

(中略)

英語と日本語とを両方学ばせるのは負担になるという発想に盲点がある。日本語の学習を、机に座らせてドリルや問題集をやることだという固定観念でしかとらえられないから、「かわいそう」ということになってしまうのだ。
健一郎君のお母さんは、「日本語のお勉強をしているんだ」という意識を子どもに抱かせないように、「(アメリカの)現地校で疲れた頭をリフレッシュする時間」となる工夫をした。それが「本の読み聞かせ」だった。
学校から戻ってきておやつを食べながら、あるいは夕食後のひとときに、一日最低一冊、子どもが読んでほしいとせがむ時は何冊でも読み聞かせた。子どもが気に入った話であれば、同じ本を何度でも読んで聞かせた。読み終わったら本のことについて、思うままに語り合った。

(中略)

このようにして、健一郎君が「日本語」を学びたがるように、楽しく「読み聞かせ」をすることを一日も休むことなく実行し続けた。

出典元:「英語を子どもに教えるな」市川力

家庭での日本語学習についてでした。たとえ、日本でインターナショナルスクールに通い、英語で生活の時間が多かったとしても、日本に住んで、日本人の家族と暮らしている以上は、日本語での時間も多くなりますので、あまり気にする必要はないかもしれません。ただ、少なくとも上記のような点を理解しておき、補助的な学習に役立てて頂ければと思います。

英語を学習すると、日本語と英語の違いに対して敏感になり、日本語をより意識するようになります。そのため、英語を勉強することにより日本語力が落ちるというのは、早計ではないでしょうか。

英語を勉強することにより、日本語に対してのアプローチ、そして多言語学習におけるアプローチも代わり、相乗効果も期待できます。

子どもをバイリンガルに育てることに成功した親が必ず強調することは、親が子どもに対して使う言語を一つに定めることである。アメリカでは、日本語を使う機会は、家庭に限定されるわけだから、親は徹底して日本語で子どもに話しかけるべきである。英会話の練習台として、子どもと英語で話す親が見受けられたが、親の不完全な英語は、子どもに悪影響を及ぼすだけである。

(中略)

彼(健一郎君)が、英語を使った時は、「えっ?何て言ったの?お母さんわからない」ととぼけて、日本語では何というかを考えさせるように仕向けた。

出典元:「英語を子どもに教えるな」市川力

英語のバックグラウンドが無い親が子どもに対して不完全な英語を話すことは、長い目で見れば返って逆効果となる可能性もありますので、慎重に考える必要がありますが、これも一概には言えません。日本に住んでいれば、否が応でも日本語での生活がマジョリティですので、英語に触れる時間を増やす、一緒に英語学習を楽しむ、ということを実践しても良いのではないでしょうか。

 

日本式の教育 ~日本人という意識の喪失の問題に対して~

外国(例えばアメリカ式)の自主性・主体性・個人主義といった考えに基づいた英語学習は、子どもにとってもとても良い影響がありますが、一方で、日本人らしさの良い点も非常に多くあります。

日本人は協調性を重視し、目立つことを嫌がりますので、日本のように規律正しくルールを守ることにより失われる個性もあれば、周りを思いやり協調性を持って動く素晴らしさもあります。

これらは、両立不可能なことでしょうか?

答えは「ノー」です。

両方を理解し、両方の良い部分を自分の意識・行動に取り入れていけば、素晴らしいリーダーシップを発揮しながら個人への思いやりも併せ持ち、素晴らしいチームを作り上げられる理想の人間となれるでしょう。


日本人としての良さ、日本的教育の良い点・悪い点を共に理解し、与えられる教育は、子どもにとって明るい未来を切り拓いてくれる基礎となります。

 

子どもの語学は退屈な座学であるべきでない ~英語学習強要の問題に対して~

幼児英語教育においては、教科書やワークブックに向かう座学が中心で行うよりも、子どもたちが楽しく自然と英語を習得できるようにするべきです。

例えばアメリカの家庭で生まれたアメリカ人の赤ちゃんは、家族との生活において自然と英語に囲まれて色々な経験を通して自然と英語を学んでいく。それを日本の幼児英語教育でも行うことにより、子どもたちが自然と自分から英語を学びたいと思うようになります。「ネイティブ外国人とコミュニケーションをとりたい。そのために英語を話したい」という自然な流れです。

先程引用した著書「英語を子どもに教えるな」にはこうも書いてあります。

たとえ母語とともに外国語を学習する能力が子どもに潜在的に備わっているとしても、「動機づけ」「適切な環境」「適切な方法」のすべてがそろっていなければ、バイリンガルとして育たないという認識が抜け落ちている。

出典元:「英語を子どもに教えるな」市川力

これは逆に言えば、「動機づけ」「適切な環境」「適切な方法」を実現できるのであれば、バイリンガルが育つということが言えます。

この3点を実現する方法として、「良いプリスクールを選ぶ」というのが最短の近道です。

長いところでは、朝から夕方(延長保育含めれば夜)まで子どもは園で過ごしますので、絶対的な英語量に加え、子どもの成長を見ながらそれに応じた英語教育を受けられます。また、保育に関連付けて生活を通して楽しく学ぶため、単調な英語学習とも大きく異なるものですから、良いプリスクールに出会えれば、「動機づけ」「適切な環境」「適切な方法」について親が特別なサポートをすることなく、子どもはバイリンガルへとなっていきます。

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英語がもたらす未来

子どもの未来を広げる

この先、日本ではさらなるグローバル化が進み、英語という点においてはそう遠くない将来にはほぼみんなが話せるようになるでしょう。

香港では、イギリスに統治されていた時代が長いため、英語を話せる人が多いですが、実は年配の世代は話せない人が多いのです。

他のアジアの国を見てみれば、マレーシアやインドネシア等で学力の高い人のほとんどの若者が英語を話します。それは、英語が話せなければ生活していく上で困ることを知っているからであり、未来がないことを分かっているからです。

日本のような先進国だっていずれはそうなります。

今はまだ必要ないかもしれませんが、ここ10年における日本での状況の変化を考えれば、子どもの20年後、30年後、40年後の世界では、英語がマストになる可能性は大きくあるでしょう。

「10~20年後に国内労働人口の49%に当たる職業について、人工知能やロボットで代替される可能性が高い」

2015年12月、野村総研

「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」

2011年、米国デューク大学 キャシー・デビットソン

このように、日本そして世界も、仕事環境は全くもって安泰ではなく、激変していくこれからの世界で、新たな世界への挑戦・対応や自主性・創造性が大事だということは上のことからもわかります。

新しい物を学ぼう・取り入れようとする姿勢、新しい物を創りだそうとする姿勢を持つための英語、好奇心を持ち新しい物を取り入れる際のツールとしての英語、あらゆる面で、英語が話せないということが大きな足かせとなります。

子どもの将来の選択肢を確保するためにも、早期英語教育を検討し、その後、小学校以降のインターナショナルスクールも視野に入れて、時間をかけて情報収集をして頂ければと思います。

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あなたはこれから海外で働きたいと思いますか?

学校法人産業能率大学が新入社員を対象に3年に1度行っているグローバル意識調査の中の1つの質問。

ニュースなどでも取り上げられて、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

海外で働きたいと思うか

出典元:第7回新入社員のグローバル意識調査 | 調査報告書 | 産業能率大学

最新の2017年度は、「どんな国・地域でも働きたい」「国・地域によっては働きたい」という新入社員が若干回復したものの、「働きたいとは思わない」という新入社員は、2001年度と比較して2017年度では約2倍の60.4%です。

海外志向と国内志向の二極化が進んでいます。

言語の壁を気にすることなく、異質なもの(外国・外国人)という認識や偏見・差別を持たず、海外も含めた広い視野を持った人が増えてほしいです。

当校「CGKインターナショナルスクール」では、小学校6年生にあたる中等部1年生で1年間の海外留学をおこなっており、低年齢での海外留学を推奨しています。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

語学は他の学習とは異なり、学習のタイミングが重要となりますので、幼児英語教育というものを慎重に検討しつつも、先延ばしにしてしまうと、せっかくのバイリンガルになれるチャンスを逃してしまう可能性もあります。

幼児英語教育におけるメリットとデメリット、そして、デメリットに対しての解決法などをお伝えしてきましたが、私が運営する横浜にある「CGKインターナショナルスクール」では、もちろん、それらの点を意識し、お子様の英語力や国際力を育むグローバル教育と、保育を両立したカリキュラムとなっています。
この記事をお読み頂いたのも何かの縁ではございますし、ぜひ、当校のHPもご覧頂けますと幸いです。

Web: 横浜のインターナショナルスクール|CGK International School

英語が話せることによって広がる世界というのは、単純にビジネスや旅行といった話だけでなく、その人の人生そのものを豊かにしてくれるものです。
私自身、更に英語力を向上するため、日々勉強中ですし、その先に待つ、自分の将来の世界へワクワクしながら取り組んでいます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
この記事を読んで、少しでも英語学習に興味を持つ人が増えれば幸いです。

CGKインターナショナルスクール
理事長 甲斐実

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